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副都青墨編のあとがきのようなもの

途中かなりの中断期間を経てしまいましたが、青墨編ようやく完結いたしました。ここまでお付き合いくださった読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

正直に告白しますと、青墨での物語は当初の予定よりもかなり長くなってしまいました。「十話程度で終わるだろう」と思っていたものが、なんと倍の話数に膨れ上がるという想定外の展開に。最初は導入の「琳華と盧燕の心のふれあい」と最後の「三つの旗」の場面だけを決めていたのですが、筆を進めるうちに新しい登場人物や展開が次々と生まれ、気がつけば予想外の道を歩んでいました。

特に反省すべきは、青墨の描写に力を入れすぎたことでしょうか。今後のためにもそこで暮らす人々をイメージできるよう街の様子や文化、政治の仕組みなど、書いておきたいと思いが強くなった結果、物語のテンポが落ちてしまったことは否めません。「もう少しサクサク進めても良かったのでは」という声が聞こえてきそうで冷や汗が出ます。

また、盧燕と夜鴉の対決、学生運動の展開、符鵬のような人物の葛藤など当初の構想にはなかった要素が次々と加わり、場当たり的に物語を進めてしまった面もあります。特に話の中心を盧燕に移したとで筆が進んでしまった部分もあります。物語を書くという行為は時として、作者の意図を超えて自分の意志を持って動き出すことがあるのですね。これは楽しいことではありますが、同時に危険なことでもあります。

とはいえ、最終的には「三つの旗」がはためき青墨編を締めくくることができたのは、何よりの救いでした。青墨での出来事は盧燕を中心として、そしてこれから始まる玉京での冒険の重要な伏線となっています。

さて、これからの玉京編では、青墨での経験を活かし、物語のテンポと構成をより意識して進めていく所存です。すでに主要な転換点はプロットとして固めていますので、より計画的に、そして読者の皆様を飽きさせないようにテンポよく物語を進めていきたいと思います。

これから始まる玉京での物語は、青墨とはまた違った雰囲気と緊張感に満ちています。宮廷の陰謀、異質な力との対峙、そして鳳来を中心に戻して進めていきたいと思います。ぜひ、これからも「異世界奇譚」の旅にお付き合いください。

次回は青墨の後記、その後移動したのちに巨大な都・玉京での物語が本格的に展開します。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

また、先月末から体調がすぐれないため玉京編は少し期間を置いて四月から順次公開していこうと思います。よろしくお願いいたします。

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