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プロットを立てていました(そしてそれを掲載する)

 ミステリーものなら絶対やっちゃダメでしょうが、私の小説は「わかりやすく読めるもの」が根幹にあるので、しれっと乗せます。
 読んでて熱く、読み終わって「ふー、終わった」とスッキリできるような少年漫画的な内容が理想だったりします。




:やりたいシーン

:電車で都会から田舎の魅雲村にやってくる冒頭シーン
:夏祭りの描写 りんご飴を燈真に渡す椿姫の絵面
:菘と竜胆のほっこりする兄妹喧嘩(悪戯されて追い回す竜胆と「待て!」と言われ「またない!」と言って逃げ回る菘)
:背車刀を使う敵と、意趣返しのように使う椿姫
:燈真の格闘シーン
:悪友ともいえる光希とクラスメイトの神崎雄途との男友達的な掛け合いシーン
:椿姫に「強く生きなさい。懸命に」と言われるシーン


★ゴヲスト・パレヱド プロット


第1章

 人間と妖怪が共存する芽黎八年現代(2086年。近未来が舞台だが様々な事情から平成末期〜令和初期で文明レベルが固定されている)。裡辺地方に暮らす少年・漆宮燈真は通っていた高校で起きた婦女暴行事件の実行犯として逮捕歴が付き、実父から彼の家と親交がある稲尾家から田舎で休まないかという誘いを受けて、七月の頭に電車に乗って魅雲村にやってきていた(冒頭シーンは電車に乗っているシーン)。
 村に降り立ち、燈真は夏の暑さと地方都市ばりに発展しつつもそこにある田舎の長閑さと自分の置かれた状況の対比構造に閉口しつつ、ロータリーに迎えにきた車に乗る。
 山囃子伊予と名乗る化け狸の女性が運転する車に乗り、助手席にいる稲尾椿姫という五尾の妖狐の少女と喋りながら屋敷へ向かう。燈真はそこで実父の孝之さえ反対しなかったのは、俺を捨てる気だったんだろうなと言い、伊予から嗜められる。
 そんな燈真がこれから向かう屋敷は稲尾柊という平安の世を救った英雄が住まう家だった。
 途中、ベーカリーによってパンを購入する日常シーン。椿姫の弟妹思いなところや、燈真の腹を空かせた少年らしさを描く。楽しい掛け合いも描きたい。

 屋敷についた一行は池にいた人魚の乙女・貝音と話し菓子パン――あんパンを渡す。人魚もパンを食べるんだなと思いながら燈真はついていき、玄関先から飛び出してきた可愛らしい妖狐の少女・稲尾菘に抱きつかれる椿姫は笑顔で応じ、屋敷に入っていく。
 燈真は居間で妖怪たち――柊、竜胆、光希、万里恵と顔を合わせる。もろもろ自己紹介したのちパンを食べる前に、燈真は竜胆の案内で二階の自室へ案内されるのだった。

 翌朝、部屋で目を覚ます燈真。必要な道具が揃った部屋で目を覚ますも、転校は夏休み明けである。どう過ごそうかと思いながら朝食を食べ、燈真は竜胆の村の散策についていく。
 あちこち案内された燈真は、帰り道で奇妙な気配に襲われる。生温かいような、甘ったるいような奇妙な空気感――魍魎の襲撃であった。
 竜胆の結界術でなんとか凌ぐが、倒すことはできない。次第に結界にヒビが入り、燈真は竜胆を庇って背中に傷を負う。そこへすぐさま椿姫が現れ、魍魎を祓葬する。
 そうして燈真は椿姫に担がれながら屋敷に帰るのだった――なんとなく、懐かしい匂いを感じながら(過去の母親が死んだ時の回想を少し入れる)。

 その夜。
 燈真を襲ったのはこの世界で起こる魍魎事件によるものだった。ヒトの負の感情から生まれ、受肉する魍魎は人や物を襲い、破壊する害意の具現であった。
 燈真の怪我は柊の手で治療され、包帯を巻かれていたが、燈真の心に蟠る――魍魎を前にした時の竜胆の怯えた顔が忘れられず、自分に何かできないかと考える。
 その思いを見透かしたように柊は浮奈――燈真の母も退魔師であったと告げる。そして燈真に流れる漆宮一族には、その先祖に妖怪がいたことを告げた。燈真は何十世代も経てなお続く妖怪の子孫だったのである。
 燈真は自分も退魔師になりたいと柊に訴え、彼女は「よろしい」と頷くのだった。

 翌朝から燈真は修行を始めることになる。退魔師になるには実技試験があり、それを通過するためにとにかく鍛えねばならないという。
 燈真は格闘術のセンスを見出され、柊のもと徒手格闘の訓練に励む。
 そんな日々がしばらく続き――二週間後。
 退魔局が出した実技テストを兼ねた任務を受けることとなり、燈真と光希は村の路地裏にやってきていた。結界で閉ざされたそこにはイグチ(異口)という魍魎がいるという。燈真一人でそれを祓葬することがテストの条件だった。
 戦闘の末燈真はイグチを撃破し、無事テストはクリアとなるのだった。
 試験結果を正式に聞くため退魔局にやってきた燈真たちは、支局長久留米宗一郎直々に合格通知と五等級資格を与えられる。
 かくして退魔師になった燈真は、弟妹分の笑顔のため、誰かのために戦うことを選ぶのだった。

第2章

 燈真が村に来て一ヶ月。八月八日の木曜日。燈真は明日の椿姫の誕生日プレゼントを買うため竜胆と菘を連れ村の雑貨屋に来ていた。
 それぞれプレゼントを選んで帰路に着く中、村に観光に来たという鬼塚と名乗る若い男から神社の場所を聞かれる。裡辺特有の常闇之神社という場所――魅雲常闇之神社の場所を教えた彼らは、家路につくのだった。
※この観光客は呪術師で、呪物を埋めに来た。

 翌朝の八月九日の夜。屋敷で誕生日パーティが行われ、椿姫は上機嫌でプレゼントを受け取っていた。最後に燈真が渡したのは白い湯呑み。白狐の絵が書いてあるそれを渡すと、椿姫は笑顔で労う。
 ワイワイ過ごす誕生日の夜。そして、彼らは明日から始まる夏祭りの話題にシフトしていくのだった。

 八月十日、夏祭り。燈真たちはそれぞれの視点(燈真・光希・椿姫、竜胆、菘、万里恵、柊、伊予)から祭りを楽しむ。そこで光希の友人でのちのクラスメイトである神崎雄途と出会う。
 そんな中、境内の裏手に行ったというカップルたちが具合を崩し、救急搬送される事態が起こる。奇妙なことだと思った椿姫が燈真と光希と共にそこにいくと、濃密な呪詛の気配があった。
 そして発生した魍魎――二等級・カバネ(禍羽)を前に戦い、なんとか祓葬するも現れた呪術師……数日前の観光客に扮した鬼の男が、稲尾の血は手に入れたといって、飛散した血液を回収していたのか小瓶を見せ、去っていく。
 このことを知った柊は嫌な予感がするといい、退魔局に警戒を投げかけるのだった。

 何はともあれ夏休みを楽しむ一行。稲尾家は龍神湖へバーベキューへ行き、そこで夏の思い出を作る。その際、龍神が化身した妙齢の女が柊のもとにやってきて飲み比べ勝負をしたり、光希が龍神の女に惚れ込んだりなどする。
 そんな中去り際に龍神様は「あなたたちならきっと明日を切り拓ける」と言い残し、去っていくのだった。

 敵視点。
 魅雲村に侵入してきていた呪術師の数は三人。鬼、鎌鼬、そして妖狐。彼らは稲尾の血を使ってヤオロズの上澄みを引き出し、その力で己が望む、何者にも侵害されない暮らしを手に入れようとしていた。ヤオロズの上澄みが最も手に入りやすい山中に入り込み、彼らはそこで稲尾の血を垂らす。
 溢れ出した上澄みが呪術師の一人——焜に巡り込み、彼女に強大な力を付与する。
 手始めに同じ妖狐でありながらのうのうと暮らす椿姫を切るといい、策を巡らせる。


第3章


 芽黎八年九月二日、月曜日(暦は2086年を参考にする)。燈真は村立魅雲高校に編入することとなり、編入初日を迎えていた。
 歓迎ムードで出迎えられた燈真は高校生活に馴染んでいき、友人とも言える(祭りで出会った光希のツレである神崎雄途)間柄の人間を手にいれ、それから一週間が経っていたある日。
 九月十日の火曜日、長距離走でお墓参りと言われるコースを走っていた光希は異変に気づき、燈真たちと別れ気配の元へ向かう。
 そこにいたのは鎌鼬妖怪で、レミという女だった。彼女は稲尾椿姫を誘ったつもりだったと言いつつ、攻撃を仕掛けてくる。
 戦闘の最中彼女らが稲尾椿姫を殺害する計画を立てていること、そしてボスである鬼塚が燈真に興味を持っていることを明かす。
 光希は脇腹に深い傷を負いながらも獣の状態に戻り辛くも勝利を掴む。なんとか退魔局に連絡をとったところで、彼は気を失うのだった。
 その頃友達と遊んでいた菘は、鬼塚という男に攫われていた。泣きながら稲尾家に駆けつけた子供達によって事情を知った柊は、退魔局と椿姫たちに連絡を入れる。

 椿姫は怒っていたが、あくまで冷静だった。光希から退魔局が調書した内容によれば、狙いはあくまで椿姫であるという。
 早く助けに行こうという燈真に賛同した椿姫は、退魔局に先んじて行動する。万里恵も伴って。
 指定された山の廃堂に向かう途中現れたのは鬼塚と名乗る鬼。燈真と戦いたいといい、燈真も承諾。椿姫と万里恵を先に行かせる。
 激闘の中で鬼塚は「お前の力はそんなものではない。もしお前が本気を出さねば、本当に殺す」と言って迫り来る。
 そしてとうとう燈真は肋骨を砕かれ、喀血。肺に刺さった感触と迫る死の気配に、彼は暗闇の中に藍色の燈火を見る。

 廃堂にたどり着いた椿姫と万里恵。口を縛られ投げ出されている菘と、尾が六本ある金毛の呪術師・焜(ヤオロズの上澄みで四本増えている)。椿姫たちを殺して、自分が優れた妖狐だと証明するといい襲いかかってくる。
 二刀流の焜と戦う椿姫と万里恵。廃堂をぶち抜いてかつての境内で戦う三人の妖怪。
 野良妖怪として生まれた苦悩、苦痛、そして悲しみの慟哭を上げながら獣の姿に戻った焜に、椿姫は一騎討ちをすると万里恵にいう。そして椿姫も狐の姿に戻り、激闘を繰り広げ、ヤオロズの上澄みで自らを滅ぼしかけ死にかけている焜を撃滅するのだった。
 それと同時に山道で膨れ上がる妖気。その強烈な気配に、ボロボロの椿姫は「燈真……?」と漏らす。

 鬼として覚醒した燈真は圧倒的な力で鬼塚を攻め立てる。だが敵もさるもの、くらいついてくる鬼塚を前に戦いは苛烈を極める。
 そして燈真は地面に仕掛けた氷結符という式符を使って彼の足を一時的に止め、ラッシュをかけた。
 拮抗する二人は燈真の妙案で均衡が瓦解し、燈真は思い切り殴り飛ばして、鬼塚を戦闘不能にするのだった。
 そこへ退魔局の局員が駆けつけ、鬼塚を捕縛する。
 燈真は一件落着かと腰を下ろし、そしてそのまま気を失うのだった。
 稲尾家に連れられてきていた燈真は柊のしっぽ枕で目を覚ます。そばには竜胆がおり、周りには家族たち。
 柊は燈真が鬼であることを自覚させるため角を触らせ、燈真は己が本当の意味で妖怪になったんだなと自覚するのだった。



 長めですが、全3章分のプロットです。
 全3章で完結というわけではなく、大体五万文字〜七万文字で一区切りにできればなあと立てたものです。のちのち続きの話を作っていきます(最終的な目標はヤオロズを完全に配下に置いた空狐・稲尾幽蘭との決着)。

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