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『暗黒竜の渇望』の最後に出る阿傍=大威徳明王の真言が出せない理由

これネタバレになるのでもし拙著を本気で読みたい方はスルーしてください。ラスボスの1人である閻魔を倒し降閻魔尊とも言われる大威徳明王、ヤマーンタカとかマヒシャサンバラとも言われますが、なぜこの仏の真言が出せないのかというと教科書には「怨敵退散」とか日本史の教科書に書かれているかと思われますがそれ嘘で実は

呪殺

の真言なんですよ。
だから高僧でもない限り人に向かってこの真言を唱えてはいけないんですね。書けないんです。主人公は最後に阿傍と共に看視の塔で暮らして終わるんですがちゃんと意味があって大威徳明王って六界を見張る仏なんすよ。だから六面六臂六脚なんです。六つの顔でもって六道を見張り、六本の脚は六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を怠らず歩み続けるという意味です。

よく鎌倉武士とか戦国武将は敵将に向かってこの真言を唱えたようですが実はけっこう平和なはずの平安中期にも作られており闇が深いです。

いくら神話ファンタジーでも出せない真言ってあるんだよって事。

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