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第1話後書き

まずは曹騰が語る順帝即位の物語です。

全然三国志の時代じゃないですが、ここを書かないと皇帝+宦官 VS 皇太后+外戚 VS 士太夫、という後漢の政治状況がわからない。十常侍の何が悪かったのか、なんで黄巾賊が蜂起したのか判らないと思うんです。
十常侍が悪いのででかい雹が降った、で済ましたくなかったので。

曹騰は延熹九年にはもうお亡くなりになっていると思いますが、死亡年が明記されてないので長生きしていただきました。
費亭侯に関しては費の亭侯だと思っていたのですが水経注に費亭という地名があるので費亭の亭侯国に封じられたことにしています。

曹騰の少女の声、というのはもちろんレトリックです。でも幼少期に去勢されていますので、きっとかん高い声だったでしょう。ネット上には宦官の声を録音したのが転がってますね。
幼少期去勢者が親を怨んでいる、というのは「カストラート」という本からの知見です。でもそりゃそうよね。ま全員が全員でもないようなんだけど。

なお曹嵩は夏侯家からの異姓養子って説がありますが、もし異姓養子なら陳琳があげつらっている筈なんで、普通に曹一族の人としています。

中国王朝が日食のサロス周期を知っていた、という話は田中重弘という方の「諸葛孔明と卑弥呼 三国志が解く古代志の謎」からネタを拾わせていただきました。トンデモ本みたいなタイトルですが、日食と政変、孔明北伐時の失敗理由について書いてある真面目なスタンスの本です。
日食予想は実際にはもちょっと難しい計算式で出してるっぽい(賈逵論暦)のですが、サロス周期のほうが物語上望ましかったので採用しました。

崇徳殿が北宮で徳陽殿と東西に並んでいる、という説は知っていますが閻太后と閻顕と順帝が同じ北宮ご近所にいてはクーデターが成功しそうにないので崇徳殿南宮説で閻太后分断されている方に取りました。

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