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あん職人への道

今パリでは日本の餅とかメロンパンとかがブームで、たい焼きとかどら焼きなんかも人気です。ただ、パリだけにぼったくり値段で、たい焼きが5ユーロするなんて聞くと「なんでそうなる?」とかなり腹立たしくなります。
うちの住人は大のあんこ好きで、僕もたまには日本の甘いものを食べてみたいなと思うのですが、やっぱり値段に納得がいかない。

そんなとき、「買えないなら作ればいいじゃない」と僕のなかのマリーアントワネットが囁きました。そうだ、作ればいいのだ。というわけで、最近あんこを作ることに目覚めました。

しかしこれが非常に難しいのです。

今までは洋菓子専門で、しかも手軽にできるものしか手を出さなかったので、数字と手順さえ押さえれば一応それなりのものはできたんです。しかし、あんこは違いました。色々な作り方を参考にしましたが、これが正解というものがありません。一度目は皮がカタく、二度目は豆が崩壊。
要は自分の勘が頼りということのようです。あく抜きの回数、蒸らし時間、煮る時間、砂糖の入れ方、豆のコンディションを見ながら自分で決めろと言われているようで、洋菓子の脳みそではいけないと思い知らされました。
あんこは奥が深いです。

以前、「あん」という映画を観ました。内容に泣かされてしまいましたが、今になって樹木希林をもっとよく見ておけばよかったと思うばかりです。
あんづくりを極めるには10年かかると何かで読みました。これから10年、職人を目指して頑張りたいと思います。

写真は三度目の正直で作ったどら焼きです。永瀬正敏の手つきには敵いませんでしたが、一番きれいに出来たやつをなるべく美味そうに撮りました。努力だけ認めて頂けたら嬉しいです笑

ちなみに原作の「あん」は「デリス・ド・トーキョー」という名前でフランス語版が出ています。これから読んで研究します。

21件のコメント

  • おはようございます。

    わぁ、めちゃくちゃ美味しそうです!
    すご〜い。上手です♪ 皮の厚み、あんこの量、色パーフェクト💮

    あんこ、それは日本人の舌のふるさとですもの。
    私も大好きです。

    おはぎ、たい焼き、柏餅、大福を作りますが、
    どら焼きは作った事ないわ。

    柊さん、パティシエ だから出来ちゃうのね。さすがです。

    映画も観たことないので……。
    樹木希林の演技は心を持ってかれますね。
    『金嬉老』の母親役の時、号泣しました( ; ; )

    柊さん、あんこ職人になるのね。ガンバレー!
    今日のおやつは柊さんのどら焼き頂きます!
  • たい焼きが5ユーロは高い! あんこを炊くのって難しいですよね。私はどら焼きやおはぎは作ったことがありませんが、お正月に善哉を作ろうとしてぜんぜん思うようにならなかったことがあります。一度目は皮がカタく、二度目は豆が崩壊……ああわかります、めっちゃ同じです(^^; それからは缶入りのゆであずき使用です(笑)

    三度目の正直、すっごくきれいだし美味しそう! 皮が特にさすがって感じですね、こんなきれいに焼けるもんなんだ。。。
    これから暑くなってくると、白玉作ってアイスも添えてクリームぜんざいとかもいいですね。ああ、お腹が空いてきました……朝ごはん前に覗いちゃったw
  • 柊さん…もうね、人間としての厚みの違いに圧倒されるじゃないですか…

    『買えないなら作ればいいじゃない』

    爽やかで心地よい風のようです。

    なるほど、洋菓子と和菓子は違うものなのですね。湿度が高く、四季折々気温などの環境変化が大きい為でしょうかね?

    日本生まれの和菓子たちは、見た目おしとやかでも中身は気高く。そういう娘は攻略し甲斐があるものですね!

    あんこ職人!期待しておりますっ!
  • 近況ノートに失礼いたします。

    5ユーロっておいくらくらい? と思って調べてみたら約679円って。高い・・・

    というかなければ作るって発想、常人を超えていますね。感心をとおりすぎて尊敬します。笑

    映画の「あん」、僕もみました。あれ、いいですよね。またみたくなってきました。
  • すご〜い!どら焼き美味しそうじゃないですか!
    うちも母がさすが高齢者、おはぎ、草もち、大福、といった類いのものには目がないんですが、案外日本では、どこででも買えるもの、というわけでもないですよ。
    スーパーなら売ってるけど、セブンイレブンにはありませんでした。なに、お前も練習して作れって? 私は柊さまのような心意気はないので、柊さんすごい決意したなあと思います。
    そのうち、あんこに関する突っ込んだエッセイでも、また読ませてください。
    あんこづくり、頑張ってくださいね。
    追伸
    そうか。パリって、ぼったくりの町なんですね。納得。
  • ハナスさん、見て下さってありがとうございます!
    あんこの量と色OKですか?ああホッとしました。色にまでは気が回らなかった。
    ハナスさんはお餅系を作られるんですね。すごい。これは難しそうで手が出ません。たい焼きまで。うらやましい。。。
    どら焼きの皮はパンケーキと同じだと思っていたら大間違いで、これも勉強でした💦 和菓子は経験ですね。
    映画の「あん」がとてもよかったので、原作を読もうと思います。樹木希林はどの国の人も笑わせて泣かせる俳優ですね。その映画も探してみます。
  • 烏丸さん、コメントありがとうございます。
    やっぱり同じことを経験されましたか!ああなんか自分だけじゃないのねって安心した(笑)小豆ってちょっと油断したすきにグレるんですね。中学生みたい。気をつけて見張ってないとw
    前は缶入りのを買ったことがあるんですが、やっぱり高いし少ないんですよね。アジア食品も最近は品薄だし高いですよ。
    写真は一番いいやつを選んだので(笑)どら焼きの皮も油断できないんですよね。
    なるほど、冷たいものに入れるのもいいですね。こうなれば白玉も頑張って作ります!
  • 呪文堂さん、
    厚みというかですね、財布がいつも薄いもので、パリのぼったくり値段はけっこうきついんですよ。どこかの店ではどら焼き6ユーロとか……作らざるを得ない気持ち分かってもらえますよね(笑)
    和菓子はやっぱり気候が関係するんでしょうか。でもたしかにヨーロッパの乾いた空気だとパサパサしそうです。さりげなく娘になってますけど、ほんとに攻略のしがいがありますよ。和菓子のしっとり感は日本の空気にこそ合うのですかね。うーん、やっぱり日本で作る方が美味しいのかなあ……
  • ふおお、なんかパーフェクトなどらやきではないですか!
    あんこというと材料は小豆でしたっけ。どんなところで手に入るんでしょうか。
    お皿も日本製? 全体から和が滲み出ていて風雅です☆
  • 烏目さん、
    5ユーロは高いですよね! 日本のだけじゃなく、アメリカ風のドーナツなんかもそれぐらいするそうで、外国の流行り物はすべからくぼったくりです(笑)
    感心して頂いて恐縮ですが、実は手に入らないものや高いものはわりと自分で作るんですよ。今はネットで調べたら色んなレシピが見つかるので便利です。日本のものはこれからもっと値上がりしそうだし。。。
    「あん」はすごく映画がよかったので、小説を読んでみようと思います!
  • レネさん、
    このどら焼きはけっこう頑張ってますよね?(笑)皮もなかなかお店で売ってるような均一な真ん丸にならなくて。簡単にできちゃうものより挑戦心に火をつけるものっていいですね。あんこも研究しがいがありますよ。
    日本だったらどこにでも売ってると思ってましたが、違うんですね?昔東京の下町あたりで、家族でやってる団子屋とか和菓子屋とかがありましたね。ああいう店はまだ残ってるんでしょうか。
    エッセイが書ける日は10年後ですかね?(笑)
    また気が向いたら作ろうと思います。
  • 橋本さん、ふおお、コメントありがとうございます。
    子どものおにぎりみたいなどら焼きの中で一番パーフェクトなのを選んだんですよ(笑)
    小豆はアジア食品店で奮発して北海道産のやつを買いました。健康食品店なんかにもあるそうなので、そっちでもいいかなと思います。
    皿は日本で買ったやつです。和には和を。気持ち先行ですw
  • す、すごい完成度・・・💦「あん」のみならず「どら」の方もパーフェクトな出来栄えですね✨フランスでこれを作れちゃったら、もうビジネスにしちゃった方が良いのではないでしょうか??

    私もスイーツは何種類か作るので、お店で買う気がしないの、わかります~~売っているのは高く感じてしまったり、材料が気に食わなかったり、こうるさいこと考えちゃうんですよね・・・笑

    それにしても「あん」は挑戦していないので(洋菓子の方がスキで^^)柊さんは研究熱心ですね✨このどら焼きは間違いなくおいしいやつですね・・・!!

    私もこれからスイーツ作りたくなってきました!写真アップとかしなさそうですけど、ドライフルーツとナッツのケーキを数日前から食べたくて。これから作ります・・・♬
  • 柊さま。
    小さな団子や、和菓子屋は、私の地元にも昔はよくありましたけど、今は皆廃業しましたね。
    でもね,最近はもっと高級感のある、おいしい和菓子専門店を見かけるようになりました。街道筋で、駐車場付きでやるんですね。結構成功してるみたいですよ。
    ただ気楽に少量を買うのが悪いという感じがして、敷居が高いのが難点ですね。
    パリで、そういう和風の和菓子屋を開業したら儲かりそうですね。柊さま、10年後はそれを目指したらいかがでしょう。
  • 神原さん、
    お褒めにあずかり光栄です。「どら」も意外と難しくて、なかなか丸くなってくれないんですよ。色々面白い形のができてしまいました。
    自分で作ると材料も味も自分の好きなようにできるので、わざわざ買わなくなっちゃいますね。洋菓子もパリの店のはちょっと凝りすぎているというか、安くて地味な美味しいものが意外とないんですよね。
    あんこは時間がかかるのでたまにしかできませんが、いい気分転換になるのでおすすめですよ。チャレンジ精神を刺激されます^^
  • レネさん、
    そうなんですね。東京に住んでいた頃、近所に1本60円ぐらいの団子屋がありました。もう廃業してるのかな。そういうお店って流行らないんですかね。高級っぽいと気軽に買えませんね。
    フランスでは日本のものは高級っぽいイメージがあるので、値段をそれなりにつけても納得されてしまうみたいです。あの団子屋みたいな店があったらいいんですけど、材料が高いですね。修行して10年後にオープンできるよう頑張ります(笑)
  • 森山さん、
    とーーっても嬉しいお言葉ありがとうございます^^
    素人でも自分で作ると美味しく感じますね(親馬鹿?)
    あんこが嫌いだという人、僕の周りにはいないですね。時代とともに味覚も変わるんでしょうか。餅とかタピオカとか、ひと昔前なら受けそうにないものも今すごく人気がありますし。
    お母さんの手作りあん、いいですね。祖母と一緒にいたころは正月になると大きな鍋で祖母が小豆を煮ていました。僕は餅が苦手でしたが、祖母のぜんざいだけは食べられました。あんを作っているとそういうことも思い出します。
  • わあっすごく美味しそうです!(*'ω'*)あんこはもちろんのこと、どらやきの断面もとっても綺麗で、すでに職人です……!正解がない調理は、さじ加減が難しそうですね。映画の「あん」にも興味が湧きました。
  • 一初さん、
    写真を見て下さってありがとうございます! 断面までチェックして頂き嬉しいです。どら焼きの皮ってパンケーキと同じだろうと思っていたら全然違いました(笑)こっちも調べてから作ってよかったです。マニュアル通りにできないものってかえって意欲をかき立てられますね。
    「あん」はもう色んな意味で素晴らしい映画です。もしお時間があったらぜひぜひ。
  • 柊さん、おはようございます(*^^*)
    この度は、『ヒトはインコに非ず』にお立ち寄りくださり、ありがとうございます!(*´꒳`*)✨削除済みのノートの記事、数日前に拝読しておりました。また柊さんのお名前をコメント欄に拝見できてめちゃくちゃ嬉しかったです!(*´∇`*)♪

    ↑の記事、未読でした〜(>_<)私もお菓子作り好きですが、あんこは何となく職人さんしかやっちゃいけないアンタッチャブルな領域と思っている部分があり、トライしたことないんですよね💦お写真の粒あんの完成度に仰天しております!
    手作りどら焼きをパリの街中で高額販売するというサイドビジネスが営めそうなクオリティですね✨(笑)

    日差しの明るい季節ですね。どうぞお身体に気をつけて、素敵な初夏をお過ごしください(*´꒳`*)
  • aoiさん、おはようございます(*^^*)
    フォローしたままでしばらくお邪魔できずにいてすみませんでしたm(__)m 落ち着いているときにゆっくり読ませて頂きたいと思っていたので。かえってよかったです。面白くてどんどん読んでしまいました。
    あと変なノートすみませんでした💦ちょっとだけ参ってましたがもう大丈夫です。優しいお言葉いたみいりますm(__)m

    あんこって確かに職人ぽいイメージありますね。僕は祖母が作っていたのを見たことがあるので、プロの味と家庭の味の両方があるような気がします。
    パリの日本系のものはみんなお高いので、いっそ売り手に回って便乗した方がいいですかね?笑

    やっと気持ちのいい天気が続くようになりましたね。aoiさんも執筆頑張ってください。つづきをとても楽しみにしています^^
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