どうも、黒道です。
さて、長く続いておりました「第2回カクヨムWeb小説コンテスト」ですが、2月10日午前零時をもって終了しました。
私は『魔導聖騎士 スイート☆パラディン Happy Ending!』という作品をエントリーさせていただいておりました。
完結はさせられませんでしたが、まあキリの良さげな部分まで書くことができました。
また、期間中に星を87個も頂くことができました。これは私の書いた小説では一番多い数です。
多くの方に応援を頂けたのだな、少しずつ私の書くものを読んでくださる、そして評価して下さる方が増えているのだな、と非常に嬉しく思います。
これだけ星を頂いても『現代ファンタジー』ジャンル全体では恐らく10位以内にも入ることはできず、読者選考を突破するのは少々困難かなと自分では思っています。
折角応援を頂けたのに申し訳ありませんが、ひとえに私の力不足です。更に多くの方に評価頂けるよう、今後も努力を続けて行こうと思います。
思えば今回のコンテストは、「そもそも現代エンターテインメント小説はどうあるのが望ましいか」という学びの連続であり、同時に私がどのようなメディアか、小説における自分の得意と苦手は何か、ということを発見、または思い出していく過程でありました。
私は面白い小説を書こうと学んでいたつもりでしたが、やはり実戦に、そしてこうしてフィードバックの返ってくる環境に勝る学習法はありません。
ここで得た学びは、きっと次回に活かそうと思います。
どうぞ、今後も応援のほどをよろしくお願いします。
以下、今回の反省点メモです。
自分が後で読んだ時に反省を思い出せればよく、別に公開するようなものではないのですが、何か少しでも皆さんの参考にもなれば幸いです。
○書きたいことは必ず読みやすく提供する
書きたいテーマ、見せたいもの、伝えたいことがあるから小説を書いているかもしれないが、それを百パーセントの純度でぶつけたら相手は受け止め切れないものだとよくよく認識する。
毒々しいテーマであれば特に注意する。一部の闇の深い人や自分を好いてくれる人ならば頑張って摂取してくれるかもしれないが、大抵の人は触れた瞬間に吐き気を催して帰ると思うべき。
自分の書きたいことだけを前面に出すのは押しつけがましいと再認識すること。何を書いても前提として面白くなければ誰にも伝わらない。楽しませる努力を絶対に忘れないこと。
○文章量を適切に調節する
文字数が多すぎることは、それだけで読者離れの原因となる。
単純に多く書ければ書けるほど偉いわけでも、ページが文字で真っ黒になればなるほど偉いわけでも、描写が細かければ細かいほど偉いわけでもない。
10万字以上書け、と要求されているのを「10万字以上なら何文字でも構わないということだな」と解釈しない。作者読者の負担を考えても、その程度で終わらせるのが理想だという意味である。
一話あたりの文字数も、6000字~8000字程度が限界。一万文字を超えると、最早読者は気軽に触ることができない。そして気軽に触れない作品で賞レースを狙えるほど自分が才能豊かだと思わないこと。
○余計な文を削りサクサク感を出す
文字数の話とも通じるが、どうでもいい文章で文字数を稼ぐと、サクサクと読みたい読者にストレスがかかる。
読者は早く話の続きを知りたがっている。それに応えることだけがいいことではないが、少なくとも意図的でなく話の進行を遅らせることはするべきでない。
私の場合、話の進行に寄与しない風景描写、状況描写、会話、設定公開等をしないのが特に大切。
○今書こうとしている文章は大概無駄だと自覚する
場の雰囲気を完璧に伝える為につい何でも細かく書きたくなる癖を自覚する。
どうせ完璧には伝わらないし、自分が気にするような部分を「ここはどうなってるんだ」と気にする人はそういない。最低限伝えるべき部分だけ伝え、自覚的に話のテンポを上げる。
また、設定を細かく詰めたらそれを全部公開したくなるが、それは完全に自己満足なので、本当に今公開しないといけない設定かきちんと吟味する。
○「何も起きていない時」を作らない
ここまでの話にも通じるが、話が動かない瞬間を作らない。
読者の「次はどうなるんだ」という感覚を途切れさせないよう、常に何かが起こり続けるくらいの勢いで書く。
全ての話において、話の始まりと終わりで状況が大きく変わっているのが望ましい。それも最後の方でポンと劇的に変わるのではなく、冒頭から目まぐるしく変わるくらいがちょうどいい。
ただ忙しければいいというわけではないが、どうせ自分の「状況が常に動く」は読者の「しばしば状況が動く」程度にしか感じられないので、やり過ぎかなくらいに入れてよい。
○小説というメディアの特性を理解する
自分が書いているのはアニメでも映画でも漫画でもなく小説だと認識する。
映像など視覚情報があればインパクトのあるシーンかもしれないが、目の前にあるのはただの文字である。文字はビュンビュン動かないし、そう見せるほど自分が才能豊かではないことを認識する。
特に気をつけるべきはライブシーン、戦闘シーン等。音や映像があればかっこいいが、小説には音も映像も無い。上手く書かないと、ただただ描写だけが続き、話が全く動かないだけのシーンになってしまう。
どうせ得意な分野ではないので、延々と描写というだけではなく常に状況が動くよう上手くやり方を考えるか、そもそも必要ないならやらないことが望ましい。
○最初の話におけるキャッチーさを特に大切にする
第一話と第二話のPV差をなるべく小さくするに、第一話では「作品全体の色、匂い、触感、雰囲気はどんなものか」「この作品にしかない独自性は何か」「いかに読みやすく面白いか」を示すべきである。
故にチンタラしている暇はどこにも無い。冒頭三行で衝撃的な何かが起きるのが望ましいし、10~20行の間くらいの間には話のカラーが出ているくらいで丁度いいように思う。
相手がじっくり最後まで読んでくれるという都合のいい発想は一切捨てる。読者は全員冒頭数行を流し読みしてちょっとスクロールした後ブラウザバックもの程度に考える。
○マーケティングを意識する
どのような層にウケてほしいのか、何がウリなのか明確にすることが、その後の全てに役立つ。
対象層をハッキリさせれば、そこにウケる描写を盛り込むこともできるし、宣伝する時も「○○な人におすすめ」「あなたの好きな××なキャラが出ます」というような形で人の目を引ける。
また、宣伝詐欺は二度としないこと。それは「放っておいても沢山の人に読んでもらえる」という前提があってはじめて成り立つものである。弱小書き手がそんなことをしたら本来届く層にも届かない。魅力は直球で伝える。
○自分のパフォーマンスの限界を知る
自分の能力を適切に把握し、その中でベストを尽くすこと。
コンテスト中、自分は一日に1万文字書けたが、それは一日に八時間、邪魔されない環境に身を置いて書くことができた場合のスコアである。家では全く集中できず、書けても数千字程度だった。
また、毎日1万字書くことは恐らくできない。1万文字書いたら次の日は何もしない、二日に一度のペースだったからこそ可能だったのは忘れないこと。更に余裕を持つならば、三日に一度程度が理想だろう。
また、メンタル面でのパフォーマンスも忘れてはならない。
自分は一旦落ち込むとそれを引きずる。落ち込む主な要因は自分や他人の作品に対する評価である。そこでつまずいた場合、作品を書く気が全く起きなくなったり、書いても細部に気を遣えなくなる。
他者の目に振り回されやすいことを自覚する。対策として、コンテストが始まる前、公開前であれば、作品のことで落ち込むことはない。事前に本文を可能な限り仕上げるのが望ましい。
○事前準備をきちんとする
今回のコンテストで自分の考えた『理想の状態』として、「十万字程度で完結」「コンテスト終了一週間前には完結し、あとは宣伝に専念する」「期間中、他者の作品を読んで感想を言える程度に余裕を持つ」というようなものが挙げられる。
また、コンテスト開始から一週間で週間ランキングが出ることを考えれば、一週間の時点で話に一区切りつけ、ランキングから来た読者に「これは面白い、もっと続きを読みたい」と思わせるべきである。
以上を踏まえると「物語全体の流れを考え、十万字程度で完結させられるボリュームに整える」「少なくとも最初の一週間分、できればその後数日分の内容を事前に準備し、最初の読者を逃がさない」「何日に一話書けばいいのかきちんと計算し、『三日に一度』程度のペースで作業できるよう調節する」といったように、することは山ほどある。
○ツイッターを活用する
結局どんなに良い作品を書いても、引き出しに入れておくだけならば絶対に読んでもらえない。
読者選考という形を取る以上、宣伝能力も問われることは間違いない。ならば普段から読んでもらえる下地を作ることが必要だと思われる。
自作の最初の読者となるのは、自分の場合まず間違いなくフォロワーである。フォロワー諸氏が普段どんな作品を面白がって摂取しているかには、特に敏感であるのが望ましい。何も無い所からバズは生まれず、結局最初の数人に「面白い」と思ってもらう必要があるからである。
フォロワー内で流行っているアニメや映画、漫画等は可能な限りチェックしておきたい。その上で、注目してもらえそうな要素と自分の書きたいことを擦り合わせていくのが良いだろう。
また、自身の人格に関しては変えようがないが、「この人の作品なら読みたいものだ」と思われるような人物でありたいとは思う。
○善き知人を持つ
自分で自分の作品というのはなかなか見えづらいものである。ゆえに、作品の良い点や改善点を具体的に挙げてくれる、『善き知人』をなるべく多く持ちたい。
人の評価に振り回され易い自分の性格を考えれば、辛辣過ぎずあっさりと述べてくれる人物が好ましい。厳しく言われると改善以前に「こんな作品をこれ以上書いても仕方ないのではないか」と書けなくなるに決まっているので。
問題なのは、そんな自分にとって都合のよい人物はそうそう存在しないということである。少なくともゴミのような奴がそのような人物に知り合える可能性は低くなるであろうので、まず自分がそのような『善き人』でありたいものである。
……自分の良かった部分というのは自分ではなかなか分からないもので、悪かった部分についてばかり反省が出てきます。
次回は強みを生かしつつ、上に挙げたような弱点を克服し、より面白い作品を公開できればなと思っています。
是非これからも応援よろしくお願いいたします。