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U.N.D.E.A.D 有機オートマトンの設定の修正プランを考えよう

はい、そのまんまです。

twitterのほうで人間ベースの有機的なロボット作ったらええやんに思った以上の反響が出まして、そちらのレスで非常に興味深い洞察を書いて頂いた「Dr. ♠NoMuR(XXV-100)」氏の文章をベースに色々考えてみたいと思います。
本当にありがとうございます。

最低限の説明で「死人たちのアガルタ」の有機オートマトンのお話が出てきますが、平にご容赦ください。


1.製造速度
機械であれば可能な限り並列な製造ラインを組んで最後に組み立てることが可能。
これができると必要な物に合わせた形状変更も容易。

人間をベースに人間と認識できる程度の改造だけした培養人間ならどれだけ頑張っても、生物の発生のメカニズムに逆らうことができない。

――作者の考察――
生物は細胞分裂するため、いきなり巨大なパーツを作ることが出来ません。
特に骨は厄介です。人間は成長の終了に20年近くかかってます。

では骨格だけスチールボーンを用意して、粘菌状のベースにまとってもらって、そこから動物の形態に変化してもらえば良いのでは?
あるいは既存の機械に制御部品として憑依してもらう形態は?
神経組織と筋肉にそれぞれ変態できる生物種を作ればある程度カバーできそうです。

ちなみに「死人たちのアガルタ」では
「ほならね人間をそのままロボットにしたらええやん」で
生産の簡略化を試みて転化させ始めたのが
世界が滅びへ向かった直接的な原因になっています。
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2.精度と力

哺乳類は関節に減速機構を持たない上認知の仕組み的にも、絶対的な位置決め精度と力に関しては従来の機械には全く敵わない
これは現在の産業用ロボットアームにおいても既に圧倒的に勝っている点

仮に曖昧さが欲しい作業なら、ソフトロボットやバイオロボット、AIの発展に期待できる
ロボットなら手先の付替えや処理方式の組み合わせで既に対応する技術があるが人間には不可能

仮に人間ベースにそれをするならかなり大掛かりなサイボーグ手術が必要
――作者の考察――
生物は呼吸と鼓動、筋肉の蠕動で完全な静止が出来ません。
なので正確動作性については諦めましょう。
公差が出ても良い作業、意思決定を代理で行ってもらうのを目的として
直接の作業はマシンに行ってもらいましょう。

手先の付替えといった修正対応ですが、アンデッドの場合は可能とします。
ホチキスの仮止めといった雑な手術でも、他人の腕や足、頭部すら移植できます。
貪食して神経組織の再編をする時間は必要ですが、下半身を馬や蛇にしたり、鱗のある肌を移植することができます。
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3.汎用性

人は必ず五体を持って生まれる

現在の産業用ロボットアームを見れば分かる通り、労働力としての人間に期待される要素の大半は

腕、手先、眼、触覚、脳

であって歩行は必ず必要な訳では無い
歩行は車輪と比較してエネルギ効率が断トツで悪いためである

人の汎用性はあくまでも生き物の中で高いのであって、機械と比較する物ではない

欲しい要素が限られるのならバラバラにして再配置出来たほうが良い

人のインフラが使えるという利点も裏を返せばいつまでも人のインフラを使わなければいけない欠点でもある

ロボットが労働力ならそれに最適化すれば良いので、いつまでも旧来の形にこだわるべきではない
―――作者の考察―――
アンデッドは必ずしも人間の形態を取りません。
監視用アンデッドの中には苔、錆のような形態、霧のようなスマートフォグも存在します。さらに、機械のマニュピレーションをするアンデッドの中には、粘液状の個体もいます。

人の汎用性はあくまでも生き物の中で高いのであって、作業の概念を抽出した機械とは比較になりません。
要求を抽象化して再配置した方が製品としては適切です。
そういったことからアンデッドにこれと言った形は存在しません。
人間に似た形をしたものが(観測できる範囲で)多いだけです。

ヒトの作り出したインフラが壊滅し始めている今の状況では、彼らも次第に別の姿を取り始めることでしょう。
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3.資源とエネルギ源

地球の資源の割合で言えば水やタンパク質より、金属の方が基本的に多くリサイクルも容易

ロボットが金属で構成され電気か石油で動くと仮定すると、材料とエネルギ源は人間と競合しない

クローン人間は人間と同じ原料とエネルギ源を使うため、競合が発生してしまう

蝶の成虫とアオムシでは食べる物が違うため競合が発生しない様に、支配者と労働システムではエネルギ源が別だと良い事が多い
―――作者の考察―――
有機オートマトンと人間は食性が同じでしたが、競合の問題が表面化する前に人間のほうが歴史から退場してしまいました。

資源的な割合で言えば高分子素材よりも金属、主に鉄になりますが、こちらの方が普遍的です。埋蔵資源地の距離、地表にあるという材料とエネルギーはそれぞれに異なる条件があるので、この問題点は「ご当地アンデッド」の設定に使えそうです。

岩や砂で出来ている、藻で出来ているアンデッド。
あるいは想像もしないモノで出来てたっていいじゃない!!
そういった明らかに人間ではない人間に似た思考を持った種族。
かなり面白みのある使い方ができそうです。
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4.テンセグリティ構造の弱点

地球上のほとんどの内骨格生物は、不安定な骨格に対して、タンパク質製の物(筋肉、腱、靭帯等)で張力を与えて身体を構成している

テセグリティそのものは軽くて柔軟で丈夫な構造だが、張力が維持できないと崩壊する

ところが、タンパク質製のバネは"へたり"に非常に弱い

つまり同じ姿勢でいるとすぐに劣化してしまう

このため、使わない時は小さく畳めるクローン人間を作る事はかなり難しい

また、数ヶ月座りっぱなしで手だけで労働させ、その後重労働で全身を使わせる、といった用途にも向かない

逆にテセグリティ構造を持ったロボットは現在はあまり研究が進んでおらず、柔軟なロボットを作る側面としては未だ人体の方が優れている点が多い
―――作者の考察―――
テセグリティ構造とは、鎖で繋がれているだけで浮いてる用に見えるテーブルのアレですアレ。

アンデッドは常にどこかしらうごめいている。
アイドリングのエネルギーが必要となる、精密さがなくなる原因でもありますねコレ。

ただ少数の材料でも安定する、硬軟の材料をつなぐという筋肉と骨、テセグリティ構造の利点は非常に大きいです。
難点は少数部品で構成されているため、どこを破壊されても動作に大きな影響が出ることでしょうか。

この場合、アンデッドの肉体は修理が容易という特性でカバーしましょう。

既に作中にヒドラ剤というアンデッド専用の薬剤があります。
これは腱を切られたとしても結合させて動作可能にするという品です。

この薬剤の効果を強化して、破滅的な破壊でなければ修理が容易としてみましょう。

折りたたみ形状が取れないという点については、骨のないクラゲのような形状をとることも可能とするか、何か他の案を考えてみたいところです。
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5.設計方法

適者生存の生物の進化の歴史とDNAは様々な可能性を含んでいると言えるが、工学的観点で言うと"上手くいくまで行き当たりばったりで適当に造った物"と言える

人体を自由自在に改造したりDNAを書き換えたりできる技術があるなら、人型タンパク質ロボットをDNAレベルから再設計した方が良い

生物数十億年の神秘がDNAを通して予期せぬ適応力を示してくれる可能性は捨てれないが

数年で使い潰す労働力にそんな期待はしないので再設計人間を労働力にした方が良い
―――作者の考察―――
DNAレベルの再設計についてはそのとおりだと思います。

作中でも言及されている通り、アンデッドは再設計された人間のはずです。

生命の発展の系統樹は生命の樹、クリフォトにたとえられますが、アンデッドが用途用途に改造される前の段階、グレーマンはその根っこの方、共通祖先にまで戻っているという設定が良さそうです。

ただ菌類まで行くともうそこで戻れなくなるので(どうなってんだよ生命)ここは現実に逆らった独自設定になりそうな予感がしています。

生命の起源について、まだ本当のことは解っていません。
なので創作するしか無いというのが実際のところですが。
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以上です。
興味深い洞察を頂いて刺激になりました。
感謝!!

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