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📢更新しました。「飯屋のせがれ、魔術師になる。」

📖第524話 流派の極意は初伝にある。
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093074742792884

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📄「ほう。随分と殊勝な挨拶だな」

 面白がるようにネオンは鼻を鳴らした。

「武術の極意はすべて初伝の中にありと、師匠に教わりました」
「なるほどな。はっきり物を言う師から道を学んだようだ」

 ネオンは微笑みながら頷いた。

「お前の言うことは正しい。奥義だ、秘術だともったいぶっても、流派の極意は初伝にある。他のすべては『コツ』と『応用』に過ぎぬ」
「先生も同じご意見ですか?」
「熟達者であれば皆知っていることだ。なあに、奥義と呼べば格好がつくのでな。さも特別なことのように祭り上げているだけさ」

 ネオンはあっけらかんと肩をゆすった。

「さてと。折角来たのだから『|手裡八方《しゅりはっぽう》』の稽古をしていきなさい。右四方と左四方を交互に行うように」
「わかりました。稽古で心がけるべきことはありますか?」

 軽く頭を下げて、ステファノは尋ねた。手裡八方の「形」は先程観て取った。
 しかし、籠めるべき「意」までは外から読み取れない。

「そうだな。初めから強く撃つ必要はない。必中にこだわる必要もない。滞りなく、崩れることなく、流れの中で石を撃て。右と左は等分に使え。普段の動きで左手を使うように意識せよ。それくらいだ」
「ご注意ありがとうございます」
「うん。痛みが出るまで体をいじめるなよ? 筋や骨を痛めるのはばかばかしい。無理のない形を身につけるのが初伝の目的と考えなさい」

 ステファノは無言で頭を下げ、手裡八方の稽古を始めた。ネオンは後ろに立ち、ステファノの動きをしばらく見守っていた。

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🐼「魔法の設定をここまで細かく考えてるのか…!」――よいたまご さん

📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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