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〈クライ・ベイビー〉、五話めを更新しました&聴き比べの話。

ZDVシリーズ中篇〈クライ・ベイビー〉、五話めを公開しました。
今回、久々にテディの悪い癖がでております☆ ……あ、おクスリ系じゃないのでご安心ください(笑)

https://kakuyomu.jp/works/16818023212569919510/episodes/16818023213216841452

タイトルに拝借した "Checkin' Up on My Baby" は、数多くのアーティストにカバーされた、ブルースの古典です。
オリジナルはサニー・ボーイ・ウィリアムソンII。ギターはロバート・ロックウッド・ジュニア、ドラムはフレッド・ビロウ、ピアノはオーティス・スパンが弾いています。ブルース好きなら思わず唸る、素晴らしい面子です。フレッド・ビロウはチャック・ベリーのバックでも多く演奏していました。あの "Johnny B. Goode" で叩いていた人です。そしてオーティス・スパンはマディ・ウォーターズ・バンドでも活躍した、偉大なブルースピアニストです。

バディ・ガイやジュニア・ウェルズ、ゲイリー・ムーア、ドクター・フィールグッドなどもカバーしていますが、いちばん有名なのはタジ・マハールのバージョンでしょう。タジ・マハールはローリングストーンズが1968年に制作、しかし長年お蔵入り状態だった伝説の映像作品『ロックンロール・サーカス』でもこの "Checkin' Up on My Baby" を演奏していました。後にミック・ジャガーもカバーしています。これもめっちゃいい。

……が、今回はジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのバージョンを選んでみました☆
オリジナルを演奏してる面子とか丁寧に紹介しといてなぜ!? と思われるかもしれませんが……まあ、やっぱり本家よりもこっちのほうがわかりやすいですし、かっこいいので(笑)
こちらは、ローリングストーンズに加入する前、まだ18歳だったミック・テイラーがギターをプレイしています。

♪ John Mayall & The Bluesbreakers "Checkin' Up on My Baby"
https://youtu.be/8C-MI1cwqt4


オリジナルとカバーなど、演奏を聴き比べて楽しむことを、私は両親から教わりました。
父はクラシックやタンゴ、母はラテンや映画音楽を、いろいろな指揮者、楽団で聴き比べていました。
両親は、名曲喫茶と呼ばれる、こだわりの音響設備で名だたる音楽家たちの名演奏を聴きながら美味しいコーヒーを飲む、というコンセプトのお店で出逢ったそうです。つまり、どっちも筋金入りの音楽莫迦だったのです。この親にしてこの子あり……(笑)

家には父のコレクションと母のコレクション合わせて、床が抜けるのではないかと思うほどのレコード(ヴァイナル盤)がありました。今で云うイージーリスニングというやつがほとんどでした。スタンリー・ブラック、マントヴァーニ、ハーマン・クレバノフ、マランド、アルフレッド・ハウゼ、リカルド・サントス(ウェルナー・ミューラー)、エドムンド・ロス、ザビア・クガート……。たくさんのレコードのなかから、うちの親は "ラ・マラゲーニャ" や "ラ・クンパルシータ" だけをどんどんかけていたんです。いちいち盤を変えて、狙って針を落としてです。今思うと大変な作業(^^;
でも、そういう聴き方を物心ついた頃――否、母のお腹にいた頃からずっと傍でされていて、私の耳は鍛えられたのだと思います。曲や歌詞よりも演奏のほうが気になる。ふと、そのギターの音だけが浮きあがったように耳に入ってくるときがある。楽器のことなんか、ほとんどなにもわかっちゃいないのに。
おかげで中学生の頃、キース・リチャーズに一耳惚れ(?)してしまって、現在に至ります♪(´∀`*)ウフフ


ところで。昔、まだビートルズを知ったばかりで夢中だった頃のことですが、彼らが "ベサメ・ムーチョ" をカバーしていたと知って、その演奏が入ったブートレグ(シーッ)を探しまわって買ったことがありました。わくわくして聴いてみて……ゲラゲラと腹を抱えて大笑いしたのが、今も忘れられません(笑) Cha-cha-boom!!

6件のコメント

  • ビートルズのベサメムーチョってどんなのでしょうね?
  • レネさん、こんにちは。
    YouTube で探すといくつも出てくるんですけど、公式のじゃないのでURLは記しませんでした。
    こうしてお勧めするのも本当はよくないかもしれませんが、興味がおありでしたら「The Beatles Besame Mucho」と検索してみてください。
    演奏は悪くはないのですが、歌ものもトリオ・ロス・パンチョスで聴き慣れていた所為か、チャチャブー! で笑っちゃいました(^^;
  • ビートルズの『ベサメムーチョ』、デッカのオーディションテープのものですかね?
    これとか、スタークラブのライブ盤とか、まだCDで規格が統一される前には、
    レコードでタイトルとか変えて発売されていました。(公式ではないけど一応正規発売になるのかな)

    カバーについては、自分の考えとしたら、時には大胆なアレンジでオリジナルを超える事もあったりして侮れないと。
    その最たる例が、自分にとっては裏ヒーロー的存在のヴァニラファッジですね。
    「キープミー・ハンギングオン」なんて、オリジナルを完全に超越しているんじゃないかと。

    ブルースに関しても、オリジナルは地味だったりして聴きにくいけど、
    日本人向きに聴きやすくしたものは、これはこれでありとは思いますが。
    「マニッシュボーイ」のウェストロードブルースバンド版とかって、
    自分では好きですがどうでしょう?
    (Youtubeで近藤房之助さんの演奏との組み合わせのものに収録されています)

    そしてミック・テイラーと言ったら『ブリュッセル・アフェア』
    (個人的には『ナスティ・ミュージック』の方がワクワクしますが)
    そこでの『Rip This Joint~Jumping Jack Flash~Street Fighting Man』は、
    自分にとってのストーンズのベストライブだと思っています。
    (URL貼っていいというなら貼りたいぐらいです)

    他の人が置いてきぼりになるような話ですみません。
  • 榊さん、こんにちは。
    ビートルズの "ベサメ・ムーチョ"、私が買ったのはスタークラブのライヴ盤でした! でも正規発売のものがあったかどうかは当時わからなかったですね、私が買ったのは間違いなく海賊版でした(^^;

    オリジナルを超えるカバー、ありますよね! ヴァニラファッジの "You Keep Me Hangin' On"、私も大好きです! もともとの曲のかっこよさを目一杯引き出した感じで最高。モータウン、曲がいいからけっこうカバーって化けるのが多いかも。

    ブルースなど、オリジナルは地味だったり音的に古かったり、泥臭すぎて聴きにくいものを聴きやすいアレンジにしたものはたくさんありますし、とっかかりとして、とても重要でありがたいと思います。
    私のお気に入りはストーンズによるロバート・ジョンソンのカバーかな。特に "Stop Breaking Down" はめちゃめちゃかっこいい! あとクリームの "Crossroads"、オールマンブラザーズバンドの "Statesboro Blues"、ブラッククロウズの "Hard To Handle" なんかもノリノリで聴きやすいですね。
    R&Bは、ビートルズの初期にいいカバーがいっぱいありますね。"Baby It's You"、"Anna (Go To Him)"、"Devil in Her Heart"……と、挙げればきりがないですね(笑)
    "Baby It's You" はスミスという女性Vo.のバージョンも好きです。タランティーノのおかげで知りましたw
    あと、ハニードリッパーズの "Sea of Love" もめっちゃ最高。

    ウェストロードブルースバンド、バンド名ごと初めて聞きました(^^; おおぅ、ガチなブルースバンドやないですか……。こういう本格的なものってTVにも出てこないし、知る機会がなかったです。。。

    そしてそして……ブリュッセルアフェア!! 榊さん、めっちゃ通じゃないですか! 私もあのライヴはテイラー在籍時のベストだと思ってます。ナスティミュージックも! わっはー、カクヨムでまさかこんな話ができるなんて、びっくりですww
    他の人が置いてけぼり……は、大丈夫です。もともと私のノートがほとんど更新したお話に(タイトル以外)まったく関係ないことばっかり書いてますからww
    めっちゃ楽しいです、ありがとうございます! 今後ともヨロシクです!♪(≧▽≦)
  • ご両親の出会い、素敵です。
    掌編で拝読したいなと思いました。

    音楽の耳や感性を育てるには最高の環境でしたね。
    私は父がレコードでクラシックを聴き、姉妹がオペラを聴いたり歌ったりする環境だったのでそれらも好きなのですが、自分はブラックミュージックが好きでした。レゲエも好きですが、タンゴやフラメンコなどの踊りを観るのも好きです。情熱がいいです。
    メキシコでの結婚式に出た事があるのですが、向こうはマリアッチがいてお祝いでみんなで歌ったり踊ったりしますよね。小さい子もリズム感あります。路上やレストランにもマリアッチいますし、音楽や踊りが生活に溶けこんでる国っていいなぁと思いました(私は踊れませんでした笑)。

    オリジナルとカバー、名演奏家と素人のオーディション番組などの聴き比べが好きです。
    素人でも心に響くものありますよね〜。
    ↑のYouTube、拝聴してみますね♪
  • 葵さん、こんにちは。
    名曲喫茶での出逢い、というと確かに素敵っぽいですね(笑) でも若者同士ではなく、父は再婚、母は再再婚でどっちもかなりいい歳でした。高齢出産で、私からすると普通なら祖父母ほどの年齢だったんです。実際、小学校の授業参観のときは、おまえんちだけばーちゃん来とるーとか云われました。

    環境はほんとによかったと思います。楽器も、オルガン、ガットギター、ハーモニカ、マラカスとか、何故かそのへんにありましたし(笑)
    葵さんも音楽に囲まれた環境だったんですね。耳に馴染んだものばかりじゃなく、自分で好きになれるものをみつけるの、不思議ですよね。葵さんのブラックミュージックとの出会いはなんだったのか気になります。
    私の場合は、ラジオでビートルズの "Please Mr. Postman" を聴いたのがきっかけでした。イントロの「Wait!!」で、びりっと雷に打たれたような衝撃を受けたんです。親は、ビートルズなんてがちゃがちゃうるさい、ちんどん屋みたいと酷いこと云ってましたが(^^;

    音楽や踊りが生活に溶けこんでる国、ほんと羨ましいですよね。もう血のなかにリズムが入ってるみたいで。殆どの日本人は絶対に敵わないなあと感じます。自分はたぶん、ラテンを聴いて育ってるぶん、少しはマシかな……?(と思いたい)
    わ、長々とすみませんΣ(´∀`;) 音楽の話だとつい。。。
    コメント、ありがとうございました!
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