📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第558話 鼻歌交じりに魔術を使うのか……。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093079522311965📄「ドリー女史の受け入れ名目は、そうだな――共同研究ということにしよう」
ネルソンは速やかに方策を論じた。
「共同研究とは何の?」
ここまで陰謀めいた話に圧倒されていたスールーが、自分の得意分野だとばかりに話に加わった。
「マルチェル、『|誦文《しょうもん》法』を武術と組み合わせるというのはどうだ?」
「きわめて有効かつ実践的かと」
それは1年前、ステファノが「戦争の犬」として消費されることを心配させた技術だった。軍事訓練に採用されれば、兵士の戦闘力を向上させるだろう。
「誦文法をマスターすればイドの制御、|魔核《マジコア》錬成を意識せず行えるようになる。そうだな?」
「はい。メシヤ流の入門者にとっては極めて有用な技術です」
「だろうな。それは武術にも通じるのだな?」
答えのわかった質問を、ネルソンはあえて言葉にした。情報をマランツやスールーと共有するためである。
「武術に応用すれば『内気功』の達人レベルまで能力を引き上げることができるでしょう」
「それ程の術か……?」
誦文法のことを初めて聞いたマランツは、驚きに目を見開いた。
「ステファノが実例です。たった1年で大男を跳ね飛ばす気を操れるようになりました」
マルチェルの言葉にはいささか誇張が含まれていた。
ステファノは単なる内気功、すなわち体内イドの制御に加えてイドの|高周波化《オーバークロック》を併用している。
しかし、高周波化ができなくとも巨漢を跳ねのけるくらいのことは、誦文法の鍛錬によって習得できるだろう。
「イドの制御とはそこまで自在にできるものか。しかもたった1年で」
「そこに『意識』の不思議があるのさ」
感嘆したマランツにドイルは、そうではないと言いたげだった。……
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お楽しみください。