第485話 ジローにあんなことできたかなぁ。
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330669289112490📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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🖋ジロー・コリントが活躍する、「魔術試技会激闘編」の新エピソードを公開しました。新年第1号の更新をお楽しみください。🙏😊
……
試合時間は残り30秒。ジローが自陣のフロントラインに立った。
「距離を詰めて攻撃しようってのか?」
「ウォルシュの方は氷壁の陰から動かないだろうしね」
スールーの言う通り、ウォルシュは位置を変えずにいた。氷壁は手堅い防御だが、1箇所にとどまることを強いる防御手段だった。
ジローが走り寄る間もウォルシュは気を練っていた。もう一度力を籠めて威力ある術を放つためだ。ジローが台車を止めた瞬間、ウォルシュは練り上げた太極玉に見合う術式を展開した。
彼が撃てる最大の水魔術を氷柱として撃ち出す。
距離が近い分、先程よりも大きな威力を以て標的を襲うはずであった。
貫通力を高めた氷柱は、槍のように飛んでジローが守る標的へと飛んだ。氷そのものは術を打ち消しても消えない。即ち、ジローが陰気の盾で防ごうとしても物理的な打撃力はそのまま残ることになる。
ジローの盾はウォルシュの氷柱を止める「強さ」があるか?
ぱぁーん!
見守る観客の目の前で、氷柱は乾いた音とともに向きを変えた。まるで何かに横っ面をはたかれたように。
勢いは衰えぬまま、ジローの標的をかすめて背後に抜けた。
「ぬ? 何だい、アレは? どうして曲がった?」
理由がわからないスールーは首を左右に振り向けて、トーマとサントスに問いかける。
……