📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093086083257475📄|真名《まな》とはその人の本質を指し示すもの。
敵対する魔術師に知られれば、急所を晒したにも等しいこととなる。
術の発現とその威力が格段に強力となる。
いかに聖スノーデンでも、真名を敵に知られることは大きな不利となる。
(ふふ。どれほど不利になろうとも、己の力があれば跳ねのけられると思ったか?)
楽しさにジェーンの顔はついほころぶ。頬が緩むのを押さえられない。
彼女は「|まつろわぬもの《かつて神だったもの》」である。その手に人の真名を得るということは、特別な意味があった。
(これでスノーデンは|い《・》|つ《・》|で《・》|も《・》|消《・》|せ《・》|る《・》)
スノーデンに恨みはない。逆に、思い入れもない。ジェーンの眼から見れば、聖スノーデンもただの人間に過ぎない。
勝手に生まれ、生き、死んでいくものだ。
路傍の石ほども関心を引かない。
問題はスノーデンが神の傀儡であることだった。彼がミッションを果たせば、神の力が強まる。神の意志がより多く地上に満ちることになる。
ジェーンにはそれが許せなかった。彼女自身もかつて|自分《神》の意志を広め、維持しようとしていた。神でなくなっても、その意志は変わらないのだ。
(そもそもこの世界はおかしい。なぜわたくしが存在を許されているのか?)
滅多にあることではないが神が入れ替わるなら、以前の神は抹殺されるか、新しい神に吸収されるはずだった。
(それなのに、わたくしは「まつろわぬもの」として存在し続けている。これは異常だ)
神の代替わりに何かの間違いが発生したとしか考えられなかった。つまり、この世界はイレギュラーで新たな神は完全な神ではない。
|神の如きもの《不完全な神》は、神ではない。……
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お楽しみください。