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リレイジの設定『リレイド・リレイズ・システム』について

 こんにちは、お疲れ様です!
 馬鹿みたいにいい天気IN青森でございます。
 昼からビールが飲みたくなる、そんな日曜の午後。

 さて、今日は拙作『リレイヤーズ・エイジ』シリーズの設定の一つ、『リレイド・リレイズ・システム』についての説明というか、捕捉というか。ちょっと作中で御堂刹那特務三佐が話してくれてますが、なかなか難しいですよね。時空間相互連結装置……通称、リレイド・リレイズ・システム(以下RRS)は、一種のタイムマシンです。そして、現在から見て『無数の過去』と『無数の未来』の中から、座標軸のわかる(世界線のAPアドレスのようなもの)時間と空間に自分を生まれ変わらせる装置です。座標軸がわからない場合は、どこに生まれ変わるかはわかりません。過去か未来かくらいしか、決められない。そういうタイムマシンですね。

 ご存知のように、未来の可能性というのは無限に存在します。今この現在から分岐する、無数の平行世界……例えば、ながやんが今日リレイジを更新するかしないかで『日曜日にリレイジが更新された世界』と『日曜日にリレイジが更新されなかった世界』が分岐します。同じように、俺の一挙手一投足、瞬きや呼吸ですら、無数の可能性の分岐を生んでいると言えます。そして、俺に限らず無限の可能性が、人の数だけあるという訳ですね。これはSF用語でいう『バタフライエフェクト』の論理と似ていると思います。地球の裏側で蝶が羽ばたくだけで、世界の運命が大きく変わる(無数に分岐する)と考えられる話です。

 で、RRSを用いての時間や空間を飛び越える、一種のタイムワープ……それが次元転移《ディストーション・リープ》です。これはリレイジでもスパ◇ボ「」でも共通の設定で、サンダー・チャイルドなんかは遠い未来の惑星"r"から来てます。あの刹那がシルバーちゃんを「似てる」と言ったのは、その時間軸に刹那も言ったことがあるから。そのことについては、今の日本列島編エピローグで触れたいと丁度思ってました。サンダー・チャイルドはある人物によって意図的に次元転移に巻き込まれ、作中の時代の砂漠に出現した訳です。
 まあ、正確な時間と空間の座標がわからない場合、次元転移後の場所や日時がずれたりします。以前、Zweiで【シンデレラ】の次元転移に巻き込まれた統矢達は、一週間後の東京に飛ばされてしまいました。これは、既に【シンデレラ】が主人公の統矢達の世界線の座標を入力されていたため(れんふぁが来る時にはもう、刹那達リレイヤーズが統矢様の逃げ込んだ世界線を特定していた)でして……ただ、暴走して発動したため、同じ世界線の若干日時と場所がずれた訳ですね。

 あ、さて…このRRSですが、座標軸とは『どの世界線の過去か、どの世界線の未来か』ということ、そして日時と場所ですね。特に、この『どの世界線か』が非常に大事でして……例えば、未来の統矢様は異星人との戦争が終わった時には百歳を超えてる訳です。しかし、彼は自分をRRSへと登録し、定期的に死んで『自分が生まれ育った世界線の、同じ時間と同じ場所』に生まれ直していたんですね。そして、異星人との和平に反対し、自分の世界線を捨てます。星の数ほどある過去のどこかへと次元転移した訳です……レイル・スルール達自分の手駒の戦力と共に。
 さて、それを追う秘匿機関ウロボロスの刹那達ですが……統矢様が逃げた世界線がわかりません。一口に過去へ逃げたと言っても、どの過去かが不明なんですね。なので、ウロボロスの人員は手当たり次第に過去へと飛びました。全員で手分けしての総当り、片っ端から過去の世界線へ生まれ直したんです。結果、RRSの副作用である『生まれ直す度に遺伝子情報が欠損してゆき、成長が止まる(繰り返すほど早く止まる)』という呪いのようなものを受け、ロリショタばっかりの組織になってしまいました。しかし、そうして那由多の数を超えるだけ繰り返した挙句……統矢様が逃げ込んだ世界線を特定します。それが、今の物語の統矢が生きている世界線だったんですね。

 非常にややこしい設定と言うか、ちょっとピンとこないと思います。ただ、最新話でれんふぁが否定した通り、主人公の統矢が死ねば、その未来である統矢様が死ぬということはありません。単に『統矢の世界線で統矢が統矢様にならなくなる、この世界線でだけ統矢様が現れない』というだけです。そして、別の世界線の未来から来た統矢様は無傷という訳ですね。そして、統矢様は自分がいた元の世界線、本来の自分の世界線の座標軸を持っています。だから、彼はいつでも自分の元の世界線へ戻れる訳ですね。それは、一度死んで生まれ直してもいいし、次元転移で戻ってもいいのです。
 どでしょうか、ちょっとゴチャゴチャしてて申し訳ないです(汗)
 まあ『次元転移ってタイムワープだったんだ』『未来の統矢がラスボスなんだ』くらいでいいと思います。引き続き物語を楽しんでもらえたら嬉しいですね♪

4件のコメント

  •  お疲れ様です! 解説ありがとうございます!

     RRSでは「無数にある平行世界間の移動」ができ、その際に年代と場所の特定もでき、その行き先の無数の選択肢の中に「同一世界線上の過去や未来」も含まれる、で合ってますでしょうか。

     現在から見て『無数の過去』と『無数の未来』
     ――という表現が、ややわかりにくく感じました。

     僕は、

     現在から見て『過去』と言われれば、自分の世界線が辿ったただ1つの過去。
     現在から見て『未来』と言われれば、自分の世界線が今後分岐していく未来。

     ――のことだと思います。

     ですが、統矢様のいた世界と本編世界の関係は、そのどれでもないですよね。

     多分、

     『無数の過去』とは、元々無数に分岐している平行世界の、西暦何年といった年代、数字の上では以前という意味での過去。
     『無数の未来』とは、自分の世界線の直接の未来だけでなく、元々分岐していた全ての平行世界の未来。

     その上で、

     統矢様の世界と、本編の世界とは、摺木統矢誕生以前の年代ですでに分岐している。
     統矢様と本編統矢は、異なる世界にたまたま生まれたDNAと名前が一致する存在。
     統矢様にとって本編統矢は「直接の過去=かつての自分」ではない。


     ですよね……?

     この辺りを読者が飲み込めない段階で『過去』や『未来』という言葉を使うと、混乱を招く気がします。
     ドライ「未来を、暴け!」を読み返しましたが、れんふぁは平行世界の仕組みを説明せず、それは周知の事実のように話を進めていて、「未来から来たといってもこの世界の直接の未来ではない」ということが読み取りづらく思えます。

     僕の理解では、2つの世界は平行世界の関係にあることが肝要で、過去や未来という要素は重要ではないと感じます。
     なので『過去』『未来』よりも『平行世界』であることを前面に押し出した説明の方が読者はわかりやすいと思います。

     つまり


     『未来の摺木統矢が過去のこの時代に攻めてきた。その未来とはこことは別の平行世界の未来』

     より

     『平行世界の摺木統矢がこの世界に攻めてきた。その世界とこの世界では年代に開きがある』

     と、

     順序を逆にして説明した方がわかりやすいと思いす。



     それと「RRSによって、一度死んで生まれ直す」という表現も、具体的に何が起こるかイメージが湧かずもやもやします。
     再び母親から生まれてくるわけではないとして、突然指定した座標に健康体で現れる――という理解でいいのでしょうか。

     統矢様はかつて死んで同じ世界線の同じ時間と場所に生まれ直していた、というのは、
     自分の死体の側に生きている肉体が現れたのでしょうか。
     それとも死んだ途端に死体が消えて、生きた肉体でその場に復活したのでしょうか。


     ――以上です。


     差し出がましいことを長々と、申し訳ありません。
     リレイジの設定は実はそれほど難しくなく、説明の仕方次第でもっと読者のハードルを下げられるのではと、考えたことをまとめてみました。
     何も「この通りに直すべき」などという話ではなく、一読者の眼にどう映っているかということで、ひとつの参考にしていただければ幸いです。

     これからもリレイヤーズ・エイジの物語を、楽しみにしています!
  • >天城リョウ先生
    コメントありがとうございます!
    いやあ、ホント申し訳ない…改めて自分の稚拙さが恥ずかしい!
    そうなんですね、やっぱり『平行世界』の存在ありきですね。
    それをまず説明するべきだったように思います。
    その上で、RRSの『自分の認識できてる平行世界の過去や未来にいける』と。
    そういうことをまず最初に、もっと噛み砕いて説明すべきでした。
    あと、RRSを用いて『今の世界線にもう一回生まれ直す』ですが…
    これは、刹那ちゃん達もやってる通り、記憶や知識を引き継ぐ感じです。
    具体的には、統矢様は死ぬ度に同じ世界線の赤の他人から生まれ直してると。
    でも、知識と記憶は引き継いでるので、成長後すぐに自軍に合流してます。
    だから、二度目三度目の統矢様の親になった父さん母さんはびっくりですよね。
    ちょっとDreiの『未来を、暴け!』の回もちょこちょこ直してるんですが…
    折を見て、もう少しわかりやすく修正してみようと思います~
    なんかでも、自分でも自分の設定を見直す機会に恵まれました。
    ありがたい!いやほんと、マヂでありがたい…感謝です~!
  •  いえ、どういたしまして! 僕でお役に立てたなら何よりです。

     生まれ変わり、母親から生まれてるんですね。しかも元の体とは赤の他人に本当に輪廻転生のように生まれ変わっていると。そして前世の記憶に従って行動――その新しい親にとっては辛いですね。
     それは全く想像してませんでした。御堂特務三佐たちもそうだったというのも、見落としていたのか全くわかっていませんでした。ということは、生まれ変わる度に外見が変わっていたわけですね。
     遺伝子が欠損して成長限界が~というのも、その生まれ変わった先の肉体が一定以上歳を取れなくなると。

     改めて説明していただいてやっと理解できました。ありがとうございました!
  • >天城リョウ先生
    いえいえ、お礼を言うのはこっちの方ですよ!ありがとうございます!
    そうなんです、だからパパとママはびっくりなんですよね。
    うちの子超天才児!って思ったら突然「俺は統矢様だ」って言い出す。
    ちょっと何言ってるの、と思ってると軍が迎えに来る、みたいな。
    刹那なんかも、毎回そのパターンです…こっちは回数も凄い多そう。
    この辺の話はいつか、もう少し作中で説明したいなと思います。
    このあともRRSは物語の根幹に関わる設定として出てくるので。
    でも、こうして再確認する機会が得られたのはありがたいですね~
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