作家：岩永桂

ＴＨＲＥＥ　ＧＡＲＤＥＮＳ　ＥＰ：０３
ＴＡＭＡＣＨＩ区の振興事業
古竜「＝ＶＩＮＴＡＧＥ　ＤＲＡＧＯＮ」を
魔法力で再現すること。
魔法の皮膚で骨格を保護すれば
現役時代を彷彿する姿で
復活させることも叶うだろう。

仮に、完全再現が成就したとして
御三家のどこを統治する神獣に成るべきだろうか？
古竜の骨格が土に埋まっていた末永家？「＝発端」
魔法の粉を生成するのに長けた広山家？「＝生成」
広大な庭園を、振興事業に貸す岩見家？「＝貸与」

理由としては末永家の「＝発端」が一番有力な気がする。
古竜が埋まっていなかったら、事業自体が起きなかった。
しかし、魔法の粉が大量に無いと、再現は絶対に不可能。
加えて、広大な土地が存在しないと、試験は叶わない。

仮説では無く、末永家には古竜が埋まっていた。
解りやすく言うと化石の状態で土壌に覇気を張っていた。
亡骸になっても、覇気を張れる神通力の強さよ。

２０ＸＸ年１１月２６日
荘厳に、御三家の魔法再現は執りおこなわれた。
広山家の自慢の庭園は精彩を欠く程
多くの魔法花が粉末として生成された。
末永家の永遠力「＝ＥＴＥＲＮＡＬ」も
発端の古竜が掘り起こされたことで
大いにその効力を失いつつある。
それでも、断行するしか無かった。
精彩を欠く庭園も、時間を掛けて再生すれば
「殲滅」「犠牲」「退化」みたいな
ネガティブな熟語を使うことも無いだろう。
再現は始まった。古竜は必ず復活する！