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第七十話公開しました、ほか

昨日、公開が遅くなりましたが、第七十話公開しました。
ご覧いただきありがとうございました。
未読の方は、お時間おありのときにご覧いただけますと嬉しいです(*^^*)


それはさておき。

正倉院展の時期ですね~。
今年の出陳の目玉、もちろん人それぞれでしょうが、やっぱり『楓蘇芳染螺鈿槽琵琶』と『平螺鈿背円鏡』が美しくも華やかな装飾で、目を惹くと評判ですね。

いや~眼福、がんぷく。

…郵送で取り寄せた図録ですが(´∀`*)ウフフ


そんな天平好きにもお届けしたい!

昨日(いや一昨日か)11/3(金)に行ってまいりました、
愛知県は岡崎市美術博物館 特別展
『至高の紫 典雅の紅 王朝の色に挑む』展。

いえまあ、全国規模の資料館とは違いますし、何でもかんでも行ったトコ書いてたらキリがないので、特にご紹介とかするつもりではなかったのですが。
思ったより自分にハマって、めちゃめちゃ充実して見てきたのでぜひご紹介したく!

こちらの特別展、主には『源氏物語』に出てくる色彩について、装束や料紙の染めの再現をテーマにした企画展なのですが、
マジでヤバい、スゴかった!

まず、再現色彩の大半が撮影可能!
しかも、再現に尽くされた染色工房「染司(そめのつかさ)よしおか」の吉岡常雄・幸雄両氏の回顧展という形にもなっているですが、その並々ならぬ情熱がスゴい!

『蛍の帖 騎射見物における女童の衣装』とかって、そんな人物、誰が覚えてんの??

あまりに細かい所を突かれるので、途中から、電子書籍の『源氏物語』を片手に開きつつ見てましたが、どうやらそんな感じのご同輩がちらほら笑

今回特に良いなと感心したのは、二藍(ふたあい)についての再現でした。

二藍というのは、あか色の紅花と、あお色の藍をあわせて青系統の色を広くカバーした色です。
装束に用いる場合は、年齢により着用のお約束があります。
若いほどあかが強く、年齢を経ると薄いあお、というのが通例で、
再現者でいらっしゃる染司よしおかさんでは、25色を規定し再現しているとのこと。

この二藍で有名な所では、源氏が、息子の夕霧が、宴に参加するにあたって、少し大人っぽい装いにしなさい、と、自分の装束からちょっと渋めの二藍を与えたるくだりなんかがありますね。

展示では、鈴虫の帖で、源氏ほか月の宴を楽しむ面々が、冷泉院のお召により参上する場面での装束の色彩。それぞれが身に着ける二藍を年齢によって、

◯藍の強い源氏・蛍兵部卿宮
◯藍が強いがやや明るみを帯びた冷泉院
◯藍と紅花が同じ位、濃い紫の夕霧
◯紅が強い、落ち着いた紫の左衛門督
◯紅が強い、薄い紫の藤宰相

と、異なる色で示されていました。
こんなんが全部二藍なんかぁ、と目にしてみると途端にイメージが広がって、ウロコがポロポロ落ちました。


他にへー、だったのが、
朝顔の帖にて、「鈍色の御簾」の「黒き几帳」。
御簾の縁布は通常は、木瓜の柄などがよくあるのだと思いますが、ここではグレーの無地。
現代でも仏事などで見るのかもしれませんが、私には真新しかったです。
さらにそれに合わせて黒い几帳。一面の黒に灰色の野筋(間に垂れる幅広の紐)が合わせられていました。

喪が開けると、「色替え」「色が戻る」などと表現がなされますが、確かにこれが生活の中にあると思うとかなり重苦しい。
ここから日常の色彩に戻るというのは、確かに感慨があるだろうな、と感じられました。


源氏物語の再現については、本当に見どころがたくさんだったのですが、それとは別に、天平期の技法再現がありまして、こちらが予想してなかったのですが、とてもよかったです。

国宝「鹿草木夾纈屏風」や「四騎獅子狩文錦」「羊木臈纈屏風」の復元がありまして、いわゆる三纈(さんけち)と呼ばれる染め技法、蝋纈(ろうけち)、夾纈(きょうけち)、纐纈(こうけち)が詳細に紹介されていたでとても勉強になりました。

特に、現在では見ない夾纈についてはよく知らなかったので、感心と、これは衰退する筈だな、とその作業の難しさに納得もしました。
特に、私は「四騎獅子狩文錦」がミニチュアのレプリカを持っているくらいに好きなのですが、今回の再現色では地の赤色が明るい!
これまでは臙脂っぽい色だったので意外だったのですが、染色の立場からの合理的な説明がなされていました。
今後はこれが定説になっていくのかも、という驚きとワクワク感でめちゃめちゃテンションあがりました。


来年の大河ドラマに合わせた意図もあった展示とは思っていたのですが、意外や、開催中の正倉院展に合わせた部分もあり、満足感の高いものだったので、地方の資料館ではありますが、ぜひともご紹介したかったのでした。
といっても、開催期間が11/5(日)までなのですが(^-^;


ところで、今回は友人らと車で出かけたのですが、友人たちは今年の大河目的なのに対して、私が思いの外、資料館に釘付けになったので、岡崎城・大河の展示館組と別行動にしてもらったのですが、そのために、八丁味噌ソフトクリームが食べられなかったのは痛恨でした( ノД`)シクシク…
まあ、中部地方住みなので、行こうと思えばいつでも行けるのですが笑

そして、夜は岡崎おうはんいただいて、下戸の私が帰宅ドライバーとなってご機嫌で帰宅した後。
気づいたことがありました。
恐ろしい事実に……。

金曜日の更新、予約にするの忘れてないか? と……( º言º; )"
泡食ってアップしました(-_-;)
なんとか金曜日中に更新はできたものの、自分の中ではお休み報告している時以外は㈫㈮では更新しよう、と自分事ではあるのですが課してたので、相変わらずのポンコツに、さすがに反省しました。
自分の勝手な枷ではあるのですが、見てくださる方で、あれ? と思われた方がもしいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした(^-^;


いつも、拙作をご覧いただきましてありがとうございます。
またご覧いただけますと嬉しいです。
ここまで長々とお読みいただきありがとうございました!

2件のコメント

  • 正倉院などの宝物は実物も美しいのですが、名前がすてきだなといつも感じます
    来年の大河は平安朝でしたね!カワセミ様の作品読んで平安朝にますます興味が増えました

  • @rnaribose様
    興味への一端になることができたのならめちゃめちゃ光栄です(*‘ω‘ *)
    名前が美しいの、わかります!美しいものを明示するから、自然と美しい言葉になるのかもしれませんね。
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