• 歴史・時代・伝奇

プレプリント・サーバー

査読について大晦日に私が思い切って書いた「近況ノート」に沢山の方々が御支持や御意見をお寄せ下さり、心から、心から感謝致します。 
感無量です。

論文(もちろん査読付き)を書き慣れている方々は、しばしば「論文のお作法」とか「それは“論文のお作法”に反する」といった言葉を口になさいます。
そんな“お作法”を重視するために、査読を通って論文が世に出るまでには何か月も何年も要するのです。
これは、海外では非常に問題視されてきました。
遂に、新型コロナのパンデミックに際し
「とても、こんなのではやっていられない。
コロナと戦う医療の実戦の現場には、役立たない。」
という声が噴出し、査読前論文(プレプリント:まだ査読を通っていない論文)をインターネット上で公開するサーバー「プレプリント・サーバー」が世界的に急速に発展しました。
「プレプリント・サーバー」は、まさに文章投稿サイトに近い形で、パンデミック以前から工学などの分野で急成長しましたが、パンデミックで一気に爆発的に発展したのです。
しかし、日本からはプレプリント・サーバーへの投稿は僅少だった。
日本だけ別世界にいた感があります。
そこで2022年3月24日、日本語の論文を投稿できるプレプリント・サーバー「Jxiv(ジェー・カイブ)」が登場しました。
これで日本からもプレプリント・サーバーへの投稿が増えることを期待して。
しかし、「J xiv」への投稿数も僅少・・・
実は、私も今日(2024年1月2日)調べて、初めてその存在を知りました。
全然、日本ではプレプリント・サーバーが知られていない。 育たない。
その理由としては、論文をプレプリント・サーバーで公開しながら査読を待つのが海外では一般的ですが、日本ではプレプリント・サーバーに投稿した論文の査読を拒否する学会や学術誌が少なくないことを挙げる方々も居られます。

“お作法”を重視し何か月も何年もかかる査読を尻目にプレプリント・サーバー(原理は文章投稿サイトと同じ)が世界では急成長している・・・この事実を知っただけでも胸が熱くなりました。

4件のコメント

  • プレプリント・サーバー、初めて知りました。プレプリント・サーバーに投稿したら、出版済みの論文とみなされて雑誌掲載が拒否されそうな気がしますが、海外では問題ないんですね。
    査読で何年も待ったら、内容が古くなるし、ネイティブチェックに払ったお金が無駄になります。というわけで私は専門分野で権威のある雑誌に投稿するのはやめました。何と言っても80%が掲載拒否だっていうので、やる気がなくなります。
  • 田鶴様 御侍史

    コメント、有難うございます。
    あらためて田鶴様のインテリジェンスの高さを感じました。
    田鶴様の様な才能溢れる御方に論文投稿の意欲を失わせる学術雑誌や学会には、あらためて再考を促したい。
    それは、田鶴様お一人の問題ではなく、社会の損失を意味します。

    私は、国政に出て、この国の無数の田鶴様が自由自在に思いっきり才能を発揮できる、そんな国にしたい・・・国会議員にならなくても出来ることかもしれませんが、困難を極めるでしょう。
    だから、国政を目ざすのです・・・田鶴様の才気溢れるコメントを拝見しながら、そんなことを考えてしまいました。
    今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 私はお褒めにあずかれるほど才能溢れているわけではありません。80%掲載拒否の雑誌はイギリスの雑誌です。当該分野で伝統と権威があるので、投稿者が多すぎるようです。言葉が足りず、すみません。

    日本で頭脳流出が叫ばれ始めて久しいです。才能ある若者が日本で将来に希望を持てるよう、先生のようなやる気のある方に国政にぜひ関わっていただきたいです。成功をお祈り申し上げます。

    こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
  • 田鶴先生 御侍史

    あらためて御見識の高さに感嘆致しました。
    激励の御言葉に勇気百倍です。

    韓国ドラマ「馬医」は、17世紀馬医(獣医師)から医師になり国王の主治医にまでなった実在の医師ペク・クァンヒョンを描いた作品ですが、彼が医師になるのを阻止しようとする御典医イ・ミョンファンのさしがねで押し寄せる苦難をものともせずに乗り越え成長するペク・クァンヒョンの不屈の姿に、決して諦めないとの決意を新たに致しました。
    それくらい私の国政への道は困難を極めるものです。
    ドラマには脚色も創作もございますが、17世紀の宮廷で実在のペク・クァンヒョンもドラマに勝るとも劣らぬ辛酸を嘗め尽くしたことは想像に難くありません。
    そんなことを心の支えにしなければならない私は、田鶴先生の御言葉によってどれほど救われたことでしょう。
    今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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