石橋清孝

@kiyokunkikaku
2023年12月28日に登録

現代ドラマ

8月13日
原案『恋愛リアリティ小説』
原案『恋愛リアリティ小説』【ジャンル】ロマンティックコメディ【コンセプト】恋愛リアリティショーを、連載小説上で行う。【ストーリー例】 ①恋愛リアリティ小説の企画人気男性小説家が、新しい企画「恋愛リアリティ小説」を発表する。オーディションで選ばれた三人の女性が彼とデートをし、その経験を基に小説が連載される。最終的に、その中の一人が彼の本当の恋人になるというものだ。 ②オーディション主人公は小説家の大ファンで、彼の才能に憧れている。彼女はオーディションを通過し、大喜びする。彼女は、才能のある小説家に自分の本質を見抜いてもらおうと、期待に胸を膨らませる。 ③初めてのデートと小説執筆主人公は、小説家との初デートを楽しむ。しかし、デート後に発表された連載小説を読むと、彼女が思っていた自分とは、まったく異なる女性が描かれていることにショックを受ける。他の女性たちは主人公よりも大人で、面白おかしくデフォルメされた自分を楽しみながら、小説を読んでいる。 ④二回目のデートと口論主人公が次のデートで小説家に抗議するのだが、彼の反応は鈍い。次回の小説でも、やはり彼女にとっては不本意なキャラクターとして描かれる。主人公が、どれだけ演技をしても、彼女にとっては思いもよらない小説になってしまうのだった。 ⑤主人公の自己発見仕事や家族との関係、友達付き合いでも、様々な問題を抱えている主人公。小説家の描写に反発しつつも、次第に彼の創作が自分の本質を捉えているのではないかとも思えてくる。 ⑥二人の激しい衝突主人公が小説家に対して不満を募らせていき、ついに彼を批判する。彼の独善的な態度、こんな女性を下に見るような企画を思いつく、彼の傲慢さを彼女は指摘する。プライドが高い小説家は、自分のファンから批判されたことにショックを受けてしまう。 ⑦最後のデート彼女は、もはや作家とファンではなく、一人の人間として彼と向き合う。冷静沈着で温厚な人間を演じていた小説家が、誰も見たことのないような態度を見せる。早熟の天才で完璧な人間というパブリックイメージを守り続けてきた彼は、彼女の助けで自分の殻を脱ぎ捨てるのだった。 ⑧最終回小説家から愛を告白されて、主人公は驚いてしまう。うすうす分かっていた他の女性たちは、二人を祝福する。小説が完成し、評価される。
8月13日
原案『あなたの声は聞きたくない』
『あなたの声は聞きたくない』【ジャンル】クライムサスペンス、シチュエーションコメディ【コンセプト】劇場型詐欺グループに狙われた老人は、実は往年の名女優だった。【ストーリー例】 ①お婆さんは往年の名女優だったマリコは、かつて映画界で一世を風靡した名女優。詐欺グループは、マリコの過去を知らずに、ターゲットに選ぶ。詐欺師たちは、彼女の孫や弁護士や警察官など、異なる役を演じながら、代わる代わる電話をかける。 ②カネを持っているのではないか詐欺師たちはマリコが往年の名女優だと知り、彼女が大量の資産を持っていると考える。初めは小さな金額を要求していたが、欲に目が眩み、危険を感じながらも、次第に金額を吊り上げていく。 ③逆に騙されているのかもしれない元女優ならば、詐欺師に騙されたフリをして、捜査に協力することも可能だろう。マリコの隣には、警察官が控えているのかもしれない。たくさんの老人をカモにしてきた詐欺グループが、一人の老女の過去の名声に恐れをなして、疑心暗鬼に陥る。普段なら、あり得ないようなミスを重ねていく。 ④詐欺師も演技にプライドを持っていたカネを騙しとるためだけに磨いてきた演技力に、詐欺師たちはプライドを持っていたという、意外な人間らしさ。お互いの演技を批評し合って、より上を目指そうとする、犯罪者らしからぬ向上心。いつの間にか、マリコからカネを騙しとることよりも、かつての名女優に演技で上回ることが目的になっていく。 ⑤カネを受け取りに行っても大丈夫なのかマリコは自分たちの計画通りに騙されていると主張する自信家の詐欺師と、彼女は騙されたフリをしながら警察に協力しているのかもしれないと考える慎重派の詐欺師が対立する。いつのまにか、カネを騙し取ることよりも、それぞれの主張の正しさを証明することが目的のようになっていく、本末転倒を描く。【シチュエーションコメディ】詐欺グループがマンションの一室に集まり、外界から遮断されている中で悪巧みをするので、テンションの高いやり取りが展開する。【声だけのマリコ】マリコが声だけで登場し、その表情や周囲の状況が詐欺師たちには見えないため、緊張感を高めて、コメディの要素を引き立てる。
8月13日
原案『論破仮面』
原案『論破仮面』【コンセプト】吃音症の青年が覆面で正体を隠すと、無敵のディベーターに変身する。【主人公の本当の姿】（名前）鳴海勇介（なるみゆうすけ）（職業）ライター（背景）幼少期から吃音症に苦しんでおり、コミュニケーションに困難を抱えていた。しかし、書くことで自分を表現し、多くのフォロワーを持つブログを運営している。（動機）ネットでの誹謗中傷の恐ろしさを知り、自分の言葉で被害者を守りたいと強く願う。覆面をすることで吃音症が消えることに気づき、論破仮面としての活動を始める。【ダークヒーロー論破仮面】（目的）スキャンダルの渦中にいる人々に論戦を挑み、真実を鋭く追求して、容赦なく論破する。そのため、ネット上で誹謗中傷をしている人々の代弁者のようにも見えるが、実際には、その行動が炎上の鎮火を早めている。（葛藤）自分の行動が持つ倫理的な問題に悩むこともあり、内面的な葛藤を抱えている。【ヒロイン】（名前）片桐美咲（かたぎりみさき）（職業）ジャーナリスト（背景）大手新聞社の社会部記者。正義感が強く、不正を暴くためにジャーナリズムの道を選んだ。数々のスクープをものにしてきた、実力派だ。（性格）勇敢で行動力があり、真実を追求する姿勢を持つ。冷静で論理的だが、時には感情的になることもある。（主人公との関係）鳴海勇介とは友人であり、彼の優しさを愛している。勇介が吃音症を克服しようとする努力を、見守りながら支えているが、論破仮面の正体が勇介であることには気づいていない。（論破仮面との関係）論破仮面の活動に反感を抱きつつも、その影響力と行動に興味を持ち、取材を続ける。最初は彼を批判的に見ているが、次第に彼の真の目的に気づいていく。【ストーリー例】エピソード１　有名俳優のスキャンダル有名俳優が、週刊誌にスキャンダルを報じられて、ネットで炎上している。俳優は事実を隠し、真実を語らないことで、さらに炎上が拡大していく。論破仮面が俳優に接触し、論戦を挑む。論破仮面は、彼の口から真実を語らせた上で、彼の行動の問題点を指摘する。ネットの住人たちは、俳優が論破される動画を観て、溜飲を下げる。そして、論破仮面ほどの的確な指摘ができないネットの住人たちは、誹謗中傷をやめていくのだった。片桐美咲は、その様子を記事にし、論破仮面の影響力に気づき始める。エピソード２　政治家の不正疑惑政治家が不正を行った疑惑で炎上しているのだが、具体的な証拠がなく、ネットの誹謗中傷が激化している。論破仮面が政治家に論戦を挑み、真実を引き出し、彼の言い訳を論破する。片桐美咲は、論破仮面の取材を続けている。政治家の炎上が迅速に収まり、彼女は論破仮面の行動が、炎上の鎮火に寄与していることに気づく。エピソード３　インフルエンサーの失言人気インフルエンサーが、不用意な発言で炎上し、誹謗中傷が広がっている。論破仮面がインフルエンサーに論戦を挑み、その発言の意図や背景を引き出したことで、彼女の炎上が通常よりも早く収まる。美咲は、論破仮面の行動が単なる批判ではなく、ネットの誹謗中傷を防ぐための戦略であることに気づく。【展開の例】美咲は論破仮面の取材を続ける中で、彼が単なる批判者ではなく、ネットの誹謗中傷を防ぐために行動しているということに気づく。彼の真の目的を知ることで、美咲は彼に対する見方を変え始める。美咲は、自分のジャーナリストとしての倫理観と、論破仮面の手法との間で葛藤する。美咲は、論破仮面の正体が鳴海勇介であることを知り、彼の行動の背景と苦しみを理解する。鳴海は、あえて覆面を被らず、重い吃音症がある本当の姿で、最後の論戦に挑む。
8月13日
原案『教師の教師』
原案『教師の教師』【コンセプト】学校の教師たちがＡＩの指示で動いているという都市伝説が、子供たちの間で広がる。【ドラマの構成】前半：生徒の視点で描かれる。 1．いじめへの対応いじめが発生し、被害者が担任教師に相談するも、他の生徒たちが「先生、それＡＩのアドバイスじゃないの？」と疑いの目を向ける。生徒たちが、本当に教師がＡＩを使っているのか疑問を持ち始める。 2．非行生徒の指導ある男子生徒が問題行動を起こし、担任教師に叱られるが、「それって本当に先生が考えたこと？　ＡＩが言ってるんじゃないの？」と反論する。担任教師は、自分の言葉で説得しようとするが、疑念は消えない。 3．不純異性交遊の指導校内で問題となったカップルが教師に呼び出され、教育的指導を受ける。しかし、「これはＡＩの意見だ」と疑われ、教師たちの信頼が揺らぐ。 4．貧困家庭の支援ある女子生徒が、生活費の問題で困っていることが発覚する。担任教師が支援プランを提案するが、「ＡＩが考えたものではないか」と疑われる。担任教師は、自分の意思と感情を込めた支援を行う。 5．インターネット依存ある女子生徒のスマホ依存や、誹謗中傷問題が浮上する。担任教師が心配し、アドバイスをするが、彼女は「これはＡＩの指示だ」と疑う。担任教師は、自分の思いを伝えようとする。 6．誤解の解消教師たちが一丸となって、ＡＩに頼っていないことを証明し、生徒たちの信頼を取り戻すエピソード。教師たちの熱意が伝わり、生徒たちも徐々に信じ始める。後半：教師の視点で描かれる。 7．ＡＩを本当に導入する文部科学省が、秘密裏にＡＩを導入する。教師たちは、生徒からの尊敬を失わないように、その秘密を守るよう指示される。教師たちは、その利便性を感じつつも、秘密を守るプレッシャーに苦しむ。 8．秘密が暴かれたら生徒たちが再び教師の行動に疑問を抱き、その秘密を暴こうとする。ある生徒は、教師たちの行動をゲーム感覚で監視する。またある生徒は、ＳＮＳで疑惑を拡散する。【主人公】藤本真琴（ふじもとまこと）（役職）国語教師（特徴）若くて情熱的な教師。教育に対する熱意があり、生徒一人一人と真剣に向き合う。ＡＩの導入には懐疑的だが、完全には否定していない。（ストーリー前半）ＡＩに頼り切っているのではないかという、生徒たちの疑念を払拭するために奮闘する。自分の言葉で生徒と向き合い、信頼を築こうとする。（ストーリー後半）実際にＡＩが導入され、その秘密を守りながら、教育活動を続ける。秘密を守るプレッシャーと戦いながら、教師としての役割を全うする。【同僚教師および上司】田中優（たなかゆう）（役職）数学教師（特徴）技術に明るく、ＡＩの導入に賛成している。生徒への指導も効率重視で進めるが、感情を抑えがちで、生徒との距離感に悩むこともある。ＡＩを積極的に活用しようとするが、そのために生徒との関係がぎくしゃくすることも。教育の効率化を重視しすぎて、生徒の感情や個々の事情を無視することがある。中村麗奈（なかむられな）（役職）英語教師（特徴）藤本の同期であり友人。教え方が柔軟で、生徒に人気があるが、プライベートでは自己中心的な面も持つ。ＡＩの導入には賛成しているのだが、導入に伴うリスクには無関心だ。能力的には優れた教師だが、自己中心的な行動が周囲に影響を与えることがある。佐藤浩二（さとうこうじ）（役職）体育教師（特徴）熱血漢であり、生徒に対して厳しくも愛情深い指導を行う。ＡＩの導入には懐疑的で、伝統的な教育方法を重視している。しかし、厳しすぎる指導が問題になることもある。生徒に対する厳しい指導が時に行き過ぎてしまい、生徒との信頼関係が揺らぐことがある。木村美咲（きむらみさき）（役職）校長（特徴）学校運営のベテランであり、教育改革に積極的。ＡＩの導入を推進する立場だが、その理由は文部科学省の圧力や、自身のキャリアのためでもある。表向きは生徒と教師のためを装うが、裏では自己利益を優先することも。【中学３年生の子供たち】鈴木健太（すずきけんた）（特徴）家庭内暴力の被害者であり、学校が唯一の安らぎの場。明るく振る舞い、友達も多いのだが、家庭の問題に苦しんでいる。教師たちに対しても、疑いの目を持っている。（個人的な問題）家庭内暴力佐々木彩（ささきあや）（特徴）母子家庭で、生活に苦労している。勉強が得意で、将来は母親を支えたいと考えているが、クラスメートとの交流は少ない。冷静かつ、分析的な性格。（個人的な問題）子供の貧困田村翔太（たむらしょうた）（特徴）不登校気味であり、家庭環境が不安定。父親が失業中で、家計を支えるために、学校の許可なくアルバイトをしている。学校生活に興味はあるが、馴染めずにいる。（個人的な問題）不登校山本直子（やまもとなおこ）（特徴）優等生だが、親の期待に応えるプレッシャーで、心が疲れている。将来の進路に悩み、自分の道を見つけたいと考えているが、相談できる友達がいない。（個人的な問題）教育虐待加藤健（かとうけん）（特徴）部活動のリーダーで、スポーツ推薦で高校進学を目指している。しかし、怪我で夢を断たれる危機に直面し、将来に対する不安と戦っている。（個人的な問題）スポーツ選手の挫折中村陽介（なかむらようすけ）（特徴）特に孤立している生徒。家庭問題が原因で自分の殻に閉じこもりがち。友達が少なく、教師たちにも心を開かない。（個人的な問題）孤立井上奈々（いのうえなな）（特徴）スマホ依存症気味で、ＳＮＳで誹謗中傷をしたり、されたりすることがある。表面的には明るく振る舞っているが、内心では深く傷ついている。（個人的な問題）スマホ依存藤井翔（ふじいしょう）（特徴）オンラインゲームに夢中で夜更かしをし、学校生活に支障をきたしている。成績が落ち込み、家庭でも問題視されている。（個人的な問題）ゲーム依存
8月13日
原案『犯罪抑止対策室・失敗係』
原案『犯罪抑止対策室・失敗係』　　　　　　　　　　人　　物岸宣太郎（３８）刑事。澤佑樹（３８）無職。岸真弓（３５）主婦。岸穂花（８）小学生。澤妙子（６６）パート。山本孝志（３８）警視正。 ◯小学校の校門（夜）　　　数台の警察車両が、停まっている。　　　カメラを構えた報道関係者たちを押し　　　留めるように、数人の警察官が立って　　　いる。 ◯岸家・外観（夜）　　　住宅街の中にある、一戸建て。　　　岸宣太郎（３８）が、帰宅する。 ◯同・玄関・中（夜）　　　静かにドアが開き、岸が入ってくる。　　　居間から、岸穂花（８）が駆け寄って　　　きて、岸に抱き止められる。　　　穂花を追いかけてきた、岸真弓（３　　　５）。真弓「もう大丈夫。パパが穂花を守ってくれ　るよ。パパは、刑事さんなんだよ？」岸「この子を守ってくれたのは、先生方だ。　警察じゃない。感謝しなきゃな……」　　　固定電話が、鳴り出す。　　　慌てて受話器を取る、真弓。真弓「はい。そうですが……」　　　靴を脱ぎ、電話に近づく岸。真弓「パパと小学校で一緒だった、澤さんだ　って」　　　真弓から受話器を受け取る岸。岸「俺だ。どうしたんだ一体。こんな大変な　時に？」　　　穂花に駆け寄り、抱きしめる真弓。岸「つまらん冗談だ」　　　受話器を置いて、電話を切る岸。　　　岸を見つめる真弓。真弓「何だったの？」岸「ニュースを見て、自分も事件を起こした　くなったんだとさ。相変わらず、友達いな　いんだろうな……」真弓「その人、大丈夫なの？　もしも本気だ　ったら……」岸「やりかねない」　　　急いで靴を履き直す岸。穂花「パパ、行かないでーっ！」岸「パパは、お仕事の続きだ。なるべくすぐ　帰ってくるよ。我慢してくれな？」　　　穂花の頭を撫でて、外に出る岸。　　　穂花を後ろから抱きしめる、真弓。 ◯タクシーの車内（夜）　　　後部座席で、スマホのアプリで事件の　　　ニュースをチェックしている岸。 ◯澤家・外（夜）　　　住宅街の一戸建て。　　　岸が歩いてきて、呼び鈴を押す。 ◯同・玄関・中（夜）　　　澤妙子（６６）が戸を開けると、岸が　　　作り笑顔で立っている。岸「おばさん、お久しぶりです！」妙子「岸君。来てくれて、ありがとう……」　　　澤佑樹（３８）が、ニヤニヤしながら　　　階段を降りてくる。澤「岸刑事、来ちゃいましたー」　　　岸は口を開いて何かを言おうとするの　　　だが、澤の言葉が遮る。澤「冗談だろうとは思ったけど、もしも本当　に無差別殺人をやらかしたら、大変なこと　になる」　　　岸は口を開いて何かを言おうとするの　　　だが、澤の言葉が遮る。澤「刑事が犯人から犯行予告されてたのに、　何もしなかったなんて、日本警察史上、有　数の大失態」　　　岸は口を開いて何かを言おうとするの　　　だが、澤の言葉が遮る。澤「犯人を知る人々は、いつかやりそうな奴　だっだって口を揃えて言ってるのに、警視　庁の刑事は何をしてたんだって、日本中か　ら大バッシングだもんなあ？」岸「とりあえず、土間から上げてくれ」澤「そんなのは、分かってたよ！」　　　岸に靴ベラを渡す妙子。　　　靴を脱ぎ始める岸。 ◯同・澤の部屋（夜）　　　澤と岸が、大昔のテレビゲームで一緒　　　に遊んでいる。澤「ああっ……」岸「すまんっ！」澤「俺の動きに合わせて、援護射撃をしろっ　て言ってんだろ！　何で、そんなこともで　きないんだよ！」岸「そんなに怒るなよ……もう忘れたって」　　　お盆にジュースを載せて、妙子が部屋　　　に入ってくる。妙子「盛り上がってるね？　懐かしい」　　　妙子の足がコードに引っかかり、コン　　　セントからゲーム機のアダプターが外　　　れてしまう。　　　真っ暗になる、テレビ画面。　　　立ち上がる澤。澤「ババア、何やってんだよ！」　　　驚く、妙子。　　　お盆の上のコップが転げ落ちて、ジュ　　　ースが畳に飛び散る。澤「お前、わざとやってるだろ？」岸「おいおい……」　　　妙子に詰め寄る澤。澤「正直に言えよ。俺に早くいなくなって欲　しいんだろ？　死んで欲しいんだろ？」　　　右手で妙子の肩を掴み、左の拳を振り　　　上げる澤。　　　澤の手首を掴む、岸の手。　　　岸は、鮮やかな逮捕術で澤を畳の上に　　　転がし、うつ伏せにして後ろ手に締め　　　上げる。岸「お前さっきから、人の失敗を見ると、妙　に感情的になるよな？」澤「バカが、嫌いなんだよ！」岸「面白い。俺のバカっぷりでも、聞かせて　やろうか？」澤「うるさい！　手を離せ！」　　　澤と岸を見つめる妙子。岸「俺が、まだ新米警官で交番勤務をしてい　たころだ。近所の小学校の児童たちが街に　出て、ゴミ拾いをすることになってな。交　通安全対策だってんで、新米の俺が同行し　て、見守ることになったんだ」澤「ガキどもがクルマに撥ねられたのか？」岸「幸いなことに、それはなかった。ただ男　の子が五十円玉を一枚、拾ったって、わざ　わざ俺のところに持ってきたんだ。めんど　くさいだろ？」　　　正座をして、神妙な面持ちで聞いてい　　　る妙子。岸「たった五十円だぜ？　そんなことのため　に、男の子を交番まで連れて行って、拾得　物証明書を書いてやるなんて、やってらん　ねえだろ？　俺は男の子を褒めて、五十円　玉を制服のポケットに入れたんだ。そうし　たら、後ろで見てたＰＴＡ役員のオバサン　が怒り出してな。何と彼女も警察官で、子　どもたちに警察官の仕事を教えて、社会勉　強をさせたかったんだと。こってり絞られ　たわ。あなたのやろうとしたことは、業務　上横領ですって」澤「はいはい。そんなバカ警官でも刑事にな　れましたって話だな？　偉い偉い」岸「それから、交通課にいたころだ」澤「もうやめろ！　聞きたくねえんだよ！」岸「若くてキレイな女と、お婆さんが前日に　駐車場で事故を起こしたっていうから、話　を聞いたんだ。若い女は神妙に、落ち着い　た口調で事故の説明をしてたのに、婆さん　は相手が悪いの一点張りで、大騒ぎ。こん　なん、婆さんが悪いに決まってんだろ？」澤「もういい、やめろって言ってんだろ！」岸「俺も頭に来てさ。態度が悪いですよって　婆さんに説教してやったんだ」澤「黙れよ！」岸「後で調べたら、若い女は何度も同じよう　な事故を起こしてる、プロの当たり屋だっ　たんだ。駐車場からバックで出てくる婆さ　んを狙って待ってたんだ」澤「へっ、頭悪いな」岸「若い女は保険に入ってないから、クルマ　の修理代をよこせとか、医者の診断書を持　ってきて首を痛めただの、やりたい放題。　婆さんが気の毒になってな……」澤「俺は、聞いてないぞ！」岸「先入観にとらわれず、ちゃんと実況見分　をしてれば、不自然さに気づけた……」　　　言葉にならない大声を出す澤。岸「市民のプライバシーは明かせないから、　婆さんの免許が減点にならないように、手　を回すのが精一杯だった……」　　　歯を食いしばっている澤。　　　澤の手を離す岸。岸「さあ、お前の話も聞かせてくれ」　　　バンバンと畳を叩く澤。澤「あいつらが無能なんだよーっ！」　　　澤の背中をさする妙子。 ◯警視庁・外観 ◯同・警視正の個室　　　山本孝志（３８）が、イスに座ってい　　　る。　　　机を挟み、向かい合うように立ってい　　　る岸。　　　机の上には、辞表が置いてある。岸「警察の仕事は、ああいう奴らが事件を起　こすのを待って、社会から取り除くだけで　す。私は、ああいう奴らが事件を起こす前　に、社会と繋げたいのです」山本「ごもっともな話だな。しかし、その仕　事を、警察がやってみても面白いんじゃな　いか？」　　　目を大きく見開く岸。・主な登場人物 1．岸宣太郎　刑事【役割】リーダー【背景】新人時代に多くの失敗を経験し、その中で市民の信頼を失ったことがある。しかし、その経験を活かして犯罪抑止のために尽力する。【特技】刑事ならではの人間理解で、メンバーをサポートする。【内面】娘と妻への愛情が強く、そのために全力で仕事に取り組む。 2．真田愛子　犯罪心理学者【役割】プロファイリング【背景】若い頃に一線で活躍していたプロファイラーだったが、ある重大事件での失敗が原因で引退。しかし、その経験と知識は未だに豊富だ。【特技】犯罪者の心理を読み解く洞察力は、チームに欠かせない。【内面】冷静沈着でありながらも、内心では過去の失敗に苦しんでいる。完璧主義的な考えが強く、それが故に自分自身を許せない一面がある。 3．山田隆　元捜査一課のエース【役割】実力行使【背景】捜査一課で多くの難事件を解決してきたが、ある事件での失敗から引退した。その後は、民間で防犯コンサルタントとして活動していた。【特技】現場での判断や、犯人逮捕の手腕は抜群だ。【内面】自分の失敗が原因で人々に迷惑をかけたことを悔いており、その償いとして失敗係に参加する。情に厚く、仲間を大切にする。 4．吉田麻美　ＩＴセキュリティ専門家【役割】ハッキング【背景】大手ＩＴ企業で、サイバーセキュリティの専門家として活躍していたが、セキュリティの漏洩事件により退職した。現在は、フリーランス。【特技】最新の技術を駆使して、秘密の情報を盗み出す。【内面】自身の失敗が会社に多大な損害を与えたことを悔いているが、それを糧に新たな挑戦を続ける。 5．小林健太　元ジャーナリスト【役割】現地調査【背景】若くしてジャーナリストとして成功していたが、取材対象に対する失礼な行動が原因で、業界から追放された。しかし、その取材力と情報収集能力は健在だ。【特技】観察力とコミュニケーション能力で、現場にしかない情報を集めてくる。【内面】過去の過ちを悔い改め、新たな道を模索中。常に前向きであり、失敗を恐れずに挑戦する精神を持つ。 6．高橋奈々　刑事【役割】潜入捜査【背景】多くの犯罪組織に潜入し、情報を引き出すことに成功してきた。しかし、ある潜入捜査での失敗により、仲間を失った過去があり、そのトラウマを抱えている。【特技】対人スキルと演技力で、どんな捜査対象の心も開かせる。【内面】冷静沈着でありながらも、内心では仲間を失ったことへの自責の念を抱えている。 7．鈴木翔太　ジャーナリスト【役割】失敗係の存在を暴こうとする宿敵【背景】かつては岸宣太郎の友人だったが、警察の活動に疑問を抱き、独自に調査を進めるジャーナリストとなる。彼は、警察の秘密のチームが市民の自由を侵害していると確信し、その存在を暴くために活動する。【特技】調査力と洞察力、ネットワークを駆使して、失敗係の秘密を暴こうとする。【内面】正義感が強く、市民の権利を守ることを信念としている。しかし、そのために手段を選ばないこともある。・各エピソードの構成【１】数えきれないほどの不審者情報の中から、本当に重大事件に繋がる人物を探し出す、前代未聞の捜査が始まる。【２】捜査対象の半生が明らかになるにつれて、メンバーの過去と複雑に絡み合っていく。【３】奈々が将来の犯罪者と目された人物と接触し、その緊迫したやり取りを、本部でメンバー全員が聴いている。【４】その人に犯行を思い止まらせる方法や、孤立から救う方法を、みんなで考える。【５】毎回、異なった展開になる。・主なテーマ【現代人の自己愛的傾向】完璧主義で過去の失敗を消化しきれずにいることが、人生に与える影響を、刑事と捜査対象の両側で描く。【犯罪抑止は可能なのか】犯罪を未然に防いで、平和が守られるというシナリオは、あり得るのだろうか。【倫理的ジレンマ】まだ犯罪を犯していない人を監視することの倫理的な問題や、彼らの人権を尊重しながらの活動の難しさを描く。
8月13日
原案『おとぎの国のＦＰ』
原案『おとぎの国のＦＰ』【コンセプト】ファイナンシャルプランナーが、絵本の世界に迷い込む。【キャラクター】ファイナンシャルプランナー名前：佐藤美奈子性格：おせっかいで親切心が強いが、時にそのアドバイスが過剰になることも。常にExcelシートと計算機を持ち歩く。背景：子育て中の働く母で、2人の子供がいる。彼女自身の経験から、効率的な資産運用と時間管理が重要だと考えている。おとぎ話の登場人物たちシンデレラジャックラプンツェル【ストーリー例】 1. 棚からぼたもちを期待しないシンデレラが美奈子に相談します。シンデレラ「私はいつか幸せになると信じているけど、どうやって計画を立てたらいいのか分からないの」美奈子はシンデレラの収支を計算することにしました。美奈子「まず、今の家計を見直してみましょう。現在の収入はゼロだけど、家事や裁縫のスキルを活かせば、月に10ゴールドは稼げるわね」シンデレラ「でも、贅沢な舞踏会のドレスを買うお金はどうやって貯めるの？」美奈子「計画的な貯蓄が重要よ。毎月の生活費を節約し、5ゴールドずつ貯金すれば、1年で60ゴールドになるわ。さらに、裁縫スキルを磨いて高価なドレスを自分で作ることもできる」シンデレラ「それなら、王子に頼らずに自分の力で舞踏会に参加できるわね！」美奈子「そうよ。そして、将来のためにビジネスを始めることも考えましょう。自分の裁縫店を開けば、安定した収入を得られるわ」シンデレラは自分の裁縫店を開き、成功を収めていましたが、王子の側近が「王子がシンデレラに再び会いたいと言っている」と伝えてきます。シンデレラは王子との関係に依存するリスクを避けたいと考えますが、側近は「王子の求婚を受け入れなければ、店を閉鎖させる」と脅してきます。シンデレラ「どうしよう、王子に頼らずに自分で成功したいのに……」美奈子「ここが踏ん張りどころよ。計画的に行動し、法律の助けを借りて店を守る方法を考えましょう」 2. 一攫千金を狙わないジャックが美奈子に相談します。ジャック「母さんが巨人の財宝を手に入れようって言うんだ。でも、それが本当にいいのか分からない」美奈子「ジャック、まずは現実的な計画を立てることが大切よ。一攫千金はリスクが大きいわ」美奈子「今の収入と支出を見てみましょう。現在の収入は月に5ゴールド。生活費は月に3ゴールドね。残りの2ゴールドを貯蓄に回せば、1年で24ゴールド貯まるわ」ジャック「それじゃあ、巨人の財宝を狙う必要はないんだね？」美奈子「その通り。さらに、持続可能な農業に投資すれば、収入が安定して増えるわ。例えば、新しい農業技術を導入すれば、収入が10ゴールドに増えるかもしれない」ジャック「それなら、リスクを取らずに安定した生活を築けるね？」ジャックの農場が順調に成長している中、巨人の兄弟が現れて「弟の財宝を奪った罪を償え」と迫ってきます。ジャックは巨人と対立するリスクを避けるため、交渉の場に美奈子を連れて行きます。巨人の兄弟「弟の財宝を返さなければ、お前の農場を破壊する！」ジャック「何とかして農場を守りたい……」美奈子「ここは冷静に交渉し、巨人にも利益がある取引を提案しましょう。農場の一部を共有し、収益を分け合うことで、双方にメリットがあることを示しましょう」 3. 玉の輿を目指さないラプンツェルが美奈子に相談します。ラプンツェル「塔から出た後、王子と結婚することが一番の幸せだと思っていたけど、自分の力で生きる方法を知りたい」美奈子「ラプンツェル、経済的自立が大切よ。まずは自分のスキルを活かして収入を得る方法を考えましょう」美奈子「現在の収入はゼロだけど、髪を使った美容製品を開発すれば、月に20ゴールドの収入が見込めるわ。生活費は月に10ゴールドだから、毎月10ゴールドを貯蓄できるわね」ラプンツェル「それなら、自分のビジネスを始められるわね！」美奈子「その通り。そして、ビジネスを拡大するための投資も考えましょう。例えば、広告や新製品の開発に10ゴールドを投資すれば、収入が倍増するかもしれない」ラプンツェル「自分の力で成功する道を見つけたわ」ラプンツェルの美容製品が大ヒットし、ビジネスが成功している中、元の塔に住んでいた魔女が「ラプンツェルの成功は私のおかげだ」と主張し、ビジネスの権利を奪おうと訴えてきます。ラプンツェルは裁判所で魔女と対決しなければなりません。魔女「お前の成功は全て私の魔法のおかげだ。ビジネスの利益は私のものだ！」ラプンツェル「自分の力で成功したのに……どうすればいいの？」美奈子「ここは法的な知識を活用して、自分の権利を守るための証拠を集めましょう。そして、魔女に対して法的な反論を準備するのよ」【ユーモアの要素】美奈子のアドバイスがどれだけ現実的か、またそれを受け入れる登場人物たちのリアクションを面白おかしく描写する。【対比と誇張】現代のファイナンシャルプランニングとお伽話の非現実的な要素を対比させることで、コメディの効果を高める。【教育的な側面】子供たちにも理解できるような簡単な資産運用の基本を盛り込みつつ、物語の進行を助ける。【テーマ】「伝統的なおとぎ話の価値が損なわれても良いのか」（意見）おとぎ話は古くから語り継がれてきたもので、そのままの形で残すことに意味がある。ストーリーを書き換えることで、伝統的な価値や教訓が失われてしまうかもしれない。（応答）おとぎ話は時代とともに変化してきました。現代の社会に合わせて新しい視点や価値観を取り入れることで、より多くの人に親しまれ、理解されるようになります。元のストーリーのエッセンスを尊重しながら、新しい要素を加えることで、伝統と現代のバランスを取ることができます。「オリジナルの作者へのリスペクトが欠けているのではないか」（意見）おとぎ話の作者や伝承者へのリスペクトが欠けている。オリジナルの作品をそのまま尊重すべきで、変更を加えるべきではない。（応答）多くのおとぎ話は特定の作者がいない口承文学から発展してきたものです。さまざまな文化や時代の影響を受けて変化してきたことを考えると、現代においても適応や変更を加えることは自然なプロセスです。また、オリジナルの作品を尊重しつつ、新しいアレンジを加えることで、物語の魅力をさらに引き出すことができます。「子どもたちに誤解を与える可能性があるのではないか」（意見）書き換えられたおとぎ話が子どもたちに誤ったメッセージを伝える可能性がある。伝統的な教訓やモラルが失われる恐れがある。（応答）書き換えたおとぎ話には、新しい教訓や価値観を含めることができます。現代の社会において重要なメッセージを伝えることで、子どもたちにとって有益な教育的価値を持つことができます。また、ストーリーの変化に伴って、親や教育者が補足説明を加えることで、誤解を防ぐことができます。「元の物語のファンが離れてしまうのではないか」（意見）元の物語のファンが変更に対して反感を持ち、作品から離れてしまう可能性がある。（応答）すべてのファンを満足させることは難しいかもしれませんが、新しいアレンジが元の物語に新しいファンを引きつける可能性もあります。元の物語が好きな人にとっても、新しい視点や展開が新鮮な驚きとなることがあります。また、オリジナルの物語と並行して新しいバージョンを楽しむことができるようにすることで、ファン層を広げることができます。
1月25日
「物語のプロンプト」
①◯◯とは物語的に水と油の関係になる人や物を１０個、考えて下さい。 ②◯◯の物語的な役割とは矛盾する行動を１０個、考えて下さい。 ③◯◯の周りで起こる物語的な逆転を１０個、考えて下さい。 ④物語の◯◯が意外な一面を見せる環境を１０個、考えて下さい。 ⑤◯◯の能力や道具の物語らしい悪用を１０個、考えて下さい。 ⑥物語の◯◯の理想から逸脱した状態を１０個、考えて下さい。 ⑦物語の◯◯に付きまとう宿命や弱点を１０個、考えて下さい。 ⑧物語の◯◯についての賛否両論を１０個、考えて下さい。
1月24日
「面白さの研究」（２０２１年）
物語は、主人公を苦しめることから始まる。 ①結びつかないものを一緒にしている『ロミオとジュリエット』・宗教紛争・親ガチャ・統合失調症 ②矛盾している『オセロ』・過労死・家庭内暴力・発達障害 ③逆転している『じゃじゃ馬ならし』・格差社会・ヤングケアラー・双極性障害 ④環境が変わっている『夏の夜の夢』・地球温暖化・８０５０問題・適応障害 ⑤使い方を間違えている『ヴェニスの商人』・日本国憲法・ネットの誹謗中傷・依存症 ⑥本来の姿ではなくなっている『リア王』・高齢化社会・過疎・うつ病 ⑦執着している『マクベス』・冤罪・ストーカー・強迫性障害 ⑧極端になっている『ハムレット』・差別・いじめ・パーソナリティ障害