クリムゾンVSシゴクのドラゴン対決に続いて、アクアVS格闘家2人の交流試合も、三原龍サンライトの眷属であるキナリと、サンライトの子孫のエコールの記憶を受け継いだクリムという、サンライトの縁者が立会人を務め、彼女達が独断で決着を判断して止めに入る、いわば水入りによって終わる展開となっている。
一見するとワンパターンな展開だが、これには訳がある。
三原龍の末っ子であるサンライトは、同じく三原龍である次女クリムゾンと、長女アクアマリンが暴走するのに備えて産み出された側面があるのだが、課せられた使命を果たさなければならないという、サンライトの深層心理に刻まれていたドラゴンの宿痾は、その子孫であるキナリやエコールにも一部継承されているのだ。
彼女達はサンライト本人程宿痾による精神への影響を受けないが、キナリとクリム(の中のエコールの記憶)は共に産まれたばかりの小龍達の世話役をしていた経験から、幼いドラゴンに対して面倒見がいい性格を持っているので、そのせいもあって、クリムゾンの暴走、並びにアクアの暴走を止めたのだった。
ドラゴンの宿痾は、ドラゴンが眷属を産み出す際に、母から子に掛けられた願いから生じるものであるが、ドラゴンの母は無条件に子供を愛してしまう特性を持つため、その願いは子供の幸せを害する様なものではあり得ない。しかし母の願いの真意はともかくとして、ドラゴンの宿痾は時に呪いの様に作用するのだ。