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「夢見る帝国図書館」 中島京子

上野公園のベンチで偶然、出会った喜和子さんは、
作家のわたしに「図書館が主人公の小説」を書いてほしいと持ち掛けてきた。

ふたりの穏やかな交流が始まり、
やがて喜和子さんは
終戦直後の幼かった日々を上野で過ごした記憶が語るのだが……。

日本で初めての国立図書館の物語と、戦後を生きた女性の物語が
共鳴しながら紡がれる、紫式部文学賞受賞作。

理想、事故、戦争……
人間のエゴと時代に翻弄された、図書館と職員、若き文豪たち、そして本を愛した、名も無き市井の人々。

物語は帝国図書館の歴史と、喜和子さんという老女のおぼつかない記憶の謎が、「わたし」たちの目線とリンクして進んでいく。

生き抜いた、あるいは失われた、奪われた生命を傍らに、今日も図書館は生き続ける。

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