先日、ある読み手の方に、私の物語を講評していただきました。このwebサイトを退会するという近況ノートを見かけて驚き、しかしあと一日あると思って何かもう一言お礼をと考えていたら、想定より一日早く退会されてしまい、もう一言をお伝えできませんでした。自己満足となってしまいますが、今一度ここでお礼を。ありがとうございました。間違いなく多くの方の物語に次への段階へ進むための足掛かりを作っていたと、そう思います。
一つ、自ら手を挙げ講評いただいたのにも関わらず、一言も、お礼でも感想でもいいのですが、反応を返さない書き手が若干目立ったのが気掛かりでした。読み手は希少で、読み手の使うエネルギーは相当なものです。自らの物語世界に触れてもらうということを、もう少しだけ丁寧に考えて、扱って欲しいと、そう思います。手作りでもいいのです、その物語にはきちんとした表紙が付いていますか。上手い下手ではないのです、その物語はあなたにとって特別ですか。
少し話題がそれるようですが、「退会する」ということについて。
残念ながら、このwebサイトの場合は退会と同時にその方に紐づく情報が消えてしまいます。残したコメントであれ近況ノートであれ。それはwebサイトの設計思想としては正しく、恐らく(しっかり目を通していませんが、)利用規約にもその旨が書かれているのでしょう。★の数だけが残っているような気がしますが、ここは少々繊細なところ。その方が自らの痕跡を残すまいと思っていても、その意思に関わらず残ってしまうケースかもしれないからです。★については完全に推測で、今は参照できないユーザが残したものであれ、一度は評価されたのだから作品を載せる側に有益なように、残しているのだと思います。検索エンジンが収集したwebサイトの記録を保持すること、その時点で閲覧できるwebサイトの状態を、個別のファイルとして保持しておくサービス。この場でデジタルタトゥーにまで言及することはしませんが、一般利用者の見えないところ、見えにくいところで行われることが全ての人の思想に完全に寄り添ったものかというと、そうではありません。このwebサイトの利用当初からを振り返ると、気掛かりな去り方をされた方が何人か記憶に残っていることは事実です。
さて、私はその読み手の方が「痕跡は残したくない」「現時点では追うな」と考えていたと判断しました。しかし、私は私個人の記憶媒体にその方の講評文章を複製して残してしました。そこまで気にされていないものと思います。しかしこれも私個人の推測であり、その方の意思に反したものかもしれないのです。
私がこのwebサイトを去る時のことはまだ考えていませんが、私の根底にある想いはずっと変わりません。