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「読ませたい」より「読まれたい」みたいな?

 こんばんは、お疲れ様です。
 いつも閲覧ありがとうございます!
 なかなかお礼を言う機会もないんですが、読んで頂いて感謝と感動を感じずにはいられません。それは、創作家ならば誰でも同じだと思います。
 自分なんか「PVや★は気にしないぜ」なんて言ってても…やっぱり増えると嬉しいものです。まして、レビューや応援コメントを頂けると、失禁しそうになるほど嬉しいですね。今日はそんな「読んでいただいたぞい!」という話です。

 小説っていう媒体は、イラストや漫画とは違います。
 小説は、文字媒体の宿命として「受け取り手が労力と時間を使って、それと引き換えに楽しんでいただく」という仕組みを持っています。イラストや漫画だと、短時間で良さやテーマ、内容が伝わります。しかし、小説は最後まで文章を読んで、理解して、解釈して初めて評価の対称になるんですね。これは大きな特徴だと思います。良し悪しじゃなくて、読者に一定の負荷や負担があって、それを上回るプラスが合った時にポジティブな評価が得られるということです。

 そういう訳で、創作家特有の「評価されたい、いいねと褒められたい」という気持ちが誰にでもあって、俺にもある中…小説でそれを得ようとすると、とてもハードルが高く難しいものです。小説媒体で創作をしている人間は、ある程度「読まれなくて当然、読んでくれた人はめっちゃ尊い、ありがたい」という落とし所を持つしかないな、と…そう思ってます。読者への侮蔑や軽蔑でもなく、創作者としての諦観や達観ではありません。単純に活字の文章を読むのは大変だし、読みやすさを考えても「文字を追って頭の中でシーンを再生させながら読み進める」というのは、労力のいることです。そして、それを強要する気にはなれないんですね。でも「読んで欲しい」って思う、これは俺の中にもある強い気持ちです。

 常に「読まれたい!」って思ってる、でも「読ませたい!」まではいかないというか…Twitterでも時々「◯◯さん読んで!」みたいなことを言ってる俺ですが、その実本気じゃないです。なんていうか、親しくしてくれる方がいるからこそ、冗談で言えることでして……読め!読んで!読むべき!みたいなことは言えません。それは必定、指名された読者に「読まされたなあ」って最初の印象を刻んでしまうからもあります。同時に、自信が持てない自分の作品を「読ませてしまった」という後ろめたさもついてくる。
 創作家は、常に自分の創作に対してのリアクションを求めています。求めざるを得ません。誰だって褒められたいし、誰もが人気者として人気作を生み出したい。一生懸命作った創作物を、多くの人に楽しんでもらった上で評価されたい。そうでない人もいるでしょうが、概ね創作家はジャンルを問わず他者のリアクション、受けての感想を待ち望んでいます。

 読まれたい気持ち、評価されたい想いが暴走することがあります。つい前面にゴリゴリ出てしまう時がある。承認欲求が自制心を上回る時がある。誰でもあります、普通です。他者によい印象を持たれたいって思うのは、自然で当たり前なことです。そういう時、まだ自分の作品に触れてない人にオススメしたいし、宣伝も頑張っちゃうし、読まれるように努力してしまいます。それもまた当たり前のことで、むしろ推奨されるべきだと思えます。でも、得てして承認欲求が高まると「今まで読んで認めてくれた人、いいと思ってくれた人」のことを忘れがちです。ほんの些細なPVの動き、応援コメントをくれた人、★を入れた上にレビューをくれた人のことを忘れがちです。俺でもうっかり忘れます、そういうもんなんです。
 俺は聖人君子ではないし、先達を気取って説教するつもりもありません。ただ、創作意欲の高ぶりは同時に、時として(程度の差こそあれ)承認欲求を伴うものです。そういう時、冷静になれるかどうかをまず確かめてみてください。冷静になれないなと思ったら、その時は結果に過度な期待や反応を示さないほうがいいかもしれません。宣伝して、特定の人間に読書を勧めるまではいいです。そこから先は、相手次第ということで…そして、読めない、読む時間がない、今は読む気がない人をネガティブに思わないで欲しいなと愚考します。今は読めないだけで、全ての人が未来の読者ですから。あとでねー、いつかねーと言われたら。サンキュ!よろしくね!くらいが丁度いいんじゃないかなあ。

 で、読んでねと進められた側の方も、変な罪悪感を感じる必要はないと思うんですよね。ちょっと悪いなあなんて思うのは、進めて貰った方を親しく思ってるからです。そして、そう思った方は律儀で生真面目、道理を大なり小なりわきまえてる大人なのかもしれません。そういうとこが許されて欲しいし、気が向いたらやっぱり読んで欲しいし、読む読まないと別に創作仲間だったらずっと仲良くしたい。すれてしまって「あいつ、俺の作品読まねーじゃん!フン!」みたいになったりなられたりしたくないなあ、なんて。好きな話、気になる話、縁のある話でも読めない時がある…そのことを、互いに認識して許容しあえればいいなあ、なんて思いました。すまんこ!

8件のコメント

  •  お疲れ様です。ながやん先生のお話、いろいろと身につまされるというか、刺さるというか……。やっぱり誰しも自分の胸の内に抱えてるものなんですよね。読んでほしい! っていう気持ちが前に出すぎてしまうのは。
     私も普段あんまりリアクション貰えない側なので、特に刺さりました。無意識のうちに、そういうよくない感情もあったりしたかも知れません。
     ただやっぱり、作者がその作品を書く理由は「自分が書きたいから」っていうのが一番の理想なのだと思います。書きたくない話をウケるためだけに書いてスベったら、それこそ目も当てられない。
     多少ダメな結果でも、「自分は書いてて楽しかったから、いいか」と諦めがつくような、そんな姿勢でこれからも書いていきたいなと切に思いました。ありがとうございます。







     ……あ、キュアセイダーのキャラは好きに扱ってくださって構いませんので。マイティ・ロウの件でご許可頂き、ありがとうございました。ではでは。
  • いつも意義深い近況ノートやコラムをありがとうございますm(_)m
    「読まれたい」「評価されたい」という思いは、小説を書く身なら多くの人が持っているでしょうね。

    自分も、身内や知り合いにごり押しするのではなく、冷静に近況ノートやツイッター等で『新作書きました!』『更新しました!』と告知するに留めるのがベストだと思います。そんな中で上手く波長や趣味が合う人ができると、この上ない幸せですね。
  • >オリーブドラブ先生
    コメントありがとうございます、難しい問題ですよね。
    書いたからには読まれたい、でもグイグイ押すのはちょっと。
    でも、親しい間柄になれば「ダイマです、読め!」なんて冗談も。
    常に自分と相手の関係性、特に相手の気持ちに配慮したいですね。
    そうすれば、ダイレクトマーケティングも冗談半分で言い合えるし。
    それに、やっぱり書き手は読みたいけど、書く方を優先しちゃう…
    だから、みんな常々読みたい!って気持ちは持っているんですよね~
  • >琴野猫先生
    コメントありがとうございます。
    そうですね、無理強いは絶対に避けたいですよね。
    告知、宣伝等は勿論、ガンガンやっていきたいですけど。
    小説は楽しむために時間と労力を使い、読み手が組み立て直す娯楽です。
    だから、なかなか気楽に「読めぇい!」って言えないんですよね。
    だからこそ、逆に読んでくれた人を大切にしていきたいです。
    沢山はいないけど、読者の方にはいつも感謝を伝えたいですね。

    でも、★は5000兆個ほしいですけどね(笑)
  • コメントにお返しを頂いてありがとうございます(>_<)あのですね、本当に面白かったです!
    レビューに書いたとおり、部屋でひとり声を噛み殺し……きれずに、くくくっと笑いながら読ませて頂きました。
    だって、アアアが不憫すぎておかしくて。
    Aスキップの連打はもう高橋名人ですかというくらいの廃ゲーマーっぷりは熱かったです!そんな、凄く面白いと思える方にコメント返して頂いたのが嬉しく、お邪魔させて頂きました。
    こっちの活動報告に書かせて頂いたのは、すごく共感できるなぁと思ったので、つい。
    面白いお話読ませて頂きました。
    本当にありがとうございます(๑´>᎑<)
  • >べる・まーく先生
    ありがとうございます、応援コメント凄く嬉しかったです。
    創作家というのは、リアクションがとにかく嬉しいものです。
    それも「面白かった、笑った!」って言って頂けると…
    正直、書き手冥利に尽きる、この上ない幸せですね。

    自分もweb小説に活動の場を移して、色々考えさせられました。
    ただ、悲観よりも先に驚きと興味が大きかった気がします。
    執筆と同時に、自分で宣伝や告知を行い広めてゆく。
    同じ創作仲間との交流の中で、互いを支え合ってゆく。
    単純な★やPVのやり取りではなく、そうしたものが大切に思える。
    小説は気軽に楽しんでもらえない反面、味わい深い媒体です。
    読むという労力と時間を払って、それで得られたその人だけの感動…
    それがやっぱり、小説の魅力のように思えていつも書いてますね~
  • ながやん様

    そうですね、本当にそう思います。
    読むというのは対価に時間を払ってもらう。その通りだと思います。
    カクヨムさんのいいところは、ダイレクトにレビューとか反応が頂ける事ですよね。でも、たくさん書いているとなんだか媚びているように感じてしまう時期もありました。
    でも、読んだものには感じたものを書きたい。自分だったら、と考えたらやっぱり言葉を貰えるのはとても嬉しい事なので!

    人から頂ける声は、書けない時にすごく支えになってくれたのです。

    何度も書き込んですいません!でも、ありがとうございました(>_<)
  • >べる・まーく先生
    いえいえ、コメントとても嬉しいです。
    自分も感じてたことであり、多分皆がそうだと思うんですよね。
    素直に感動や「好きだ!」「面白かった!」を伝えたい。
    でも、周囲の目も気になるし、過剰じゃないかと心配になる。
    自分もそうです、結構最初の数話で惚れてレビューするたちなので。
    こうしたweb小説公開の場では、交流での社交スキルも必要?なのかな?
    ただ、礼儀と礼節を踏まえていれば、あとは素直な気持ちでOkと思います。
    それくらいの気楽さが、かえってお互いにとっても健全でいいですしね!
    自分もまた、べる・まーく先生や多くの皆様にパワーをもらってまっす!
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