この近況ノートは、鷲賀祖舘夕さんの小説、
アシュリー嬢は呪われてしまった!? への応援コメント、その返信の返信です。
普段なら作者様の近況ノートに投下するのですが、今回はまったく書かれてなかったので、自分の近況ノートを使うことにします。
なお、とても面白い小説ですので、気になる方はぜひご一読を(ダイマ)。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860963436539>そうですかぁ。読者置いてけぼりの独りよがりムーブをやってしまっていましたかー。他人がやっているのを読んで、ああはなるまいと思っていたのですが、やはり自分ではなかなか気が付けないものですね。
いえいえ、私を含め、誰でもそんなものです。
それにこれはあくまで、私個人の感想なので、特に問題ないという読者も大勢いるかもしれません。
ただ私としましては、あくまで私の視点の感想と希望を書くしかないわけで。
それをどう受け止められるかは、当然作者さま次第です。
>作者的には、初登場時点から間の抜けた憎めない奴、みたいに思っていたキャラなので、改稿するとしたらそれが読者にも伝わるように描写を厚くする方向性かなと考えています。
いえ、ここは問題ないです。私もそう思っていました。
むしろ今回で、そこのキャラに違和感を覚えたが故の苦言のつもりでした。
>アシュリーが悪魔にうっかり同情してしまう点も、それだけ彼女がお人好しなのだという描写に一役買うだろうぐらいに思っていたのですが、ちょっとキャラ造形にディフォルメが過ぎて嘘臭くなりましたかねぇ。
うっかり同情も、とてもアシュリーらしいので、常なら問題視しません。
>事件の発端であるヴィタリスに騙される点からして、救い難いぐらい間抜けなので、そこを彼女の善性が故であるかのように見せるためのアリバイ工作でもあったのですが、犯罪と同じく、なかなか隠し果せるものではない(より墓穴を掘る)といった感じでしょうか。
ここについても、私個人はそういう性格なのだろうと受け止められます。
ここまで読ませていただいて、アシュリーがお人よしという部分も含めて、
彼女の思考と齟齬を感じたことはないですし、あってもアシュリーならそうだろう、という許容範囲でした。
改めて、私の感じる違和感について説明します。
大本の問題は、悪魔の語る謎の部分が、読者にまったく説明されていない点で、問題はそこだけだと考えます。
具体的に台詞を抜き出すと、
>「退屈で退屈で、気が狂いそうになるんだ。もうあんなのは嫌なんだ。この沼に沈んで完全に光が塞がれても、意識を無くすまで相当時間がかかるんだ。
> だから、それまでちっと話し相手によォ……。お前なら……、お前がいれば気が紛れるんじゃないかと……、ヘヘッ、魔が、差しちまった」
前段はまあよいとして。
後段の、アシュリーを閉じ込めた理由は理解しますが、魔が差しちまった?
ということは、この時点で悪魔は後悔してるんですかね?
ここでアシュリーを開放するムーブなら理解できますが、そうでもないので、読者的に??となります。
>「……へッ……、誰も彼も鏡の中に引き摺り込むとか、そんな都合良くできたら世話がねェって話よ……」
ふうむ。何か悪魔特有のルール的なものがあるっぽい。
でも今までそんな話はなかったと思うので、「後で回収される伏線かな?」と受け止めました。この場面で説明する必要もあまりないですし。
>「どうして、なのです? 何故、そんな衰弱を?」
>「……フェフェッ、天罰……かもなァ。魔が差した。魔が差したんだ。俺様、悪魔らしいのによォ」
ここのアシュリーの疑問は、読者と同じですね。
魔が差したから?天罰?悪魔らしい?
察するに、こいつは何かの理由で悪魔に変えられた存在?
天罰ってことは神様的な何かに? 魔が差すと問題が?
ここら辺、読者的には初めての話で疑問だらけですが、とりあえずこれらについて、これから悪魔が説明してくれるのかな?それでもちょっと急だな・・・みたいな感想です。
>「嘘ばっかり吐いても許される人間とは違ってなァ。俺様ァ、約束を破れないようにできてるんだ。破れないようにできてる……。そうだとばかり、思ってたんだが……」
ここの説明も、かなり理解不能です。
約束を破れないようにできてる、は唐突ですがまだ理解できます。
問題は最後の「そうだとばかり思ってた」で、これ自己否定なんですよね?
>「へッ、できねェと思ってたことが意外に何とかなることもあるんだなァ。こんな方法があったとは……」
多分ここに繋がるのでしょうが、読者にわかるのは、
「約束は破れないようにできてると思っていたが、意外に何とかなる。こんな方法があった」
で、こんな方法って何?や、嘘つくと天罰って、そもそも悪魔ってどういう存在なの?とか、実は悪魔に変えられた人間なの?とかの疑問が、一切解決されないまま、消えてしまいます。
正直、敵国が悪魔に関与してて、後々この謎めいた発言の伏線が解決されるのかな?と勘ぐってしまったくらいでした。
>「すまねェな。お前には最初から、悪気はなかったんだよなァ。ただ、馬鹿正直で、疑うことを知らない、根っからのお人好しな……」
に続くアシュリーの許しも、読者が謎を呑み込めない間だと、
「いや許すとかの前に、謎めいたこと言いまくってたのスルー?」
という感じに受け止められるというか。
これが、悪魔の言葉にアシュリーが突っ込むも、悪魔は答えられず息絶えてしまい、主を失った鏡を前に、許しの台詞を言う・・・とかなら、少なくともアシュリーへの違和感はないと思います。悪魔の発言は謎ですが。
私がコメントで書いた、「最後まで悪魔ムーブを貫くべき」というのは、
鷲賀祖さんのおっしゃられる、「間の抜けた憎めない奴」を貫くべきという意味です。最後に謎を残したりせず、アシュリーを話し相手にすべく鏡に入れるも、ミハイルに邪魔されて失敗。ちくそうナイト気どりかよ!とか悪態ついて一人泥に沈んでいく。怒るミハイルだが、アシュリーは意外にも感謝の言葉を贈る。こんな感じの方がすっきりすると思うんですが、どうでしょう。
悪魔が死ぬべき理由というのは、私は先の展開を知らないのでわかりませんが、読者的にはここで死ぬ理由に乏しいですし、その理由もいきなり出てきたものなので、唐突かつ違和感が生じたものだと思います。
以上、一読者の感想の詳細説明でした。
応援コメントで、文字数気にしてざっくりした指摘になってしまい、申し訳ありません。
問題を指摘する以上、きっちり書き込んで、詰めないといけませんでした。
ここは鷲賀祖さん専用に置いておきますので、返信などご自由にお使いください。
もちろん、話を打ち切る権利は作者である鷲賀祖さんにあります。
話の続きも、引き続き追わせていただきます。