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死人たちのアガルタ用の資料メモ(AIまわり)

自分用資料メモです。
調べれば調べるほど、現代の技術ってスゲーってなりました


●生物模倣工学(バイオミメティクス)

バイオミメティクスは、自然界の生物が持つ構造や機能、プロセスを模倣し、それを技術や製品の開発に応用する学問分野。自然界は数億年にわたる進化の過程で優れた解決策を見出してきた。バイオミメティクスはこれらの自然界の知恵を活かし、技術の工場に貢献することが期待されている。

・具体的な応用例

1.フクロウの羽を模した静音技術
フクロウの羽ばたきは、音が響きやすい夜間でも獲物に気づかれないよう、風切羽には細かい羽毛が生えて音を打ち消している。この特性を応用した冷却ファンやドローンのモーターは、騒音を大幅に低減した。

2.蓮の葉の構造を活かした超はっ水技術
蓮の葉の表面構造を模倣して開発された素材は、水滴が葉の表面を転がり落ちる仕組みを再現したことで、汚れや水分を防ぐ効果を得た。

こうしたバイオミメティクスはニューロサイエンスの発展に繋がり、人間の侵襲的・機械的改造を伴わないICT化≒サイボーグ化への道を拓くことになる。

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●ニューロモルフィック・エンジニアリング

これらはエッジ処理を行うプロセッサ(自動運転などに使われる、処理能力よりも反応速度に優れたコンピューターのこと)であり、アガルタ世界のウェポンシステムや軍用車両等には、これらを利用した多くのセンサー技術が追加されている。

使用されるエッジプロセッサはニューロモルフィック・プロセッサであり、データを中央プロセッサに送信することなくセンサーそれ自体がニューラルネットワーク計算を実行する。専用化により、兵器としての堅牢性はかなり高い。

これらのプロセッサはスマートヘッドセット(暗視装置と共に、状況に応じて目標を〝生成〟する能力を持つ。そう、検出ではない。この違いについては後述する)や歩行戦車、無人機のセンサーなどに用いられている。

次に説明するSyNAPSEは、このニューロモルフィック・エンジニアリングがなくては存在しえなかった。


●SyNAPSE
(Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics)

SyNAPSEは実在するプロジェクトで、米国の国防高等研究計画局(DARPA)によって、電子的な神経模倣技術の開発を目的とした行われた、一連の開発プログラムを指す。

この計画は、哺乳類の脳に似た形状、機能、論理的構造を備えた新しい種類のコグニティブ・コンピュータを構築する試みだった。
SyNAPSEで作成されたコンピューターは一般のコンピューターと異なり、データを認識し、推論して、人間の意思決定をサポートするのが目的だった。
この人工脳は、ニューロンとシナプスの総数およびそれらの接続性がそのまま推論の速度と確度を高めるようになっている。

SyNAPSEの開発データを元にして作られた人工脳、アルジャーノンは必要とされる性能に応じて神経システムのサイズを拡大・縮小して知能が拡張することが可能となっている。アルジャーノンは非常に完成度が高かったため、細かなアップデートを加えられつつ、戦後も使い続けられている。
アガルタ世界で推論エンジンといえば、このアルジャーノンのことを指す。


●軍隊から軍体へ。知性化の始まり。

2040年代から戦場でAIが活躍を始めると、戦場での意思決定速度は非常に早くなっていった。これにより、当時のC4Iシステムでは戦場の速度感に対応できなくなってきていた。2025年のドローンオペレーターは平均20秒に1件の攻撃リクエストを承認していたが、40年代にはさらに増加しており、人間の処理速度では兵器の適切な運用ができなくなっていたのだ。

そこでAIを搭載した兵器の自動化が行われることになった。
自動兵器が攻撃を行う際の最終意思決定は、名目上人間が行うことになっていたが、同時の世界情勢は自動兵器の倫理的制約をとうに形骸化させていた。

当時の軍隊の意思決定は競争環境下における意思決定速度を重視した形式だったものの、依然として階梯(ヒエラルキー)が存在し、それが意思決定速度のボトルネックになっていた。

C4Iシステムには作戦指揮系(OPS)と情報資料系(INTEL)の2種が共通作戦状況図(COP)と共通インテリジェンス状況図(CIP)というそれぞれ異なる作戦図を用いていたが、自動化に伴いCIP寄りの機能で一元化されリアルタイム更新にアップグレードされた。

これはC4Iを管轄する推論エンジン(AI指揮官)を利用する都合上の変更であった。
人間の指揮官を置き換えた推論エンジンはそれぞれの意思決定にヒエラルキーが存在しない。また、敵に関するすべての情報報告を総合することによって導出される敵の可能行動について扱うために、状況図を各級の指揮官のために分化させる必要がなかったのだ。

つまり推論エンジンは戦略級から戦術級までの意思決定の階梯をすべて内包しているということだ。実際、戦略級から作戦級、戦術級で行われるのは兵力調整のみであり、人間の情報処理の限界によって同じ仕事を腑(ふ)分けしているだけにすぎなかった。

例外は最下層の交戦級システムである。
実際に敵と交戦する無人機などの戦闘ユニット(交戦当事者)は、他のユニットと情報(状況図)を共有しない。
基本的に無人機の戦闘は現場の状況に応じてユニットに一任されるもので、各ユニットが自身のセンサーから得られた状況を元に推論、戦闘を行うものだった。

各ユニットは与えられた指示に対して推論と内省を行い、実行目標を生成して行動する。例えば戦線の突破を指示された場合、ユニットは敵に正面攻撃を試みるのではなく、迂回をして側面攻撃をしかけたり、障害物を破壊して突破を試みる。

(さて、先述したスマートヘッドセットは攻撃目標の「検出」ではなく「生成」と表現されていたが、ヘッドセットはこれらのユニットと同じように推論に基づいてユーザーに実行目標を生成して提示する。敵から射撃を受けたら、銃声から口径を判断、それに基づき弾丸が貫通しない遮蔽物をハイライトし、射撃方向をインジケーターで表示する、といった具合だ。)

軍事行動の意志の流れは、
観察>内省(判断)>決定>実行というものである。
これらの段階の変化で必要なものは想像力、すなわち推論の能力だったため、推論能力に優れる大規模言語モデル(LLM)が大いにその能力を発揮した。

一方、現場で交戦を行う戦闘ユニットもセンサー類に直結した推論エンジン(アルジャーノン)を持ち、ネットワークによる最低限の指示のみで、自律的な戦闘行動が可能になっていた。

ネットワーク化された3.5世代戦車、例えば10式戦車は10NWシステムを持ち、僚車の情報を元に視界外の射撃が可能になっていたが、アルジャーノンを搭載した戦闘兵器は推論をもとに未来予知としか思えない精度で協働を可能にした。これはアルジャーノンが全て同一個体であり、集合知性であるがゆえの強みだった。

これら無人化されたC4Iシステムは、アルジャーノンよりも高い適応能力を持つ有機オートマトン、『UNDEAD』が登場した際、ほぼそのままの形で引き継がれた。

アガルタ世界における日本のC4Iシステムはアメリカに倣って2040年代にこの変更を行った。2020年に「平導院」で本家アメリカ合衆国のC4Iシステムよりも階梯化を緩和していたため、これらの更新にはさほど苦労しなかった。

2040年、C4Iシステムは「協導院」に更新され、完全に無人化される。
同システムは2100年代まで修正とアップデートを繰り返しながら運用を継続し、世界の終焉を見守った後は自動的に停止した。
そして、再び必要とされる時をひっそりと待ち続けている…。

※補足※
推論エンジンは正確性よりも速度に優れた道具なので、(実際、仕様に基づいた正確な数値計算は苦手)C4Iに推論エンジンを参加させたとしても、どこかで正確性を担保する仕組みが必要。そこで認知が人間と酷似した機械、つまりアンデッドの需要が生まれたとするのが自然そうですかね?

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といった感じです(長げぇ…。)
出典は主に人工知能国家安全保障委員会(NSCAI)のレポートと、人工知能学会のレポートが元になっております。
真偽の割合は、大体七三分けくらいです。

SFは歴史やシチュを組み立てないとキャラが動いてくれないので、こうした設定を重ねていくのは必要な作業なんですが……手間がかかりまくりんぐですわ

ま、現代から2040年代までに起きると想定できる動きはこれくらいかなぁと
喜ばしくないことに、自動兵器に関してはかなり発展してるんでこれよりも早く進むかもしれないかもしれないというのがちょっとした恐怖。

さて、ここから先はU.N.D.E.A.Dの根幹技術となる自我関係、意識の連続性の維持と移植、神経の物理的記憶に基づいた技能と記憶や自我の切り離し、人機共通ソフトウェアとメタマテリアル≒プログラマブル素材(セルフアセンブリ素材)を用いた可塑性ハードの開発なんかが進んでいくんじゃなかろうかね? と推測しています。

だもんで、次はそのあたりの設定をコネコネしていきましょう。
うーん、ネクロニカめいてきた…イイゾーコレ

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