一番最後に書き上げたお話です。フウチョウコンビの目的と正体、そしてキュルルが何者なのかが明かされ、これまでどんな設定で話が進んでいたのかが分かります。
ぼんやりとした設定を、全体の辻褄を合わせながら文章にまとめるのは大変そうだなと思って後回しにしていたら、結局最後になりました。
いざ書いてみると、なかなか言葉が見つからなかったり、説明が思いつかなかったりして苦労しました。その時になって思いついた設定が、たまたま抜けている部分にはまる事も何度かありました。
そしてなんとか出来上がりましたが、やはり一気に書き上げるのではなくて、あらかじめ設定を箇条書きにしておいて、必要に応じて削ったり付け足したりしてゆけばよかったです。
フウチョウコンビの中二病セリフにも設定が込められていますが、読み解けるようには書いていません。
まず「幾星霜」という単語は、夢喰いメリーに出てきたイチマのセリフからきています。
また、書き始めた時のフウチョウコンビは、名前を聞かれた際「我らは名前を持たぬ影。」と答えていました。名前はこの世に存在する事を表しますが彼女達は名前がない、つまりこのセリフには、2人はこの世に存在しないという意味が込められていました。
しかしよく考えてみると名前はありますし、幽霊のような姿とはいえ存在しています。なので前述のセリフをやめ、あえて教えないという形になりましたが、これだとただのイジワルかもしれません。
そして続く言葉は、自分たちを本当に理解してくれる者は、今現在存在しない事を表しています。
どういう事かというと、理解してもらうためには、まず認識してもらわなければなりません。光は日光だけではなくて、ヒトやフレンズの事でもあります。ですがそれらは彼女達を照らさない、つまり全く気付きません。唯一の例外はビーストですが、敵対する関係で理解とは程遠い存在です。