カクヨムのコンテストで初めて一次選考を通過しました。
お読みくださった皆さん、本当にありがとうございます!
***
『夢見るエンジン』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883009147東京、立川。
戦時中、祖父が飛行機を造っていた町。
くたびれたぼくが漫然と生きる町。
二〇一一年、夏。
束の間、ぼくは、出会うはずのない彼と出会う。
***
いただいたレビューの中にもありましたが、
「特定の仕事」についての小説ではなく、
「仕事というもの」を描いた小説です。
また、戦時中に飛行機を作っていた祖父の経歴、
福島の血を引く長崎育ちであることなど、
私にとってのファミリーヒストリーでもあります。
2011年夏、震災と原発事故から数ヶ月。
フクシマの被曝が世界的なニュースになっていた頃、
ナガサキの被爆を身近に知る私が感じていたこと。
その頃、私はフリーターで、牛丼屋勤めでした。
毎週のように強盗事件が起こり、問題も山積で、
すごく大変だったけれど、慣れ切っていました。
大学院に残って研究の道に進みたくもありました。
もしも私が理系の頭脳を持っていたら、とも思います。
そんな憧れを形にして、登場人物に託しました。
20世紀史も機械工学もド素人だけれど、
新しいことを知っていくのは楽しかった。
もっと勉強してみたいと思いました。
幕末を書くために勉強中の会津弁が本作にも役立ちました。
長崎弁は(島の訛りがあるとはいえ)ネイティブなので、
久々に思う存分、書くことができて気持ちよかったです。
未熟な点も多々ありますが、興味を持っていただけたら。
どうぞよろしくお願いします。