📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第476話 さすがはギルモア家。気前の良いことだ。
「メシヤ流だと? 工房とはどういうものだ? どこにある?」
「き、君! 誰に頼めば、その魔法具というものが手に入る?」
「待ちたまえ! ここは発表の場だぞ。抜け駆けのような真似をするんじゃない」
一時は壇上のステファノに聴衆の一部が殺到しそうな気配になった。
「お静かに!」
天井を震わせて、轟音が講堂に響き渡った。
「発表内容に関係のない発言や行動は、慎んでもらいます!」
舞台の上に進み出ながら、マリアンヌ魔術学科長が聴衆に呼びかけた。その姿には有無を言わさぬ迫力がある。
「従わない方は強制的に排除しますので、そのつもりで。良いですね?」
最後の一言は静かな口調ではあったが、誰もが目を伏せるほどの迫力があった。
「王都のオークションをにぎわせた魔法具については、当アカデミーでも関知しております。かの魔法具はギルモア侯爵家の肝いりにてネルソン商会監修の下、製作されたものだそうです」
王都の情報に詳しくない聴衆にとっては、初めて聞く事情であった。
「ギルモア家が……」
「そう言えば、彼はギルモアの|家人《けにん》だったか?」
ステファノとギルモア家の関係を思い出す人たちもいた。
……