『ホテル・カリフォルニア』(
https://kakuyomu.jp/works/16818093087226807974 )が完結しました。
もともと六年前に書き上げた作品なのですが、今回再掲するにあたり、加筆修正を行っています。
個人的には、初めての恋愛小説になります。これまでストーリー上のいち要素として恋愛を扱うことはあっても、恋愛を主題とした作品はなかったように思います。気恥ずかしさと、なにより書き手として苦手意識があったので、避けてきたジャンルでした。
本作のテーマを一言で表現するなら、「すれ違い」です。主人公の「私」とその恋人の「あなた」は物語の最初から最後まですれ違いつづけていて、たまに心と心が触れあいそうになる瞬間があるんだけど、二人とも肝心の一歩が踏み出せない。相手のことを知りたいのに、知ってしまうのが怖い。そしてそれ以上に自分のことを知られるのが怖い。そういう人間どうしのわかり合えなさを意識して書きました。
おいどんはすれ違いの人生を肯定したい派なので、主人公が最後に繰り返す言葉はおいどんなりの意思表明なのかもしれません。読んでいただけると嬉しいです。