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灰色の自主企画たち

 先にこの近況ノートの枠を作っておいたのは、仮に私のプロフィールを見に来た方がいたとしても一つ上の『同題異話連絡用ノート』を見ていただけるように、こちらが最上段に来ないようにです。
 この近況ノートにはなぜ私が『同題異話』の企画が気に入っているのか書こうと思っています。しかし残念ながら、この近況ノートには少し“ネガティブな内容”も混ざるだろう、むしろそちらの方が大きく膨張するだろうと書く前から想定していました。自分のモヤモヤを文字にしたいだけなので、万が一ここまで読まれた方がおりましたら上記ご了承いただいた上で続きを読むかご判断ください。

 さて、『同題異話』の自主企画が変わらず“綺麗な”あるいは“魅力的な”自主企画であると感じるのに対して、どうもここしばらく並んでいる他の自主企画が“灰色に”見えるような気がしています。これは完全に個人の感覚で、何の根拠もありませんし個人の色眼鏡でしかありません。例えば自分の作品が何かの公募で大賞を受賞するとか、そういった意味で私の立場が変われば違うことを言うのかもしれません。
 少し前と最近と(と言ってもこのサイトでの時間の流れは一週間に一回の、しかも飛び飛びのことが多くなったので“少し前”の方かも?)、運営サイドに問い合わせて確認したことが2つあります。

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・読み合い企画はガイドラインに反していない?
→互いの作品を読み合うだけの企画は制限していません

・企画者が自身の作品を企画説明文の末尾に載せることは、特定への作品の誘導に当たらない?
→ガイドラインの文言で判断してください
 それ以外の説明が必要と判断したらガイドラインに追記するか全ユーザーに案内します

※回答は意訳
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 質問の意図を考えれば察してしまうと思いますが、私はどうもこの“読み合い企画”が嫌いであるようです。
 ある方がこれらの企画で評価(ここでは★や応援コメントの意)を集めた作品を“上げ底作品”と称していました。応援コメントの中身を覗いて見ると、「~の企画から参りました」といった内容ばかりであるとも。なるほどなるほど。
 私も自身の作品を“読んでもらえる自主企画”に時々参加させて、実際に読んでいただいている身です。自分は読まなくてもよい企画を選ぶことが殆どなので、上記の読み合い企画の参加者よりも質が悪いというかずるいというかですし、とやかく言える立場にないことは事実です。それを認めたうえで続けます。

 自身の作品を少しでも露出させたいから。もっとシンプルに、読んでほしいから。この欲求は今でも私が完全に切り離せないでいるものです。そして、筆を執り(ハードウェアキーボードでもソフトウェアキーボードでも)書き始めたばかりの頃は多くの方がこの欲求が強いのは知っています。読み合い企画の参加者はこの欲求に従っているのでしょう。恐らくこのサイトを含めたWeb小説投稿サイトの造り、SNSを含めたWebの複合的な要因がこの欲求を歪に支えてしまっている面もあるのでしょう。99点の作品でも目に留まらなければ評価を得られませんし、Web主軸のコンテストならば読者得票なるフェーズを突破できません。
 良いか悪いかというよりは仕方ないのかなと半ば諦めています。ただ、偉そうに趨勢を語るならば、私の感覚ではこの状況は良い自主企画の減少を生み出してしまいます。ランキング汚染などと言うと大事なのでその程度の表現に留めます。

「~読み合いましょう」「わたしの作品を読んでくれたらあなたの作品を読みます」「~の作品集まれ」「~の本棚」

 これらの自主企画と『同題異話』や『三題噺』の何が違うのか考えれば、新たに作品を書き起こす必要があること、参加者がある意味平等であることでしょうか。
(※フォロワーの多いユーザーは参加者以外からの評価も増えやすいでしょうけれど、そこはあまり気にしていません)
 反対に、嫌味な言い方をすればこれらの自主企画は“今ある作品を置くだけ”なのだと思います。熱量が生まれないというか、自身の苦労も、楽しんで書けるかたならその楽しみも無いというか。作者同士の交流を謳う企画なら何か発火することはあるのかもしれません。けれど、(こちらもある方がおっしゃっていたように)講評(批評)と褒めることしかしない読み合いは違います。傷のなめ合いなら、まだ傷が無いなら単なる褒め合いなら、作品・作者が本当の意味で磨かれることは少ないように思います。
 自主企画にカテゴリ分類を付けて、読み合い企画を求めていない方はそれ以外の自主企画を探せるようにできないかと要望を出したこともありましたが、叶う日は来ないのでしょう。読み合い企画を規制しないメリットが運営側にはあると考えているからです。私はプラットフォームを与えてもらい無料で使わさせてもらっている立場ですので、どうしても気に入らないならここを去るしかありません。本件と文脈は異なりますが、声を大にした方が規制もしくは退会の処置にあった、あるいは自ら去ったのを私は何度か見ています。

 というくらいで、モヤモヤは大体吐き出しました。
 私にできることというか、自分が勝手に感じている何かを好転させるためにやるべきことは、同題異話に類する自主企画を一つでも開いて務めることなのかもしれません。もしも私と同じようなモヤモヤを抱えてしまった方が自主企画のリストを眺めて灰色になってしまった時に、鮮やかな差し色が一行でも見つかるように。

2件のコメント

  • 自主企画を探そうとすると、仰る通り読みあい企画が多いですね。それ以外を探すのが大変なくらい。
    ただ、個人的に自分の書いた話を少しでも読んでほしい想いは同じなので、複雑です。
    「他の人はどんな物を書いているんだろう」と思った時に読んでみれば、こういう企画は本当にいろんなものがあるので、自分の普段読んでいる型から離れられるかもしれませんよ。長々と失礼しました。
  • コメントありがとうございます。「自分の書いた話を少しでも読んでほしい」は私も例外ではないので、理解できる部分はあります。あっていいものというか記載した通り切り離せないであろうものというか。ただ、「面白かったです」の一言をたくさん集めて、(※実際に確認したわけではありません)本来得られたかもしれない真の読者様の……と思いましたが、このような星でもハートでもあるだけあった方がその読者様が目に留めてくれる可能性が上がると考えるのなら真っ向から否定はできませんね。うーん。

    そうですね、インプットにしようと思えばもう少し柔らかい目で見られるかもしれません。型にはまってしまうのはおっしゃる通りです。その意味では同題異話七月号をきっかけにできたらと考えています。
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