いつもお読み頂き、誠にありがとうございます。
先ずはカクコン9におきまして、拙作を応援して頂きました皆様全員に、不甲斐ない結果しか出せない事、深く、深く、お詫び申し上げます。
この情けない事態を真摯にかつ重く考えさせて頂きました結果、深い反省の意を込め半年程執筆を辞し、自らの愚かさを見つめる為に謹慎しようかと検討しております。あっ、もちろん嘘です(笑)。
以下、私見です。
ご不快になられる可能性もございますので、覚悟の有る方のみお進み頂き、それ以外の方はブラバされて下さいませ( ;∀;)
~虹を見たければ雨のあとに~
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
僕は村上春樹著「風の歌を聴け」の冒頭を思いだした。それはカクコン9の結果発表が成された後に奇妙な感覚を覚えたからだ。いつも感じるこの奇妙な感覚。その感覚がどういった類のものかは、もちろん僕には正確にここに書き記す事は出来ないけど、その感覚から導き出した結論だけは伝える事が出来る。
僕はコンテストや公募というものは、
『見ず知らずの女の子に「付き合って下さい」と告白する様なものだ』
そう結論した。
この一年半の間カクヨムに来てコンテストに応募する度に落選していた。そして同じく多くのフォロワーの皆様が結果発表に対し様々な想いを綴っている。僕は自分が味わう奇妙な感覚をなるべくシンプルに「悲しい」で終わらせ、単に実力不足だと常に考えていたが、正しくはどうも違う気がした。
作家としての技量とは様々な形態がある。それらは例えるなら100メートル走の様にタイムという厳正な審判により決められるものではない。だけどコンテストや公募というモノには必ず受賞者という勝利者があり、落選すれば敗者としてその小説を否定される。
そこで挫折し書くことを諦めようか悩んでいる人がいた場合、僕は結果を悔いるよりも、正しく悩むべき場所のベクトルをしっかり捉えているかどうかの方が大事だと思う。
僕らは個人として小説を書く場合、「書けるモノ」というのはとても限られている。作品によりテーマを変える事は出来ても、表現できるエリアは著しく限られてしまうからだ。僕は小説を書く場合、そのエリアを広げる事はとても難しいので、その深度を大切に考えている。
深度とは難解といういう意味じゃない。難解というのはテクニックの一環であって、決して深度とは違う。僕は僕という存在を色濃くするのが深度を深める事だと考えている。そうして井戸を掘るみたいに深さを増し、水が湧いて出れば喜ぶし、その水が枯れてしまえばさらに次の水が湧くまで深く掘る。そう言った作業を繰り返しているだけだ。
僕は多くの人間が小説を書くと言う事は、そう言うモノだと思っている。
そうして書かれたモノをコンテストや公募に出して落選するという事は、自分を否定された様な気がしてしまうかもしれないけど、果たして本当にそうだろうか? 僕は落選する度に「何か違う」という奇妙な感覚に襲われていたので、今回は少し考えてみた。
結論として『見ず知らずの女の子に「付き合って下さい」と告白しフラれただけにすぎない』、そういう答えに辿り着いた。
フラれた切なさは残るけれど、それは恋愛で考えれば「良く知らない人」にフラれただけだから、大したショックじゃない。僕はほとんどのコンテストをよく知らないままに取り敢えず参加する。唯一「こうじゃないかな?」と考えたのは「賢いヒロインコンテスト」だけ。
それは言うなれば、僕が「こうすれば女の子ににモテる」と頑張って準備して合コンに出かけて見事に相手にされなかった様なもので、「外したかぁ」と落ち込むのと同じだ。それでも結局は相手の事を良く知らないので、ちょっと自分が恥ずかしいなと反省したくらいだ。
僕はカクヨムで自称恋愛作家などと言っているから、恋愛という観点で考えるなら、「カクコン9さん」という女の子がすごく可愛いと評判なので、思い切ってラブレターを書いたけど、あっさりふられちゃったというだけだ。
一般の公募などにしても結局僕らが「彼女」に対して知り得る情報というのは、「たくましい男が好きらしい」とか「頭脳派、もしくは企んでる系が好きみたい」とか、「爽やかなイケメンが好みだ」とか、そういう噂話だけだ。
決して幼馴染でもなければ、クラスでいい感じに仲良くなってもないし、誰かに紹介して貰った覚えもなければ、お互いがずっと意識していた事もない。
カテエラーだからとか、分析不足だからとか、の理由も存在はするけれど、それらは自己分析の粋を出る事はなく、その年のレーベルの意向や目論見などの内部情報までを伺い知る事は出来ない。
結局の所、コンテストさんや公募さんという、口もきいた事のない異性に思い切って告白して運よくつきあえるかどうかの話しであり、相手も見ず知らずの中から限られた情報で、付き合う人を迷いながら探さなければいけない。
そういう不確かな間柄だから、こちらとしては「告白」に失敗したからと言って、「才能がない、もう駄目だ」なんて考えるのは全く無意味だと僕は思っている。
こういう事を書いても、異論であり負け惜しみとか思われるかも知れないけど、僕は落選する度に「悔しい」とか「悲しい」とかの前に、純粋に「何か違う」と感じていた。そうして自分の中にある「何か」を今更ながらに知るべきだと思った。
今、僕は諸事情により少し小説を書く事から遠ざかっているけど、再開出来る様になってからは、カクヨムだけでなく世の公募などにも応募をしていこうと考えている。だからメンタルクラッシュしない様に、今回はいいきっかけだから少し考えてみようと思った。
僕は自分の書くモノにまだ自信はないけれど、少しづつは良くなっている気がしている。だから、そのうち素敵な女の子に一目ぼれされて、幸せに付き合えるんじゃないかな、と期待してたりする(笑)。
2024,5,28 福山典雅( ;∀;)