色欲編はこれで三分の一は進んだかなと思います。
この後が転がりまくるので、勢いをつけたいですね。
明日、明後日、明明後日。未来の話。
命とも言えない存在で、いつまで語れるだろうか。
止まり木なんて見つからない。飛び続ける鳥はいつか地に落ちる。
素敵な魔法なんて知らない。奇跡は二度と起こらない。
迫る地面に怯えて、翼を動かしていく。そろそろ限界だ。
こんな歪な状態のまま、必死に鳴き声を上げる。
「おかしな話だろう」
冷や汗を流しながら、唇は弧を描かせる。
魔人も魔女も関係ない。笑う骸骨も、苦悩する王子も飛び越えて。
たった一人を助けたい。それがここにいる意味だと思ったから。
「もう謎は解けた?」
それならば酷い話だ。真実が心を薔薇みたいに握り潰すだろう。
花弁が散った先に彼がいる。そして――は消えていなくなる。
ああ、めでたしが近づいてきた。まるで昔話のように。
人殺しの悪者が息を引き取るまで、あと――。
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