すいみん' / ぬりや是々さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093084441715812/episodes/16818093084442330794女子高生という年頃には、弾ける生命力と透き通るような美しさがある。
さらにこの物語の彼女は、人魚であるがゆえに陸では儚さと妖しさを匂わせ、かたや水の中では人間など及ばない生命体になる。
水を介して描かれる”世界の透明感”は保ちつつも、粘度を感じさせるのは作者の十八番かと。
二人の精神的な世界とリンクして秀逸な一作だと思います。
丸山薫の『詩人の言葉』を思い出しました。
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他作品も読ませていただいていて、とはいえ全部読んでいるわけではない中での比較で申し訳ないですが、読んだ中では一番バランスが良いと思います。
人魚共学という設定も面白いし、二人の共通点と相違の対比、何より人魚が可愛らしい。
中高生であっても、少女と女のはざまのなんとも言えないあやうげな色気というのがあります。
意図的かはわかりませんが、その辺りを書くのがいつもうまいなと思います。