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ノベコン作品の小話②落選作品のコンセプトについて

お疲れさまです、宮塚慶です。

今回も「デジモンノベルコンペティション(https://compe.japandesign.ne.jp/digimon-nc/)」に応募した作品について。
といっても受賞作については前回話させていただいたので、この近況ノートでは落選したもう1作『頑固鍛冶屋と迷子の君と』を紹介します。
こちらはpixivにて投稿していますので(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22980361)よろしければご覧ください。

前回紹介した受賞作『凍った世界を溶かす人』を応募した後、すぐにもう1作応募しようと執筆を開始しました。
前作はストーリーラインをかなり王道青春モノに寄せていたので、まずは全てを“逆”にした作品を創ろうとコンセプトを練り始めました。
逆にしたものは「尺」「展開」「視点」です。

まずは「尺」。
前作は7万文字ほどの内容で、一般的には少し短いですが長編に分類される文字数になりました。
なのでもう1作描くなら短編を書いて、長編も短編も行けるぞ! というのを示したいというところが起点になっています。
結果として本作は2万5千文字ほどの短編に仕上がり、読後感的にも満足しています。

次に「展開」。
前作は高校生男女による青春学園モノとして、ある種ライトノベルの王道的作風に仕上げました。
そこから本作は大きく展開を変え、こちらも「色んな作風を描ける」というアピールを兼ねた作品にしようと考えました。
そこで、短編にすることと合わせて「劇中に派手なバトルのない」ことや「幼い少女と強いデジモンのペア」「親子愛に近い異種族交流」といった、こちらもデジモンではあまり見られない題材を掛け合わせて物語を構成しています。
登場デジモンには「ウルカヌスモン」を選びましたが、これは人に近い頭身で少女とのバランスが良いことや、鍛冶屋として関連するキャラクターが多いので登場人物の選定が楽なことなどを理由にしています。個人的に活躍させたかったのも間違いありません。
バトルが殆ど無いのでキャラの心理描写に阿ることになり、登場人物たちはどれも優しく心温まる作風になったと思っています。

そして、最後が「視点」です。
前作は三人称の作品にしたので、これも「だったら一人称で描いてみよう」と思い立ちました。
その上で少し捻りを加えたくて、人間ではなくデジモン側の視点からストーリーを進行しようということでウルカヌスモン視点の話を作りました。
人間とはまったく違う感性を持つことを念頭に、人間の子どもであるアイラの言っていることを不思議がり、読者側が一人称の文を読んで「デジモンはそう感じるんだ」と思える内容にしたかったのです。
人間が嫌いなウルカヌスモンが、アイラを通じて少しずつ理解を深め、愛情を感じていく。
デジモンの公式作品には無い作風で、かつデジモンだからこそ描けそうな題材をウルカヌスモンの一人称で描くことで、ブレない作品になったと思っています。

ということで、ノベコン落選作品コンセプトについてでした。
一人で2つの賞を取れたら最高だったのですが、流石にそう甘くはありません。が、個人的には受賞作に負けないぐらいの一貫した作品にできたと思っています。
ちなみに、応募した2作品とも明るい作風で創り上げたので、3作品目を応募するならドシリアスなものを1つ描こうと思っていたのですが……こちらは執筆が間に合わず。
何処かの機会で二次創作もお披露目できると良いですね。

毎週月曜日の小話、次回はいよいよ募集が始まる「カクヨムコンテスト10」について。
現在連載中の『最弱パーティの俺たちが、魔王の娘を拾ったら』とは別で描いている作品を紹介します。
カクヨムコンテスト10開始後に連載開始予定なので、近況ノートは公開直前での事前紹介になりますね。お楽しみに……?
宮塚でした。ではまた。

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