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『教養としての歴史小説』 今村翔吾 読了

「もう歴史小説なんか書くもんか!!」

と、言い出してから丸一年。

歴史小説に詳しい先生に添削してもらって「この言葉は使わない」「この言葉はダメ」と、言葉を一つ一つ、その時代に合わせて書くように指導され、「そのペースでやっていたら、作品が仕上がらない!」と、歴史小説は諦めた一方で、過去の著名な歴史小説や時代小説でも「ステップ」とか「急ピッチ」とか使っていて、違和感を覚えたことがあります。

どの言葉が大丈夫で、どの言葉がダメなのか、さっぱりわからない。

もやもやとした疑問を抱えたまま、今村翔吾先生の「教養としての歴史小説」を手にしたわけですが、ちょっと腑に落ちました。

重要なのは、「読者が楽しめるかどうか」なわけです。

戦国や鎌倉みたいな歴史を取り上げる人は、多分、読者がカタカナに違和感を覚えるでしょうけど、やり方次第ですよねぇ。
……ってことがチョロっと書いてありました。

本書は、作者向けではなく、一般読者向けに書かれていますが、章末のコラムで、出版業界の話も取り上げており、そこだけでも作家を目指す人は読む価値アリにみえました。

コラムのタイトルだけ挙げていきますと
・歴史小説の読者は男性が多い!?
・大河ドラマの原作者になるということ
・歴史小説は「本屋大賞」で勝ちにくい!?
・歴史に学ぶ外交交渉
・日本の地名消えすぎ問題
・何故歴史小説は長編優位なのか
・会話文の作り方
・人生のロールモデルをみつけよう
とあり、作家志望の人にも参考になる話がちりばめてありました。

ボクは今村先生の「イクサガミ」の作り方が垣間見えただけでも、買って得をしたなぁと思いました。

ということで、歴史小説好きには、あるあるネタのような本であり、歴史小説に触れたことのない人にとっては、……多分、手に取ることがないだろうけど、読んだら「へぇー」と思うだろう本でした。

また歴史小説、やろうかなぁ。
てか、歴史小説を読む人が少なくなったから、今村先生もこういう本を書いているんだろうなぁ。

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