お疲れさまです、宮塚慶です。
今回はカクヨム作品ではありませんが、私が2024年9月9日に「デジモンノベルコンペティション(
https://compe.japandesign.ne.jp/digimon-nc/)」で受賞させていただいた『凍った世界を溶かす人』についてです。
長編作品(7万1000文字ほど)を書いたのもほぼほぼはじめてだったのですが、ありがたいことに「入賞」をいただき、創作意欲に火がついたきっかけになります。
現在もサイトの審査結果ページにて読むことができますので、ぜひご覧ください。
作品のコンセプトに入る前に、この賞がどのような企画だったのかについて概要を書いておきます。
企画名のとおり、この賞は「デジモン」つまりデジタルモンスターの二次創作を募集するというものでした。
版元である株式会社バンダイ様主催で、デジモンの魅力や世界観をノベルという文字メディアで表現することがテーマに掲げられています。
募集開始は4月2日。その手前である3月10日に企画が発表され、デジモン好きな私はすぐ執筆に着手しました。
そんな中で、私が作品に持たせたテーマは3つ。
1つは「公式媒体での活躍が乏しいキャラクターにスポットを当てる」です。
せっかくデジモン作品を公式に執筆できるのなら、私はこんなキャラクターを描けるんだぞというものを見せようと思っていました。
近年登場して魅力があって、まだアニメやゲームでキャラクター性の付いていない新鮮なものを扱いたい。
そこで白羽の矢が立ったのが「フロスベルグモン」というデジモンでした。
このデジモンは美しさと畏怖の象徴を兼ね備えた鳥デジモンで、命の価値を見定めて助けるか静かな死を与えるかを選ぶそうです。
美しい鳥デジモンで、まだどの媒体でもキャラクター性を打ち出していない。ここから話を作りたい。
そこから、氷属性で同じ鳥デジモンである「ペンモン」をチョイスして、飛べないペンギンからフロスベルグモンに進化するエピソードを考え始めました。
本編中では人間キャラクターがかなり活躍するので意外に思われるかもしれませんが、デジモンファーストで作品を形作っています。
2つ目は「王道だけれどデジモンでやっていないことをやろう」です。
私は元々小説媒体だとライトノベルで育ってきた人間です。得意なジャンルもそこに近いものになるので、下手に難しいものを描くよりは自分の持ち味で挑むつもりでした。
そんな中、デジモンは原作が小学生をメインターゲットにしたコンテンツということもあって「学園ジュブナイル」はほとんど描かれていません。
デジモンはアニメ作品を中心に、人間キャラクターの心の成長をデジモンの進化に重ね合わせて描く物語を展開しがちです。
ですが、その心の成長には「恋愛」がほとんど含まれていません。これほど魅力的な題材をまだ公式で消化していなかったのです。
なので自ずと学園モノ、少年少女の青春、そしてそこから生まれるデジモンの進化をストーリーにしようと決めました。
そして最後のテーマ、というか気をつけていたのは「奇を衒わないこと」です。
2つ目のテーマでも書いたとおり、私はライトノベル作品を好み、その中でも学園モノが多い時代に読書体験をしてきました。
なので、あまり触れてこなかったファンタジーや本格的なSF、ミステリ、流行りの異世界転生やその他諸々をエッセンスに加えるのは難しいと考えました。
もちろん2作、3作と応募していくなら何個かはチャレンジしてもよかったのですが、まずは1作品普遍的な内容を作っておきたかったのです。
そもそも私はずぶの素人です。企画はプロアマ問わず応募可能だったので、もしかすると小説家が本業の方とぶつかるかもしれません。
小手先の変化球では太刀打ちできないのは目に見えていました。
ならば自分が面白いと思う作風を、デジモンという媒体に混ぜて直球で投げるしかない。
そんな想いで作品を作り上げました。
ということで、ノベコン受賞作の作品コンセプトについてでした。
企画自体はグランプリ(大賞)なし、準グランプリ(銀賞)2作品、そして入賞(銅賞)が4作品ということで、それ以上の順位内訳は教えられていません。
準グランプリ2作品よりは下の受賞ですが、入賞作品の中で優劣があったのかも分からないところです。
ですが、自分の中でできる直球勝負、王道の学園モノを打ち出して、それが受賞したのは自信と励みになりました。
これのおかげでカクヨムでの投稿を始めたといっても過言ではありません。
今後も、オリジナル作品も二次創作も書いていけたらと思っています。
毎週月曜日の小話、次回もノベコン作品について。
受賞を逃した落選作品『頑固鍛冶屋と迷子の君と』についてお届けします。
こちらもpixiv(
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22980361)にて公開中なので、よろしければ。
宮塚でした。ではまた。