今、『トライアングル・ヴァニラ』を読み返すことができました。
さりげない伏線やミスリードなど、何度も読み返したくなるような要素を複数入れたおかげで、結末を知っている自分も物語を楽しむことができました。
少し自信を取り戻せました。
以下、解説です。(ネタバレを含みます)
物語中では解説をしていない伏線や小ネタを説明します。
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『始まりはバニラの香り』
・校内で履く靴のことを「上履き」と書きましたが、実は私の地域では「上靴(うわぐつ)」という呼び方がメジャーです。
『過去はべとついたキャラメルのように』
・咲の「健人君にこの話を聞かれてしまったら困るから、私帰るね」という台詞。結末を知ってから見ると印象が変わります。物語中では真子は「瞼の腫れた自分の泣き顔を健人に見られたくなかったのだろう」と想像していますが、これは健人にストーカーされているという話を健人本人に聞かれたらまずい、というのが本当の意味です。
・英語の発表中にどこからが聞こえた「可愛い」という男子の声。これはもしかしたら健人の声だったかもしれないですね。
『答え合わせのジグソーパズル』
・咲を装って咲の病気の話をした健人。なぜ健人が咲の病気について知っているのか? 咲がストーカーの健人に自身の病気について話すとは思えませんよね。これは、最終章で明らかになります。
『トライアングル・ヴァニラを添えて』
・「バッグの中を漁られて、授業のノートやいつも服用している薬を盗まれたこともあった」とあるように、健人は咲の薬を盗んだことがありました。薬の名前を調べれば、どんな効用があるのか、どんな病気の治療に使われるのかある程度分かります。そういうことです。ちなみに咲の病名は作中には敢えて出していませんが、咲の病気は「起立性調節障害」という設定です。
・「あれ、私が暫く前に盗まれた香水……」手紙に吹きかけられていたバニラ香水。その香水は咲のものでした。健人は香りまで咲になりすましていたということが分かります。
・Twitterのいいねは、咲からのいいねだったってことが最後に明らかになります。
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以上、ミニ解説でした。
気付けていた伏線はありましたか?