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『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』あとがき

✴︎こちら、単行本に載せるはずだった、あとがきです。ページの都合で残念ながら収録できませんでした! 『早番にまわしとけ』は2022年7月29日発売です。

 ずっと本屋で働いてきました。
 学生時代、三軒茶屋のいまはなき書店で、「毎日いりびたっているのなら働けば?」とスカウト(?)されて以来、たくさんの本屋でアルバイトをしてきました。
 別の仕事をしてみるものの、また本屋で働いてしまう。作中にある「書店ジプシー」とはまさに自分です。お前はこれまでなにをしてきたのかと問われたら、本屋で働いてきた、と答えます。本屋で働いたことと小説を書くことが、飽きっぽい自分が長くできた・できることです。それ以外はてんでだめでした。
 おかげで、『遅番にやらせとけ』と、この『早番にまわしとけ』の二冊をだすことができました。
 これまで働いた書店の店長、スタッフの皆さん、ありがとうございました。わがままでいい加減なアルバイトで、たいへんご迷惑をおかけしました。もし小説を楽しんでいただけたなら、ご恩返しとなるのではないか、と勝手に願っています。
 仕事のレクチャー以上に、みなさんの、本に対する愛情、働く姿勢にたくさんのことを学びました。
 本屋を舞台にした二作を書いたことで、自分のなかで、ひとつ区切りがついた、と感じています。
 そして、もし叶うなら、もう一作書きたいです。三部作って憧れなので!

 デビュー作からずっと担当してくださっている、富士見L文庫の担当さんには、今回も大変お世話になりました。次はなにをしでかしてやりましょう。楽しみです。
 表紙イラストは『遅番』に引き続き、山本さほさんが描いてくださいました。憧れのかたに表紙を描いていただけるなんて、なんて贅沢なことでしょう。大切にします。
『遅番』発売当時、表紙にいる庄野さんというキャラクターを見て、「お前そっくりだぞ。まさか山本さんに似顔絵を描いてもらったのか?」と周囲がざわついていました(違います!)。僕を知っている人々よ、今回はどうでしょう?  
 この作品を書いているあいだ、ずっと楽しかったです。
 
 また、必ずお会いしましょう。
 
   2022年 春
 

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