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「宿痾」とは

宿痾って単に「持病」って意味じゃないんですよ。長く患ってる持病の事を「宿痾」って言います。

何でこんなことを書くのかと言ったら「読めない漢字を出すのは作者失格」なんて評論をチラ見してしまったからです。これがまかり通ると「美人局」すら書けなくなります。「つつもたせ」ですよね。細工したさいころの筒→チートって意味です。「嗜める」と「窘める」の違いが読めなくなります。怒ってるのか褒めるのかすら分からなくなります。
子供だったらほほえましいですが大人がこれ言ったら終わりですね。
ミステリー作家群はもっと悲劇が待ってます。牽連犯すら書けなくなります。瑕疵とかね。物上代位とか。やばいっすよ。犯人の動機が理解できないって意味ですよ。

知的好奇心ぐらい大人なら持てよ。

ライトノベルは「美人局」の意味や読み方の面倒を見るレベルのジャンルじゃないんですよ。文字通り児童文学と大衆文学の間にある中高生用の文学ですなわち中高生の国語力に資するおもしろい文学の事を言うのだから。

もちろん本来のラノベ作家は中高生でもこの漢字は難しいかなと分かっててあえて書いてます。そのうえでルビ振って勉強してね、という暗に言うのがラノベ作家であってバカな大人のためにラノベはあるんじゃないんですね。それを考えるとエンタメ、エンタメ言う奴こそラノベを殺したんだよ。

『「国葬」日本の政治部報道の宿痾とは』文芸春秋2022年10月見出し

やばいですよ。そのうち週刊誌の見出しを読む国語力を失いますよ、日本人。だってそこらじゅうで「ステータス、オープン!」じゃないですか。お前は数字か?この調子だと「P503-i468713番」とか言われるぞ。囚人番号みたいに。

答え:宿痾(しゅくあ)

天声人語とか読ませないのかな?中1になるともうキッズ用の新聞を強制的に卒業させられて読売とか朝日とか地元紙を読まされるんですよ。それやってない気がするんだよな。

4件のコメント

  • その読めない漢字の範囲ってどこまでなんでしょう。
    読めるためには中学生以下にレベルを合わせる? それとも?

    宿痾の意味が分からなくても前後から推測できたりしますよね。
    もっとも推測で覚えてしまう人が増えると、紅蓮の炎のように、本来の意味からはズレていってしまいますが。
    これも、人口の三分の二に誤用で定着してしまうと、それはもう誤用とはいえないらしいですね。「役不足」もそのうち誤用側の使われ方になりそうです。
  • 宿痾は多分下手すると「宿の事?」ってなると思いますよ。前後から推測できないと思います。漢字が「宿」(やど)だし。
  • 宿痾、懐かしい言葉です。

    二十代の頃、自分の哲学を追求していた時期に
    痾(あ)とは人間が宇宙の始原より持つことを定められたものという意味を(自分で勝手に)つけています。
    幾度の生まれ変わりを経てもけっして治せない、人間の存在と一体化した病の元となる存在です。

    この痾というものの単体での働きは実に深いところにあるため容易に観察できませんが、様々なものと結びつきこの世界で形になります。

    人間の精神の荒々しい働きである「ka :か」の響きとつながると「あか」となり、熱を持った力——赤――を生み出しますが、これは非常に不純物を多く生み出します――垢——ですね。
    「か」はア行の存在ではなく、やや濁っています。

    同じア行の「i:い」の響きとつながると「あい」ですね。「い」は人間の精神の働きとしては「か」的な働きより高尚であります。
    「意」や「為」や「位」が日本語では近しい意味です。
    物事をつなげる――合い、逢い――であったり、文字通りの――愛——であったりします。

    まあ、意味の無いような事をつらつらと書きましたが、二十代のころ人生や人間の存在に悩み自分なりの答えを求めた時期に「宿痾」という言葉は非常に大きな意味を持つもので、ついつい記憶がよみがえりました。
  • なるほど。因みにヒンズー教ではあは否定形でアスラとは天に非ずという意味です。ところがペルシアより西はあはアルファ、つまり始まりを意味します。
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