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あともうちょっと(告知アリ)

告知のみご覧になりたい方は末尾をご覧ください。以下、少し愚痴っぽい話になります。

 『若紫の君と、光源氏になれない僕』(以下『ない僕』)第12話・上を更新しました。
 最大の山場を越えたという感じです。わりとこの作品のなかでは短い話ですが、雅行と紫が互いの感情をぶつけ合うというシーンでしたので、すっごく悩んで時間もかかりましたが、それでも上手く書けなかったな、と思います。彼らの思いを十分に伝えることができたとは思えません。
 予定では、あと一話とエピローグで第一章は完結します。それもいつになるやら……。でも今回ほど時間がかかることはないと思いますがね。

 『ない僕』を公開したのは去年の七月でしたか。もう一年経ちますね。他の作家さんなら、一年もかからず完結できるんでしょうが……何だかんだ言ってわたしにはこれが精いっぱいだったのかな。
 書くのが下手な上に、いわゆる「小説体力」がない、集中力がない、継続力がない、ないない尽くしで、そんな自分との葛藤の一年だったなぁと振り返って思います。

 でも、この作品がなかったら、いまわたしはここにいるかどうか、分からない。
 雅行と紫、彼らの存在がわたしの存在理由だった。

 ……雅行達にしてみれば、いっぱい、つらい目に遭わせたのに、どの口が言うんだって感じでしょうが。


 小説を書かずにいて幸せなら、こんなに幸せなことはないっていうのが本心です。
 だって書いててつらいんだもん。苦しいんだもん。

 ……だけど、小説書かなかったらもっとつらくなる。苦しくなる。
 だってわたしには小説しかないから。

 結局、わたしって書くこと抜きには生きられないんです。
 楽しいから書くとかそういうことじゃない。「趣味」じゃないんです。

 書くことが存在理由で、それ以外には何もない。
 だから書く。


 書くよりも「楽しい」ことならもっと他にもあるって思います。

 だけど敢えて少し厄介な道を選んだのは、それが「わたし」で、それ以外に「わたし」なんてないから。
 紫の願いを叶えようとする雅行、そんな自分に雅行が他ならぬ自分を見つけたみたいに、わたしはそんな彼らの姿を描くことに「他ならぬ自分」を見つける。それ以外には「他ならぬ自分」などない。

 「他ならぬ自分」に「生きている」と感じる。雅行もわたしもそういう人です。いわゆるアイデンティティってやつです。
 
 つまり、わたしが「生きている」と感じるのは書くことだけなんです。

 わたしみたいな状態が幸せだとは思えません。それが本心です。


 でも、まぁそれでもいいのかなって思います。

 願いを叶えるために「苦しむ」こと、それが「生きている」証なんだと雅行は言いました。
 惨めで悔しくて、苦しんで、そんな姿にもしかしたら、何か意味があるのかも。幸せになるための、何か、意味が。

 雅行だってそうだったはずだから。


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 ここからは告知です。

 近々、『ない僕』の解説のようなものを近況ノートで出したいと思っています。
 作中ではあまり触れられていない、作品の背景や、登場人物のプロフィールなど(官位・官職についてなど)を紹介したいと思っています。
 主に平安時代の時代背景やこの作品の基?になった『源氏物語』若紫の帖に絡んだものになる予定です。……ていうか、それをあまりに説明できていないので、そこら辺の補足という感じです。
 ですので、平安時代好きの方やそうでない方も見ていただければ幸いです。
 


2件のコメント

  • これしかない!って思えることに出逢えたということは、実はすごく幸せなことなんやと思いますよ~。

    やってる方は、しんどくてたまらんのですけどね(笑)

    いろいろあって、ヘコんだりあがったり、それでも書くしかないんやし。もう、諦めて書くのみです(*´ω`*)

    雅行くんの旅、ラストが見えてきましたね。二人にとって後悔のないラストにむけて、あとひと頑張りですね。楽しみにしてます。
  • マフユフミさま。

    コメントいただきありがとうございます!

    それ自体は幸せなことだなって、わたしも思うんですよ。その一方で「それ一つしかない」っていうことは、他に逃げ場がないということでもあり、それって幸せなことなんかなって思ってしまいます。
    たった一つに賭けるってなんか、かっこいい感じもしますけど。その分、リスクも大きいんじゃないかなって。
    でも、それって表裏一体なことですよね。多くの選択肢があったら、何か一つにここまで情熱を傾けられないかもしれないですし。

    そうなんです!もう諦めるしかないってわたしも思います!だって、つらくたって書きたいって思いますし、書かなきゃ生きていけませんし!

    そうですね。泣いても笑ってもこれで最後。わたしにとっても二人にとっても後悔のないよう、頑張ります。ありがとうございます。
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