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企画「私をキュンとさせて下さい。」感想文 その1

(作品の並び順は、参加順です)

(1)「窓際の俺が小説を書く」 mayu 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054884456360

連載中 4話  23,302文字 4話まで読了。

高校の小説部のお話。文化部特有のアットホームなユルユルした雰囲気が楽しいお話でした。私も中学校のころ、文芸部だったので、懐かしいなーと思いながら読ませて頂きました。

キャラの口調に特徴を持たせることで、キャラの書き分けが上手く出来ていると思います。ただ、会話だけでも、誰が喋っているのかはわかりますが、もう少し地の文で補足があるともっと読みやすくなるかなと思います。

キャラの配置を見た感じ、どちらかと言うと男性向けの作品なのかなと思いますので、だとしたら、ヒロイン美月のアピールポイントがもう少しあったらいいかなーと思います。(主人公が恋に落ちる前提で、惚れポイントを早めに提示して欲しい)

それから、ファーストフード店での、ヤガ先輩の大人的対応には、きゅんと来ました。かっこいいよヤガ先輩、かっこいい。小説部の守護神か、頼りになる兄貴かって感じで。少女マンガなら、ここから恋が始まる奴ですよ……うん、思い切り女子目線ですねスミマセン(笑)

気になった所としては、冒頭の転勤の話で、川越→朝霞なら、お父さん、普通に通勤出来る範囲なんじゃない?と。あえて私立に行った理由は、転勤のせいではなく、もの凄く頭が良かったから、とかの方が「過去の栄光」感が出る様な気がしました。

あとヒロインの名前。美月で「みずき」とルビがありましたが、正確には「みづき」じゃないかなと思います。



(2)「月が綺麗ですね。」 星成和貴 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054881742773

完結済 1話  1,147文字

ああ、これはズルい(笑)
舞台設定だけでロマンティックですもの。

好きだけど、告白する勇気がなくて、苦し紛れに出たのが、「月が綺麗ですね」という、知っている人にしか分からない暗号めいた告白で……
細やかな心情描写が心地よい作品でした。

で、
握られた手をそっと握り返す――
くーっ。きゅん頂きました(笑)

さりげない仕草の中に、お互い言葉にはしていなくても、想いが通じ合う感じが素敵でした。欲を言えば、スパイス的に少しロマンチックな情景描写を入れてもらえると、読み手としては想像力がより増幅されるかなと思いました。



(3)「私を小説家に連れてって (私小連 : ししょうれん) ―― 十八日間のラブストーリー ――」 大木 奈夢 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054883265381

完結済 19話  131,361文字 3話まで読了。

小説家とその弟子のやり取りで、小説の書き方を説明していくというという設定は面白く、業界裏話的な話にも興味をそそられます。文章も読みやすく、……というか、かなり上手いです。序盤を読んだだけですが、お仕事小説としては、間違いなく面白い作品だと思いました。ただ、恋愛小説として読むと、恋愛部分が薄味かなぁ…という感じでした。

彼女自身が先生を追い詰めて笑いを取るトリックスターになっている辺り、ラブコメとしては良くできているし、面白いと思います。ドタバタやっているうちに、先生は慣らされていくんだろうなーと。生暖かく見守る楽しさがある。でも、恋愛モノかと言われると……うーん。と。

男性目線だと、ふわふわして世間知らずな辺りがかわいい、ほっとけないとなるのかなと思いますが、女性目線だと、四大出てこんな感じじゃ就職出来ないのも納得だよなーと、思わされてしまって、何となく彼女に感情移入出来ないというか。女性は同性に厳しいのです(笑)その辺りは、どの読者層を想定しているかで違ってくるものだと思いますから、どちらが正解というのはないと思いますし、私が女性代表という訳でもないので、私個人の意見として参考程度に聞き流して下されば幸いです。

個人的な要望といては、恋愛モノなら、彼女が、先生にそうとは言わないけど、実は好意を持っているなーんて感じを言動の端々に感じさせてくれると嬉しい。先生側も序盤から恋に無自覚ながらも、彼女のさりげない仕草に、どきどきしたり、ぐっときたりなんて描写があると、私的には、きゅんと来ます(笑)

ひとつだけ気になった部分としては、就職にあぶれたけど、田舎に帰りたくないので、小説家の弟子になる。というのは、だいぶ無理があるんじゃないかなという辺り。それで親を説得するというのは、かなり難しいような気がしますけど、どうなんでしょう。成る程、それは押し掛けちゃうよね、というもう少しすんなり納得出来る理由が欲しいかなと思いました。



(4)有原ハリアー短編その1 「たまには、イチャイチャデートも良いか。」
                           有原ハリアー 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054884288610

完結済 7話  10,301文字

最初から最後まで、ニヤニヤしっぱなしで、ごちそうさまでした。人前で読んだら危険な作品認定させて頂きます(笑)ったく、このリア充はっ(苦笑)お姫様とお台場デートとかっ。うらやまし過ぎなんだがっ。しかもヴァイス、スタイル良すぎだろっ(くそー男子はこういう女の子がいいんですか、そうですか…笑)

いたいけな青少年を全力でうらやましがらせ、身悶えさせる破壊力のある作品でした。これが高二男子の妄想力かよ、凄っ。っていうのが、率直な感想です。(よもや、実体験ではありますまいね?)楽しませて頂きました。



(5)「私はコメ子」 如月芳美 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054882504006

完結済 1話  800文字

この短さで、朝ドラヒロインのような波乱万丈な米生を書ききり、最後のオチでニヤリとさせに来るとか、うーん流石です。

次にお寿司食べる時に、絶対思い出して笑っちゃいそうです。絵本にしたら楽しいかも、と考えて、いやいや、あなたに抱かれるシーンとか、お米なのに妙に艶めかしくて(笑)無理か、という結論に至りました。
 お米にきゅんとさせられる日が来るとはね~という感じです。参りました。しかも、読み返してみたら、この結末って、一緒でハッピーエンドといいつつ、あれっ?これ実は切ない幕切れ?みたいな気もしてきたり。不思議な余韻の残る作品でした。

で、辛口ご希望ということでしたので、文句のつけようがないところから、無理矢理難癖をつけるとしたら(苦笑)ということで。
お寿司小説コンテスト参加作品なので、寿司→コメという方向にアイデアが膨らんだのかなと思いますが、面白いけど読者を選ぶマニアックな作品ですよね。という感じでしょうか。私はこういうの好きですけどね。



(6)「クリスマスBL」 柳谷文芸堂 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054884119328

完結済 1話  575文字

あ~こういうの分かる分かる。付き合いたての頃の不安な感じ。嫌われたくなくて、お互い無理していい部分だけを見せているから、ケンカもしないし。男女の恋愛でもありますよね。

心情描写が細かく書き込まれていて、僕の不安とか繊細過ぎる内面とかが痛いぐらいに伝わってきます。読みながら、そんなに心配しなくても大丈夫だよと思わず言ってあげたくなる気持ちになりました。

欲を言えば、もう少し続きが読みたいかなという気分です。で、彼と色々あった先に、最終的に僕を安心させてくれるシーンなんかが来たら、私的にキュンになりますが(笑)あと、タイトルなんですが、確かにBLには違いないですけど、あまりに直球すぎるタイトルなので、もう少しロマンチックなタイトルがいいなーと思います。



(7)「義理チョコを意地でも受け取らない男と意地でも渡す女」 止鏡明水 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054882619069

完結済 4話  12,056文字

そうか、ここから始まるんですね、恋が……(笑)ですよねっ?
絶対に主義を曲げない男と、それをあの手この手で攻略していく彼女の、喧々諤々の義理チョコを巡る攻防戦。楽しませて頂きました。

これは彼女の策略なのか、はたまた本音なのか。主人公が疑心暗鬼になる辺り、読者としても、最後の瞬間まで、これは果たしてどっちっ?と、非常にヤキモキさせられて、結局最後まで一気に読んでしまいました。読者を掴んで離さないその手腕、お見事でした。

文章の書き方も、意図したものなのか分かりませんが、短文を積み重ねる書き方で、それがバトルの勢いを加速させていて、テンポの良い作品になっていました。ただ、途中、行のスキマがひとつもなかったので、せめて場面の切り替わり部分には、改行をしてスキマを入れてくれると嬉しいかなと思います。



(8)「勇者たちの蕾 ~ 橘・椿・蓮・柊」 ねむりありす 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054884280406

完結済 12話  11,137文字

この作品は、小説というよりは、詩に近い感じですね。自分、小説は結構読んできたんですが、詩の世界とはほとんど縁がなくこれまで来たので、詩の良さというか、どういう所を見て評価していいのか皆目分からなくて。
ここは、あえて「小説」という前提で感想を書かせて頂きます。

小説だと思って読むと、詩的で言葉の選び方が上手い。センスあるなと感じます。文学的というか……ちなみに、この辺も私のテリトリーからはどうにも遠い世界なので、どう言っていいのか(苦笑)本当に、申し訳ないのですが、以下、文学の素養がない人間の感想だと思ってお読み頂ければと思います。

短編連作で、主人公の大学生たちをそれぞれ植物に例えている部分は、センスがいいなと感じました。ただ、それぞれ本文中では、全て、俺(僕)という表記で、それぞれの医学生だったり、法学部の学生だったり、設定としては書かれているのですが、あまり違いが分からなかったというのが、ひとつ。

後、それぞれ出て来る彼女を花に例えているんですが、こちらはどんな花なのかは書かれていないので、それぞれの彼が想いを寄せる彼女をイメージしづらかったというか。あえて書いてないのかな、とも思いましたが、せっかく花モチーフで来ているので、個人的には書いて欲しかったなと思います。

体は大人だけど、精神的にはまだまだ未熟な大学生たちの、相手を思いやる余裕のなさとか、自分勝手さとかが、淡々と描かれていて、その辺なかなか文学的だなあと感じた次第です。



(9)「私のお願いはこの石に込められている。」 夏蓮 様
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054884118303

完結済 12話  5,005文字

これはズルい。パート2です(笑)
猫なんて可愛いに決まっている。猫好きホイホイな作品です。

僕とマナカの小さな恋の物語。空から降って来る光る石というモチーフを上手く使って、本当に愛らしい物語を紡ぎ出しています。心温まる奇跡が心地よい優しい作品でした。

で、気になったことですが。書き上げた作品は、必ず読み返して校正して下さい。せっかくいい作品なのに、仕上げの雑さが目についてしまって勿体ないです。
あと、「、」多すぎです(苦笑)気持ちは分かるんですよこれ。私も経験あるので。書いてて、思考の切れ目で息継ぎがてら「、」押してしまうという。「、」は文章のリズムを整える大事なアイテムなので、むやみに付けると文章がぶつ切りになって、非常に読みにくいものになります。この辺りを意識するだけでも違ってきますので、頑張って下さい。あと、老婆心ながら、「マナカ」は英語じゃないと思います。



(10)「ぐらっまてぃーか・らてぃーな」 兵藤晴佳 様
     https://kakuyomu.jp/works/1177354054880370802

完結済 11話  23,319文字

古い伝承が数多く残る、自然豊かな田舎町を舞台に、ひと夏の甘酸っぱい経験を経て、大人の階段を一段上る高3男子の青春小説。

高校三年生の克彦は、進路を決めなければいけない時期に、赤点で追試とか、進学する気があるのかないのか、本人にも分からない。そんな克彦を、幼馴染みで何事にも完璧な梢が、階段の3段上ぐらいから、やきもきしながら一生懸命、上に引っ張り上げようとするけれど、完璧過ぎる梢に鼓舞されても、克彦はかえって白けるばかり。ところが、この町にフィールドワークにやって来た大学院生の斎《いつき》の出現で、克彦に変化の兆しが……?

突然現れた、色気あふれる、ミステリアスな、大人の、お姉さん。

やはり、健全な高校男子としては、そっちに目が行ってしまうのか。……うん、まあ、そうだよね、という(苦笑)。多分、梢ちゃんは、近くにいすぎて新鮮味がなく、健全過ぎて非の打ちどころのない才女だから、克彦には面白味がないんだろうなと思われ……
斎さんに傾いていく克彦を、黙って側で見ている梢の姿はかなり切ない感じなんだけど、何も言わない辺りが、浮気を黙認している本妻さんみたいでちょっと恐くもあり(笑)

土地に伝わる伝承という体で物語に添えられるお話が、物語全体に不思議な空気をかぶせて、幻のような情景を描き出す感じが、上手いなと感じました。伝承が何となく現実にリンクしていて、克彦を惑わせる辺りもいい感じでした。

ひとつだけ、純和風で日本の田舎特有のどこか湿度を含んだしっとり感のある本作と、作品タイトルが何となくアンバランスな気がしました。単語としては、作品の肝である言葉なのでいいと思うのですが、それをあえてひらがな表記している意図が知りたいです。初見でタイトルを見た印象が、とてもポップで明るく楽しいお話をイメージしたので、実際読んでみて、あれ、しっとり系なんだと思わされたので。




取りあえず、参加順に10作品分、書いてみました。
この一つ前の記事にこの感想に関するお知らせがありますので、そちらの方にも目を通して頂けると幸いです。(削除依頼などのお知らせになります)

感想の長短は、だいたい作品の長さに比例していると思います。短い作品であまり詳しく感想を書くと、ネタバレになってしまうので。あと、長めなのは、考えがまとまらなくて、迷走してるやつですね(苦笑)

ちなみに、この感想に対する感想や、それはそうじゃないんだ!みたいな反論(?)もお待ちしておりますので、何かありましたら、お気軽にコメント欄に書き込んで行って下さい。誤字脱字、表記ミス等も(こっそり)ご連絡頂ければありがたいです。

通りすがりにこの記事を読んだ方~まだ参加人数に余裕がありますので、こんな感じの感想でもいいよ、欲しいよと思った方は、ぜひ企画に参加してみて下さい。

よろしくお願いします<(_ _)>

感想の続きは出来次第こちらに載せますので、残りの方々はもう少しお待ちください。


5件のコメント

  •  初めまして。
     この度は拙作、月が綺麗ですね。への素敵な感想を誠にありがとうございました。
     情景描写、なるほど。勉強になりました。
     余談ではありますが、彼視点のanother storyも公開しておりますので、お時間があるようでしたら、目を通していただけると幸いです。
  • >ねむりありす様

    今回は、企画にご参加頂きありがとうございました。
    何分にも、普段軽い作品ばかり読んでいるラノベ脳なもので、「やばいこれ、一般文芸の本格的な奴来た(汗)」と、あたふたしてしまいました(苦笑)理解力が乏しくて、きちんとコメント出来たかは微妙な感じですが、少しでも何かのお役に立てていたなら幸いです。

  • >星成和貴 様

    今回は、企画にご参加頂きありがとうございました。
    心情描写の書き込みが、なかなか私の好みで、読みながらこちらも勉強させて頂きました。月というモチーフはいいですよね。満月の頃の月光の感じが好きです。薄暗いけど、意外と色々見えるという。……何かドラマが出来そうな気がしてきました。(いや、気がするだけかも……笑)
  • 後れ馳せながら。

    初めまして、有原ハリアーです。

    当方彼女は一人も居ません。
    ただ、作中のデートコースは、実際に私が行った場所です。

    ともあれ、楽しんで頂けたようで何よりです。ありがとうございました。
  • >有原ハリアー様

    こちらこそ企画にご参加ありがとうございました。

    有原様の作品は、読んでいてストレスがなく、とても読みやすい文章でした。これからも、楽しい作品を書いて下さいね。応援しています(*^ー^)ノ♪
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