『短歌の秋』九月のテーマが「赤」ですので、咄嗟に詠むことに致しました茱萸嚢。
写真は五色の菊が中心の造花で、赤い袋が目立たないかもしれません。呉茱萸も香料も入れていない飾りです。ですが、菊に心洗われる気が致します。
幼い頃の赤い錦の巾着を茱萸嚢にすれば良いと、生薬と香料を手に入れて包み、菊花を挿したのは三十代でしたでしょうか。
この完成形を私はまだ見ていないように思います。
いつまでも巾着は晴れ着の存在感の儘、そこにあるのです。これが茱萸嚢になるにはどうしたら良いのでしょう。
こんな気持ちを全て転換するような鋭く幼い願いを詠みたかった今回です。