色欲編は長くなると最初の頃に言ったのですが、まあこれで半分いったかどうか……いや、まだ三分の一かもしれないかなぁ、なんて。
暑い日々が続きますが、なんとか頑張ります。
兄妹が探したのは青い鳥。
種類もわからない。どんな大きさか、形かも不明。
わかるのは目も見張るような青さだけ。
幸せの色。夏の空にも負けない鮮やかさ。
瞳の色彩もわからない。どんな声で鳴くかも知らない。
それでも探し続けた。見つけては失って、また歩き出す。
そうして最後に気づく。現実の傍らに存在していたと。
夢物語ではなく、幻想の類いではない。けれど触れられない。
指をすり抜けて飛び立っていく姿を見上げて、空の広さを知る。
同じ青い鳥には会えないだろうという予感。
時間は戻らないように、同一の幸せはやってこない。
空っぽの鳥籠にもたれかかりながら、犯人は囁く。
「幸せこそ最も手段を問わないものなんだよ」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885804423/episodes/1177354054901279749