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カクヨムコンの結果について語る(その1)

2024年某月某日
日本某所(なにもわからん)

名無之権兵衛は三人の人物を呼び出した。
レスター、エリック、そしてティアーナの三人だ。
三人が到着するなり、名無之権兵衛は彼らを正座させた。
名無之は神妙な面持ちでこう言った。

「カクヨムコンの結果が出た。残念ながら僕らの作品は受賞することはできなかった。その理由がなぜか分かるか?」

三人とも首を傾げる。元より「トマス・プランテーション」の登場人物である彼らにカクヨムコンの情勢など知る由もない。
けれども名無之は続けた。

「これを見たまえ」

名無之が出したのは「トマス・プランテーション」のPV数の推移だった。

「このグラフによると、『トマス』は2月末に完結すると、閑古鳥が鳴き始めた。PV数は1桁/日となり、0PVも珍しく無くなった。そんななか!!」

目をギンと見開く。

「4月◯日に一気読みをしようとした形跡が見られる。これはまさしく! カクヨムコンの選考委員が本作を読んだ証拠だ! そう、読者選考を突破した『トマス』をプロの編集者が読んでくれたのだ!
 しかし、そのPVは24で止まっている。どういうことか分かるか?」

 三人は一様に首を傾げた。
 名無之は声高らかに言った。


「君たちが! 選考委員の心を掴めなかったからだ!!!!」


 場に静寂が流れる。名無之の弾む息だけが聞こえていた。
 やがて、三人が立ち上がる。

「お前が!」
「うまく書かなかった!!」
「せいでしょうがぁ!!!」

 レスターはアサルトライフルを、エリックは硬質角を、ティアーナは術式を、それぞれの持ちうる手段で名無之を攻撃した。

「なにを呼び出したと思ったら偉そうに!」
「我を愚弄するか、作者よ!」
「其方の呼吸を本当に止めてもよいのですよ」

 迫る超人たちに名無之は慌てて言った。

「でもね、、、でもね!!!」(つづく)

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