いつも読んでいただき、ありがとうございます。
もうすぐ4月になります。早く花粉の季節が過ぎ去ってほしいものですね。
さて、今回はちょっとした小ネタ「助詞」について話したいと思います。
ちょっと堅苦しい話になりますがご容赦ください。
*注*
紹介しておいてなんですが、それぞれの要素は衝突や競合をひき起こします。
最終的には書き手の判断が重要となります。
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●主格を示す格助詞「が」と「は」の使いわけについて
さて、以下の文をご参照ください
・あいつが敵の親玉だ。
・あいつは敵の親玉だ。
両者、その意味が違うのがおわかりでしょうか?
これは「新情報か旧情報かによって使い分ける方法」です。
会話中、主題となる名詞が【未知・新情報】の場合は「が」を使って表し、【既知・旧情報】の場合は「は」を使うという基準です。
それぞれ前後のシチュエーションを書いてみましょう。
敵の中心に、デカいアンテナが付いたロボットが居る。
そうか、あいつが敵の親玉だ!
おや? 敵の中心にいるやつをどこかで見たような?
思い出した、あいつは敵の親玉だ!
★★★
つぎに「現象文か判断文かによって使い分ける方法」です。
現象をそのまま表現、描写する文を「現象文」といいます。
現象文の主題には「が」が付きます。
他方、現象に主観的判断を加えた文は「判断文」といいます。
判断文の主題には「は」が付きます。
やってみましょう。
・(目の前に落ちている銃を見て)銃が落ちている。<現象文>
・(目の前に落ちている銃を見て)銃は誰のものでもない<判断文>
★★★
ここからだんだん難しくなってきます。
3つ目は、何処まで係るのか? です。
言い換えると、「は」「が」で修飾された主題は、文中で何処まで影響しているのか、ということです。
主題が文末まで係るときは「は」を用い、節に限る場合は「が」を用います。
やってみましょう。
・騎士が剣を振るとき、ブンッと音がした。(剣が音を立てている)
・騎士は剣を振るとき、いつも周りに気をつける。(騎士が気をつけている)
★★★
4つ目は、対比か排他かです。
主題が他のものと対比されている場合、「は」が用いられます。
一方、「それだけが~だ」という、排他の意味を持つ時は「が」が用いられます。
・私はガンダムを選んだが、ザクも好きだ。
・俺がガンダムだ。
取り替えてみましょう。
・私がガンダムを選んだが、ザクも好きだ。(純粋エラー)
・俺はガンダムだ。(お前は?)
意味の変化や、違和感を感じるでしょうか?
俺がガンダムだ>いや、僕こそがガンダムだ!
俺はガンダムだ>そうなのか、実は僕もガンダムなんだ
前後の文脈を補足すると、こういう流れになるでしょうか?
これが対比か排他での「が」と「は」使い分けになります。
★★★
最後はちょっと難解です。指定文か、措定文(そていぶん)かです。
措定分は「は」を用います。
指定分は「は」も「が」も使えます。
措定という言葉は耳慣れないと思うので解説します。
措定とは、ある命題を、自明なものあるいは任意の仮定として、推理によらないで直接的に肯定し主張することです。
ややこしいですね?
「クジラは哺乳類だ」のように述語が主題となる名詞の性質を顕していて、「哺乳類はクジラだ」と、ひっくり返すことが出来ない文章を「措定文」といいます。
「ディズニーランドは千葉にある」
「千葉はディズニーランドにある」(どうみても純粋なエラーですね?)
もっと身近に、レストランで料理を頼む時はどうでしょう?
「僕は餃子だ」
「餃子は僕だ」(これも純粋なエラーですね?)
これが措定文です。
では、このひっくり返しが出来る文は?
それが「指定文」あるいは「同定文」になります。
やってみましょう。
「その人がルパンだ!!」
「ルパンがその人だ!!」
ここでは「ルパン」という述語の名詞が、主題になる名詞「その人」とおなじモノであることを示しています。
そして、この文では「は」も「が」も用いることが出来ます。
「その人はルパンだ!!」
「ルパンはその人だ!!」
こういったように。
以上です。
なにかの参考になればこれ幸いです。
措定文の参考文献
https://core.ac.uk/download/pdf/56628742.pdfではでは!