こちらのお話は『金曜奇譚』の連載真っ只中にアップした短編です。
1万3000字ちょっとの文字数だったので読みやすさを考えて割っていった結果、全10話となった経緯がありました。
カクヨムさんでは現時点で27の話を公開していて、その全ての話に対して書いた人間としての愛情があるのは当たり前なのですが、この『笑わないでよ、谷さん。』という話はちょっと特殊な位置付けでして。
なぜかというと、当時私が思っていたことを高校生の主人公にかなり言わせているんですよね。
一部を抜粋すると……
「人が大事にしてるモンをエンタメにして笑うとか、何考えてんだよ。会社ってそんな話するほど暇なの。皆頭いいんだろ。なのに何でそんなことすんだよ。泣くかもしれない人がいるってことがどうしてわかんないの」
とか、
「他人を傷つけんなって小学生でもわかる話だろ。いい年したおっさんが何で平気でやるんだよ。わかんねぇ、本当わかんねぇ」
とか。
まぁこれ以外にもいっぱいあります(笑)。
それだけ、いろんなことに対して納得いってないことだらけで、そしてそれは今もそうだったりします。
関係のベースにあるのは『人と人』であって同性だから異性だからという見方をして決めつけて視野を狭めるのはもったいないぞ……と。
それに、こういう考え方をしているうちは私はまだヒトと関係を築くことを諦めたくないと思えているんだなと書いていて気付いたりしました。
「わからない」から「教えてよ」という気持ちだったんだな、と。
そんな私の気持ちが比較的剥き出し状態で記されている話だけに、
『人が人と繋がるのに年の差はもちろん、その他諸々関係ないのではないか。
そう思わせてくれる作品です』とレビューコメントに記していただいたのは本当に嬉しかったです。
改めて、この度は素敵なレビューコメントをありがとうございました!