今パリでは日本の餅とかメロンパンとかがブームで、たい焼きとかどら焼きなんかも人気です。ただ、パリだけにぼったくり値段で、たい焼きが5ユーロするなんて聞くと「なんでそうなる?」とかなり腹立たしくなります。
うちの住人は大のあんこ好きで、僕もたまには日本の甘いものを食べてみたいなと思うのですが、やっぱり値段に納得がいかない。
そんなとき、「買えないなら作ればいいじゃない」と僕のなかのマリーアントワネットが囁きました。そうだ、作ればいいのだ。というわけで、最近あんこを作ることに目覚めました。
しかしこれが非常に難しいのです。
今までは洋菓子専門で、しかも手軽にできるものしか手を出さなかったので、数字と手順さえ押さえれば一応それなりのものはできたんです。しかし、あんこは違いました。色々な作り方を参考にしましたが、これが正解というものがありません。一度目は皮がカタく、二度目は豆が崩壊。
要は自分の勘が頼りということのようです。あく抜きの回数、蒸らし時間、煮る時間、砂糖の入れ方、豆のコンディションを見ながら自分で決めろと言われているようで、洋菓子の脳みそではいけないと思い知らされました。
あんこは奥が深いです。
以前、「あん」という映画を観ました。内容に泣かされてしまいましたが、今になって樹木希林をもっとよく見ておけばよかったと思うばかりです。
あんづくりを極めるには10年かかると何かで読みました。これから10年、職人を目指して頑張りたいと思います。
写真は三度目の正直で作ったどら焼きです。永瀬正敏の手つきには敵いませんでしたが、一番きれいに出来たやつをなるべく美味そうに撮りました。努力だけ認めて頂けたら嬉しいです笑
ちなみに原作の「あん」は「デリス・ド・トーキョー」という名前でフランス語版が出ています。これから読んで研究します。