拙作「妖精令嬢と識欲魔人」のよもやま話をご紹介していくコーナーです。
こちらは特に読まなくても小説そのものの読書体験が大きく左右されたりはしませんので、お時間と興味があれば、覗いてみてください。
***
今回はフレデリックの自宅兼職場である『魔女の家』の各階間取り(?)をご紹介します。
狭小地に縦長に作られたこの家は、1階の薬局を含めて4階建て+屋根裏部屋(納戸?)という造りです。現代風に言えば、こじんまりとした5SLDKということになるのでしょうか?
■1階:薬局
前回ご紹介した、職場の薬局です。
入口から入ってすぐのところに待合スペース(ソファと小さなテーブル)があり、お客さんが重なるとお客さん同士でお話ししていたりします。そのため薬局の常連さんたちは仲が良い人が多いです。
以前は待合の間に飲んでもらうハーブティーをフレデリックが用意していましたが、グリューネさんが来てからは彼女が専らお茶を出してくれるようです。
ちなみにハーブティーを出してくれるのは、フレデリックさんの親切心……ではなく、販促のためです。定期的にフレーバーの変わるハーブティーは、薬局で買うことができます。事業として運営している以上、識欲魔人も売上のことをきちんと頭に入れているのです。
■2階:LDK・水回り
外から直接上がってくることができる、最初の部屋です。LDKと水回りなど、共用で使う設備が一堂に会しています。
眺望はなかなかで、日当たりも良好。夫婦は窓際に置いたテーブルで食事をとっています。
2階に水回りがあると、水の勢いが弱いのではと気になる方もいるかもしれませんが(?)、そこはなんでも大体魔法で解決するフレデリックさんがなんとかしています。
調理器具も一通り揃っていますので、どんな料理でも道具で困ることはまずありません。もっとも、家主は料理をするときにあまり道具を手には持たないのですが……(魔法で動かすため)。
■3階:グリューネの部屋
奥さんのグリューネお嬢様の部屋です。
フレデリックはシェーンヴァルト家を訪れたあと、この部屋の掃除に着手しました。主に溜め込んでいた本を移動させる作業です。グリューネさんが読んで楽しめそうな本は、片側の壁の棚に入れてあります。
そもそも本をたくさん溜め込みたくて家を買ったくらいですから、独身生活のうちに集めに集めた本を移動させるのは、なかなか骨だったと思われます。
とりあえず最低限必要なベッドとドレッサーだけ、急ぎで用意してあります。ドレッサーはどういうものが良いのか分からなかったので、家具職人に聞いて購入しました。
ベッドはダブルベッドを用意しました。これは別にやましい意味はなく、寝床が窮屈だとお嬢様が安眠できないと思ったためです。本当です。
気遣いの甲斐あって、奥さんは毎日華奢な身体をめいっぱい寛げて安眠しています。でもベッドが広いことはちょっと邪推しているようです。ちょっと耳年増のお嬢様です。
■4階:フレデリックの部屋
家主のフレデリックさんの部屋です。3階の部屋に溜め込んでいた本を移動させてきたので、本で溢れかえっています。汚い、という印象にはならないまでも、散らかっている、という印象はある部屋です。
奥さんの部屋とは対照的で、ベッドは簡素なシングルベッドです。本が増えたせいで寝っ転がっていても適当な本に手が届くようになってしまいました。いくらなんでも本棚を増やそうと思っているようです。
本以外の私物はあまり持っていません。休日は大体部屋に籠って、積読になっている本を読み進めています。
特に解説することないなこの部屋(ない)。
■屋根裏部屋
こじんまりした空間に、フレデリックが部屋に運びきれなかった本、それから簡易的な望遠鏡が置いてあり、小窓から星を見ることができます。
簡易望遠鏡は王立天文台に研修生として所属すると教材として購入させられるものですが、必要十分な機能があります。
薬学科所属のフレデリックですが、天文学分野の論文を発表することもあるようです。
このような形になっています。それとなく想像しながら読んでみると生活感が出ていいかもしれません。
***
話は変わるのですが、商業作品に「妖精令嬢」という表記を使用されている作品があるようです。最近知りました。無知で申し訳ない。
ちょっと特殊な言葉ではあると思うのですが、無名の個人の作品なので表記被りはお許し頂ければと思います(平伏)。