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企画で読んだ優れた作品 -その2-

引き続き企画で出会った優れた作品をご紹介させて頂きます。今回は一つの優れたアイデアを軸に書かれた作品をご紹介いたします。



人類バーサス地球/加賀倉 創作【ほぼ毎日投稿】さん
https://kakuyomu.jp/works/16818093084669740998

この作品は奇抜なアイデアを既存の書き方に囚われずに形にしています。かといってアイデアに振り回されているわけでもなく、決めるところはバシッと決めて、自由で筆が踊ってて読んでいて楽しかったです。

ネット文化を文学に溶かそうとする試みが好きです。私たちの世代の文化の多くはネットから生まれていて特に2ちゃんねるから続くコピペの書式って多人数によって磨かれているのでかなり価値高いものだと思います。でもいい形で文学に落とし込んだ人はまだいないです。ここには相当な可能性がありますし、この作品は私たちの文化を文学に反映する一歩目を見せてくれたのだと思います。



夜を捕まえた/@kumeharaさん
https://kakuyomu.jp/works/16818093073378379538

「あなたは」という主語ですべて書かれた作品です。主人公は読者自身のような書き方をしていて、かつ実際にそういう読みでも破綻のないように丁寧にかつ優しさを持って書かれています。

このシンプルかつ横暴なアイデアを喫茶店でモーニングを食べるくらいの丁寧さと力感で書かれていて地の能力高いなと羨ましく感じました。勝手に思い出追加される感覚、ぜひ体験してみてください。



拝啓貴方様/蒼井 狐さん
https://kakuyomu.jp/works/16818023213019532861

今回の企画の中で個人的には一番好きな作品かもしれません。単にアイデアというのも失礼かもしれないけど「書かない」ことが優れた作品です。ある女性が思い人に贈った最後の恋文の文面だけで勝負しています。これがすごく強い。

伏線とか、おもしろさとか、凝った展開とか、悩む必要ないんですよ。蒼井さんは自分が「おもしろい」と思ったものを、そのまま書き切っています。主人公が、手紙を受け取った人間がその後どうしたのか?気になるなら読んだあなたの中で考えればいい。強烈な恋慕、私はそれだけを書く。それが「おもしろさ」。その姿勢がめちゃくちゃ気持ちよかったです。清々しくて笑っちゃいました。絶対的な正解です。こんな書き方を目指すべきだなと感じました。



本当に楽しい作品ばかりです。もう2,3回続くので次回もお楽しみにお待ちください。

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