私が大衆文学を愛すようになったのは小学六年の冬だった。
初めて読んだ長編小説は「ハリーポッターシリーズ」、つまり児童書であったが、その魅力はすぐに私を虜にした。
そこから「東野圭吾」「有川浩」「宮部みゆき」などなど様々な作者の描く世界に溺れるような日常が続いた。それらは非常に充実していた。
やがて、私はライトノベルというジャンルが存在することを知った。間抜けでとても描写とはいえない表現を元にして描かれるそれらの作品は、私にとって新鮮であった......と、言ってもある程度、文章がまともな物だけを読んでいたが。
私の読んだライトノベルは「小さな妖精さんと、それに振り回される国連の人」や「眼鏡っ娘が不愉快ですと言いながら、妖怪を駆逐するお話」だったり、「虫がモンスターになるウイルスに両親を殺されたエドワードくん」......それぐらいしか読んだことはないが、いずれも非常に好きな作品である。
ファンタジーを題材にしたライトノベルで描かれる世界観は、ダークであり、ユーモラスであり、見るものを魅了する。
宮部みゆきが、「ブレイブストーリー」というファンタジー小説を書いたが、それは非常にメッセージ性の強い作品だった。
メッセージ性、そう、ライトノベルにメッセージ性が皆無とは言わないが、そこで描かれるファンタジーにはやはりメッセージ性が少ないと言わざる得ないのである。そしてそれが読者を楽にさせるのであろう。
私が今、下書き段階で執筆している作品はどちらかと言うとメッセージ性を優先した作品になっている。しかし、そのメッセージは道徳的なものではないから、そういう意味ではライトノベルに近い物を持っていると言えるかもしれない。
そのような作風になるのは、作品を書く上で、コンセプトを決まるわけだが、「大衆文学に近い描き方でライトノベルを描く」というのをコンセプトにしてみた結果であろうと考えている。
ある程度書き進めているものの、それを投稿しようと思えないのにはそれなりの理由がある。
一つにこれが私の処女作というとこである。
処女作はやはり多くの人に呼んでもらいたいものであるが、ここではそうやら、特殊な魔法だったり、異世界だったり、そういうライトノベルじみた作品が好まれ、私のように際どい作品は好まれないだろうという予想からである。
つまり読んで欲しいわけである。しかし、いきなり投稿しても、読んでくれる人はおそらく一人や二人であろうという悲観的観測に基づいて、この文章に置いて広告、宣伝をしているわけである。
もっとも、これを読む人がそもそも論で一人や二人であろうから、効果の程はお察しといえるわけなのだが......。
さて、長々と書いてしまったこの文章であるが、オチが見つからない。どうしたものかね。