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山羊女 をよんでの感想 ㊟ネタバレあり

 今回はかなり細かく感想を述べるので、一度も読んでいない人は読まないでください。レビューにはネタバレ書けないからあんな感じになってしまったのだよ。(毎度、自分なりに客をひけるように書いているつもりですが、作者さんの気に障らないかいつもびくびくです(汗)今回はtwitterをのぞいてみたら好意的な反応だったので一安心)

 しかし、作者さんには申し訳ないが、大量に増えたPVはたぶん全部僕。感想書くために細かく見る必要があったり、情報を確認したりするのに必要なんだ。すまない。僕がレビューしたくらいで人がいっぱいいったりしないんだ。本当にすまない。こうやって地道に布教するからゆるしてほしい。これが今回紹介する小説のリンクだ。

山羊女
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882454503


 実はこれ、第二回webコンで一次通過できていない。しかし、SF通過作を読んでいたらなぜか見つけた。これも山羊女のせいである。
 話の簡単な概要から始めるべきかと思ったけれど、山羊女はあらすじがかなりよくできているのでそれを読めばいいだろう。ただあらすじの量自体がけっこうあるので、第一章のあらすじを読んでから第一章を読む、第二章のあらすじを読んでから……というのが一番かもしれない。(一応小説内の説明はしっかりあるのでいきなり読み始めても何も問題ない)100話以上あるので面くらうだろうが、読んだ人ならそんなに大変ではないことに気付いてもらえるだろう。プロローグと第一章「部屋」では文章から受ける印象がけっこう違うのでそこも気を付けてほしい。

そしてキャッチコピー(2017・03・03現在)

『世界を解く鍵を知るおじさん、空を飛ぶ若者、文字を教える少年、山羊女』

 まったくもって意味がわからない。すばらしい!!こういうキャッチのやつは内容が地雷なこともあるがこの作品についてはだいたいその通りなので問題ない。




  
 さてもう読んだ人しかいないはずだ。そろそろ感想を書き始めようと思う。まずプロローグ、かなり説明口調だが、セルロースに着目した点が良い。セルロースからの山羊女という自然な命名、そして山羊女というあやしげな存在に儀式(セックス)を行わせる自然な流れはかなりよくできている。あまりによくできてたから何かモチーフがあるのかと思って山羊女でググってしまった。……恐怖画像しか出てこなかったよ。とくにモチーフとかないようでグロイ画像ばかり出てきた。山羊女やべぇよ。完全に山羊女にたいする恐怖が刻まれた。あたまにちらつくんだ山羊女が。これも科学者たちのもくろみ通りだというのか。
 最初に読んだときは勘違いしていたが山羊女は別に不死身なわけではない。ふつうに世代交代しているようだ。読み落としていたようでめっちゃ長生きしてんな、山羊女やべぇよ、と思っていた。レビューに迂闊なことを書かなくてよかった。ちゃんと読んでないのばれるところだったぜ(汗)

第一章 おじさん
部屋

 部屋の内装は埃、本、無造作に、……完璧だな。きわめつけは理解したかどうか気にせず説明し続けるおじさん。説明の内容がプロローグでいったことの焼き直しなのもポイントが高い。世界の末期っぷりを読者に形を変えて説明してくれるのは作者がきちんと意識して書いているからだろう。ついでに説明の仕方の違いからおじさんの性格を伝える手法はうまいなと思う。少年とおじさんの関係性もとても良い。

葬列 
 
 文明が崩壊すると荒々しくなってしまうのは男の性……ねむい。眠いのでねる。近況ノートの文章も保存できるようにしてほしい。(要望はさっき送った)そういう要望がでないということは誰もこの機能をまともにつかっていないんじゃ……。感想の続きは編集機能でここに書き足していく。つぎに書き足すのがいつになるかはわからない。いや、よく考えたら応援コメントに書けばいい気もしてきた。近況ノートに書く必要が……ない?


 両方に書けばいいや(錯乱)

2017.03.03追加

続き。どうやらこの男たちが行う闘技会も儀式の一部みたいですね。

ガキ

 少年の特異性が初めて明らかになった。いままでは特別な感じをにおわせる程度であったが、ここにきて初めて同年代の子供が登場。その描写は少年とかなり異なる。比較してみると少年がかなり読者に近い立ち位置にいることがわかる。「葬列」に引き続き、子供たちも野蛮(こういう表現が適切かは微妙だが)なところがあり、ふつう(読者からみた)の感性とはことなっているのは科学者により作り上げられた世界であるためだろう。おじさんが周囲の人間と距離を取りたがっているのもうなずける。おじさんは闘技会についてもよく思っていなそうだ。ここで僕はあることに気付いた。闘技会が儀式の一部ならば、おじさんは科学者たちが作りあげたシステム(意味すら忘れても山羊女の子孫を残せるようにすることを目的とした儀式)から逃れるすべを持っているということになる。観測するために残った科学者の末裔なのだろうか?闘技会に対する直接的な発言をおじさんがしたわけではないので正しいとははっきりといえない。もしかしたら感情的に党議会について忌避感はあっても口に出すことはできないという可能性もある。科学者がシステムを維持するためにそういう何かを仕込んでいるとすれば闘技会についての発言がないのも納得がいく。 
 
赤い堀

 堀が赤い理由がさっぱりわからない。おそらく重要なのは”赤い堀”ではなく、”赤”のほうなのだろう。 今話では色という側面から世界を見ている。多くのものが灰色だ。しかし、闘技大会のときだけ赤が見れる。男たちが流す血だ。代り映えのしない日常というのはとても退屈なもの。灰色の日常から一転して華やかな闘技大会ということだろうか?
 闘技大会の目的が山羊女の夜伽相手を選ぶことだという事実が発覚した。そして闘技大会で戦う男たちの普段の様子もえがかれる。彼らが山羊女と一発やるために戦っているのかは定かではない。(すくなくとも居住区の連中は一発やりたいと思っているようだが)彼らの普段の仕事(衛兵)はあまり楽しそうなものではない。自分から進んで戦いにいくのも仕方がないような気もする。(荒々しい戦闘狂たちだと思っていて申し訳ないぜ)
 そういえば目次に「炎」がどうとか書いてあった気がする。もしかして堀が赤いのにかかわっているのか?
 まあ、一番大事なのはまず望遠鏡を入手することだろう。ストーリー中に少年が望遠鏡を手に入れられるかどうかにも注目してみていきたい。(笑)


 感想を書く都合上読み直していたが面倒臭くなってきたな。いや、読むのはそんなに苦じゃないんだ。感想を書くのに100話越えは多い。はやく二章読みたい。


廃墟

 これは小説の内容とはまったく関係のない私事だが、ちょろっと荒廃した世界で過去の建造物を探索する話を書いてみたときに、この言葉がまったく思い浮かばなくて描写に苦労した。そこは廃墟であるの一言でイメージが思い浮かぶので、便利だ。紛争地域について調べてみたりすると描写の参考になる気がする。

 さて、関係のない話は終わりにして感想に入る。おじさんと少年はだいぶ近い存在なのに、それでも少年からするとおじさんの行動には理解できない点が多いようだ。少年は理解できないけどとりあえずおじさんに言われた通りにやる。これも科学者たちのやりくちに近い気がしてきた。科学者末裔説が僕の中でかなり確信を得てきた気がする。
 そして廃墟はなぜできたんだろうか?廃墟があるということは住んでいた人がいたわけだ。居住区の一角が炎上でもしたのか?それとも科学者がもとはそこに住んでいたのか?(科学者たちが住んでいた跡地ならば廃墟に道具が埋まっていても何もおかしくない)

 そしてやばそうな文章を発見

 『地上の世界には人間以外の生き物がいたとおじさんは言っていた。人間より小さな生き物も、大きな生き物も、空を飛ぶ生き物や水の中を泳ぐ生き物もいた、そうおじさんは言う。今は、どれもいない。地上から人類が滅亡したのとほとんど同じタイミングで生き物たちも姿を消した。人間が食べ尽くしたからだと、おじさんは言った。でも、それならどうして人間は人間を食べなかったのか、人間だけがこの居住区に生き残ったのはなぜなのか、少年にはそれが不思議だった。』 

 これは下手すると地上人類共食い絶滅エンド確定か?地上にでるまでは確定とはいえないが、これは最後やばそうだな。もし地下だけしか生き残っていないなら科学者たち有能すぎだよな。ただ科学者たちの作り上げた儀式システムによって共食いが起きてないんだとしたら山羊女が子供を残さず死ぬと(山羊女を中心としている儀式システムが成り立たなくなるので)共食いが起きて地下がやばいことに……。

本棚

 とてもワクワクがつのる回。レンズを磨くおじさんがかっこよく描かれているの好き。廃墟での行動といい、おじさんには何か大きな目的がありそう。(まさか、性能のよい望遠鏡で覗きたいわけじゃないよな)工具を手に入れた場所は不明となっているが、廃墟で見つけたんだろうか?少年と出会う前に廃墟で見つけたのか、もしくはまったく別の場所から手に入れたのか疑問はつきない。
 そして少年が本を読む。灰色の世界に生きる彼が読む本には色鮮やかなものもあるという。いったいどんな気持ちで読んでいるんだろうか。少年の行動がおじさんの模倣にすぎないということはないな。自発的に読書を楽しんでいるように思える。楽しそうに本を読む少年を思い浮かべるとこっちまでうれしい気持ちになってくるのはなぜだろうか。

文字

 おじさんが少年に対してどう感じていたのかがわかる回。ほかの人間よりは近い関係、しかし、それほど期待はしていないといったところか。そこから本を読むことができるという一点により、おじさんの少年に対する認識はいっきにかわる。残念ながら対等な関係というわけではない。おじさんにとって、少年はどうしようもない現状を変えられる可能性がある希望なのだろう。
 ついにおじさんの目的が判明する。本を探しているらしい。そして少年を図書館に連れていくことに……。君は文字がよめるフレン……。
 ここにきて物語がうごき始めた感じがする。いままではぶっちゃけ何も進んでいない。少年がどんなふうに日常生活をおくっているかの説明をとおしてどんな世界であるかをせつめいすることに終始していた。急にせまるおじさんのテンションのあがりっぷりも、お、これから何かはじまりそうだな、という気持ちにさせてくれる。
 不明な点も多い。少年のまえにいた文字を教えられていた人はどうなったのか?おじさんはなぜフードをかぶっていたのか?前者については語られない可能性が高いだろうが、文字がどれくらいの重要性をもっているのかによってのちのち推測できるようになると考えられる。後者はやつが頭によぎる。山羊女から顔を隠すのが目的な気がする。見染められるのを防ぐ的な意味があるんじゃないかと。図書館に向かう途中で山羊女が登場するのか?いまのところ山羊女の情報は小出しにでてくるものの、直接的な描写はされていない。(居住区の連中の態度からして美人なのか❓)



 マントがすごいのはなぜなのか。そのマントじゃないとだめなのかもしれない。ただおじさんの靴に対する発言からして、手に入れた場所についてはのちのち明らかになりそう。そしてついに鍵をつかう。もしかしたら思っていた以上にファンタジーな話になっていくんだろうか?

 ふだんは入れない扉っていいよね。

階段

 ふつうにスイッチをつかって照明をつけるという衝撃。なんとなくランタンを使っていると思っていただけにびびる。厳重そうなので過去の実験施設なのだろうか?
 おじさんにもらったマントは少年が見られないようにするためのものだと思っていたがその音を消す効果は自分の気配を消すためではなく、”声”が聞こえないようにするためのものだったようだ。侵入者をふせぐための”声”なのだろうか?

 一番驚きなのはおじさんにちゃんと説明しようとする気が在ったことである。

柔らかい床

 移動しているだけのシーンだが少年が普段見ているものと対比することでその場所の異常性を描写している。注目すべきはここだろう。

『先を歩くおじさんのマントは、この空間の中では違和感が無かった。むしろ馴染んで見える。』

 作ったのが同じ人という伏線に思える。予想では同じ時代に作られたものではないかと。いや、技術の系譜が同じでおじさんが作ったという線もありそうだ。

二番目の鍵

 純粋に急いでいるからか、そもそも楽器に興味がゼロなのか、おじさんの反応が意外であった。おじさんも少年と同じようになんにでも興味をもち、解説もしようとするタイプだと思っていた。
 そして二番目の鍵の正体は鍵ではなく、手だ。世界を解くという表現でかなりファンタジーに感じるが、指紋認証(指ではなく手だが)のようなものだろうか?科学者がかかわっていそうな施設だな(確信)

地下水道

 おじさんのマントに対する発言からして拾ったもの?とするともともと使っていたのは誰なのかという話になりますね。
 そして想像以上に便利な機能があるマント。一部使えないのが放置されていたせいらしいので、作られて時間がたっているということでしょうか?
 下水の流れる場所で自分の居場所になりそうだという少年、将来が心配である。































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