蘇芳ぽかり

「僕の遺影を描いてください」 意を決して頼んだ相手は、全色盲の画家・榊だった。 灰色の濃淡のみで構成される世界に生き、着ている服も黒いものばかり。そんな榊の描く絵は、しかし息…

明治後期。 それは日本という国が目覚ましい進化を遂げていった時代──。 国家が大波のようにうねり、先の見えぬ何処かへと進んでいく激動の表面下にも、ただ懸命に生きて一途に互いを想…

髪を切って、俺は揺らいだ。 普通とは何であるか、個性とは何であるか。誰も認めてくれなかったとしたら、恐怖に負けて身を隠してしまったら、確かにここにいるはずの「自分」はどこに行く…

2023年に上げた『カミオヒーロー』の続編になりますが、今作品だけでも楽しんでいただけるようになっています！ 『カミオヒーロー』 https://kakuyomu.jp/wo…

冒険も事件もない。 何が起こるわけでもないけれど、大切な日々。 そこに生きてる１人の女子高生。 「日常を書いてみてよ」。 そんな友人の１言から書き出した物語。

──✕✕が、死んだよ。 幼馴染からの留守録でそれを聞いて、おれは仮想空間へと飛び込んだ。 ──T-Rex、あなたがやったんだろう……？ 自分を受け入れてくれたあの人のことを、…

兄がその女性を連れてうちに帰ってきたのは、冬休みの終わる直前のことだった。 きらきらとした笑みを浮かべる彼女は、冴えない私なんかとは違う都会の人だった。 ──変わる家族の形と…

美容師見習いの青年と付き合っている絵里は、ある夜、駅で幼馴染と再会する。 彼の一言をきっかけに、愛することや愛されることについて考えることになり……。 ──１２時を過ぎたら魔…

ひょんなことからツルむようになった、ガリ勉の少年と学校１の不良。 ２人の友情はどんな軌跡を描くのか。

私にはヒーローがいる。 多分、私だけじゃなくて誰しもにヒーローがいて、そして誰しもが誰かのヒーローなのかもしれない。 これはみんなのヒーローと、その仲間たちのお話。

　誰かのために書いた気がします。明確な相手が、モデルがいるのかいないのか。自分でもわかりません。

多分半分ぐらいは本当にあったお話。 誰に話すあてもない思い出を、一片の花びらのように机にのせて。

　こんにちは。文芸部誌のコードからここまで飛んでくれた方もいるのかと思います。見ていただき本当にありがとうございます。 　所属している文芸部の年四回発行の部誌に一話ずつ載せていた…