📖「第506話 名言というのは雰囲気を味わうものだよ。」
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📄「あっと言う間だったな。あれもこれも中途半端だった気がする」
ステファノも感慨無量だった。思い返せば、あの時こうすれば良かったという後悔ばかりだ。
「うつむくな。胸を張れ」
「サントスさん……」
自分でもうつむき加減のサントスが、低い声で言った。
「お前の行動に手抜きはない。それで十分」
バンスがいたならば同じことを言っただろう。下ばかり見ている奴にうまいものが作れるか、と。
「常に最善の行動を取れるはずがないからね。次善でも三善でも、先に進めるなら良いのじゃないか?」
「三善て何だ? そんな言葉があるのか?」
「さあね。細かいことを言うな、トーマ。名言というのは雰囲気を味わうものだよ」
スールーがまとめに掛かったが、どうにも適当だ。だが、その適当さが時として周りの救いとなる。ステファノは肩の荷が少し軽くなったように感じた。
「冷静に考えれば、むしろやりすぎじゃねぇかと言うくらいだな」
商売人の実践的目線でトーマがステファノの業績を評価した。
「そうとも。発明品が王国軍御用達になり、理論では王族への御進講が決まっている。実技では王国魔術大会への参加決定だ。これ以上の成果など、ありえないじゃないか」
スールーが言う通り、「ステファノだから」と当たり前に受け止めて来たが、1人の学生が成し遂げた業績としてはありえないほどに充実しているのだった。
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📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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